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地域おこし協力隊の住まいと車はどこまで自治体が持つのか|公用車は私用に使えない

約5分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊の住まいと車はどこまで自治体が持つのかを示した図。家賃は町が持っても光熱水費や引越し費用は自己負担のことが多いこと、公用車は勤務時間外に使えず生活用の車が別に要ること、自分の車を活動に使えば借上げ料・保険料・ガソリン代が補助される形もあること、任期後の住まいは募集要項に書かれていなければ確かめることの4点を並べている

地域おこし協力隊の住まいと車について、自治体が負担するものと自分で用意するものを、募集要項と総務省の資料で確かめます。家賃が無料でも光熱水費や引越し費用は自己負担のことが多く、公用車は勤務時間外に使えないため生活用の車が別に要ります。

地域おこし協力隊の募集要項には、たいてい「住居を用意します」「活動用の車を貸与します」と書かれています。ただ、どこまでが自治体持ちで、どこからが自分の負担かは町によって違い、短い一文からは読み取れないことがあります。ここでは、国の資料と3つの市町の募集要項で、住まいと車の扱いを具体的に確かめます。

住まいと車の費用が入る枠

総務省の地域おこし協力隊推進要綱(令和8年3月5日一部改正)では、隊員1人あたりの経費の上限550万円のうち、報酬にあたる報償費等が350万円、それ以外の活動経費が200万円です。住居や活動用車両の借上費は、この200万円の側の例として挙げられています。

総務省の取組ハンドブック(令和8年3月)は自治体向けに、活動費には住居費・車両代・研修費なども含まれ、項目間の流用が原則できないことも想定して予算を見積もるよう書いています。住まいと車は、研修費や活動の道具代と同じ枠を分け合っているということです。報酬との関係は地域おこし協力隊の給料・年収にまとめました。

家賃を自治体が持つ町の例

3つの市町の募集要項を並べます。いずれも、自治体が住まいを借り上げる形です。

市町住まい家賃自分で払うもの
田子町(青森県)町が契約した物件を用意。民間アパートなどを借り上げる予定住居借上料は町が負担光熱水費など生活に必要な費用。家具・家電は自分でそろえる。転居費用は基本的に自己負担だが、町の規定で算定した赴任旅費が出る
小坂町(秋田県)原則として町が借り上げた賃貸物件小坂七滝ワイナリー推進事業のロードマップに、敷金・礼金などの関連費用も町が負担すると書かれている光熱水費、荷物の運搬など引越しにかかる経費
にかほ市(秋田県)市が借り上げて貸与市が借り上げ引越し費用、生活必需品、光熱水費など

田子町は令和8年度の募集要項(その1・その2)、小坂町は令和8年度採用の募集ページ、にかほ市は令和8年4月開始の募集要項(募集は終了)で確かめました。

家賃を持つ町でも、光熱水費と引越し費用は自分持ち、という書き方がそろっています。寒い地域では冬の暖房費が大きくなるので、光熱水費が自己負担かどうかは手元に残る額に効きます。

上限つきで家賃を補助する町や、住まいを自分で探す町もあります。青森県の例は移住先のおすすめは条件で絞るに、住まいを各自で手配する福島県飯舘村の例は地域おこし協力隊が「ひどい」「やめとけ」と言われる理由にまとめました。

公用車は勤務時間外に使えない

「活動用の車を貸与」とあっても、その車で買い物や休日の移動はできないと考えてください。

小坂町の募集ページには、勤務時間中に車が必要なときは町が用意して無償で貸すこと、車は他の隊員と共用で、勤務時間外の使用は不可であること、日によっては相乗りになることが書かれています。同じ募集のロードマップにも、公用車は自家用での利用を原則認めていない、とあります。そのかわり、自宅から役場までの通勤手当は自家用車の利用として町の規定で支給されます。

田子町も、活動に使う車両とパソコンは貸与するとしたうえで、留意事項に「当町での生活は、移動手段として自家用車の所有が必要不可欠となります。自家用車はご自身で用意していただきます」と書いています。

つまり、活動用の車があっても、暮らしのための車は別に要ります。田子町・小坂町とも、応募条件に普通自動車運転免許が入っています。車の購入費や維持費は募集要項に書かれていないので、自分で見積もる必要があります。

自分の車を活動に使う形

自分の車を活動にも使い、その費用を補助する形もあります。

にかほ市の募集要項は、活動に要する車両は市が借り上げて貸与するとしたうえで、私有車やリース車両を活動に使う場合は、借上げ料・任意保険料・ガソリン代を補助する(上限あり)としています。

