岩手県の移住支援|移住支援金と、要件を外れた人向けのU・Iターン支援金
岩手県の移住支援金の金額と要件、申請できる期間、移住元要件を満たさない人向けの「いわて若者U・Iターン支援金」までまとめます。
岩手県の移住支援で押さえておきたいのは2つです。申請できる期間が「転入日から3か月以上1年以内」と決まっていること。そして、東京23区の要件を満たさない人にも別の支援金が用意されていることです。岩手県の公式情報をもとに整理します。
支給額
岩手県は、東京23区在勤者などが県内へ移住した場合の経済的負担を軽減するため、移住支援金を支給しています。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 世帯での移住 | 100万円 |
| 単身での移住 | 60万円 |
| 18歳未満の子を帯同 | 1人あたり100万円を加算 |
子育て加算については、県は令和5年4月1日から従来の「子育て加算」を大幅に増額し、18歳未満の子ども1人あたり100万円を加算することにしたと説明しています。対象は申請年度の4月1日時点で18歳未満の子どもです。
制度そのもののしくみは移住支援金とはにまとめています。
申請できる期間が決まっています
岩手県のページが冒頭で注意を促しているのがこれです。
「申請可能期間は転入日から3か月以上1年以内となっていますのでご注意ください。」
転入してすぐには申請できません。 3か月を待つ必要があります。そして1年を過ぎると申請できなくなります。移住の予定を立てるときは、この窓の存在を頭に入れておいてください。転入直後に手続きを済ませてしまおうと考えていると、いったん出直すことになります。
移住元の要件
次の要件を満たす必要があります。
- 東京23区内に在住していたこと、または東京圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)のうち条件不利地域以外に在住し、かつ東京23区内へ通勤していたこと
- 移住元の居住・通勤期間が所定の年数に達していること
東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住しつつ、東京23区内の大学等へ通学し、東京23区内の企業等へ就職した方は、通学期間も対象期間として加算できます。
「東京圏のうちの条件不利地域」については、県は申請先に問い合わせるよう案内しています。
要件を外れた人向けの支援金があります
ここが岩手県の特徴です。県のページには次の一文があります。
「上記の移住元要件を満たさない場合でも、『いわて若者U・Iターン支援金』の要件に該当する場合があります。」
金額は世帯25万円、単身15万円です。
国の移住支援金は「東京23区への一極集中を緩める」ことが目的なので、出発点が東京23区(またはそこへ通勤・通学していた東京圏)に限られます。大阪や名古屋、福岡から移る人は対象になりません。 岩手