要項には「上限あり」とだけあり、金額は書かれていません。同じ募集のチラシには、月額最大115,000円として、リース車助成が最大40,000円、ガソリン代10,000円、家賃65,000円という内訳が載っていました。要項とチラシで書かれている量が違うので、金額は担当課に直接確かめてください。

自治体が車を買った場合、任期後はどうなるか

総務省の「よくある質問」は、自治体が隊員の活動のために車やパソコンを買った場合について、その物品が財務規程で「備品」として扱われるなら基本的に自治体の財産になると説明しています。そのうえで、隊員が任期後もその備品を使うには、自治体から無償で譲る・貸す・減価償却するなどの手続きが要る、と自治体に注意しています。

任期中に使っていた車が、任期後もそのまま自分のものになるとは限りません。任期後もその町で暮らすなら、車をどうするかは早めに確かめておきたい点です。

任期が終わったあとの住まい

今回確かめた3市町の募集要項には、任期後に借り上げ住宅に住み続けられるかは書かれていませんでした。任期後の住まいをどうするかは、応募時か任期中に担当課へ確かめてください。

国の制度では、任期を終えた人が引き続き同じ市町村に住むために空き家を改修する費用が特別交付税措置の対象です(措置率0.5)。市町村が改修の補助制度を設けているかどうかで、使えるかが決まります。小坂町のロードマップには、任期後の支援として「各種助成の紹介(住居等)」が挙げられています。任期後の起業支援とあわせて地域おこし協力隊の任期後にまとめました。

雪の多い地域での生活

総務省のハンドブックは、生活を始める隊員へのサポートの例として、草刈り機の使い方や冬場の雪道運転講習を挙げています。雪道の運転に慣れていないなら、講習や地域の人の手助けがあるかも確かめておくと安心です。

募集要項で確かめること

総務省のハンドブックは自治体向けに、住宅の場所・間取り・家賃(負担者)をあらかじめ決めておき、間取り図や写真も募集要項に載せることを勧めています。準備が足りないと、着任してから「住宅が見つからない」「思っていた住宅と違った」というトラブルになり、ミスマッチの原因になるとも書いています。

応募する前に、次の点を確かめてください。

  1. 家賃は全額か、上限つきか、自分で払うのか。敷金・礼金は誰が持つか
  2. 光熱水費・家具家電・引越し費用が自己負担か
  3. 活動用の車を勤務時間外に使えるか。使えないなら、自家用車を用意する前提で考える
  4. 自分の車を活動に使う場合の補助があるか、その上限額はいくらか
  5. 任期後も同じ住まいに住めるか。空き家改修などの支援があるか
  6. 住宅の間取りや写真を見せてもらえるか

本記事は、総務省の地域おこし協力隊推進要綱・よくある質問・取組ハンドブックと、田子町・小坂町・にかほ市の募集要項をもとにしています(2026年9月26日確認)。住まいや車の扱いは募集ごとに違います。応募先の最新の募集要項で確かめてください。

よくある質問

Q.地域おこし協力隊の家賃は自治体が払ってくれますか。

A.町によって違います。田子町は住居借上料を町が負担し、小坂町とにかほ市も自治体が借り上げた物件を用意します。上限つきで補助する町や、住まいを自分で探す町もあります。応募先の募集要項で確かめてください。

Q.家賃が自治体持ちなら、住まいの費用はかかりませんか。

A.かかります。田子町・小坂町・にかほ市とも、光熱水費は自己負担です。引越し費用も自己負担とする書き方が多く、田子町は家具・家電も自分でそろえるとしています。

Q.活動用の車を貸してもらえれば、自分の車はいりませんか。

A.いると考えてください。小坂町は公用車の勤務時間外の使用を認めておらず、田子町も車両を貸与したうえで自家用車は自分で用意するよう求めています。買い物や休日の移動には自分の車が必要です。

Q.自分の車を活動に使うことはできますか。

A.できる町があります。にかほ市は、私有車やリース車両を活動に使う場合に、借上げ料・任意保険料・ガソリン代を上限つきで補助するとしています。募集要項には上限額が書かれていないので、担当課で確かめてください。

Q.任期中に使っていた車は、任期後にもらえますか。

A.決まってはいません。総務省によると、自治体が買って備品として扱う車は自治体の財産で、任期後に隊員が使うには無償での譲渡や貸与などの手続きが必要です。どうなるかは応募先で確かめてください。

Q.任期が終わったら住まいはどうなりますか。

A.今回確かめた3市町の募集要項には書かれていませんでした。任期後も同じ市町村に住むために空き家を改修する費用は特別交付税措置の対象(措置率0.5)ですが、補助があるかは市町村の制度によります。

TownHub編集部

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全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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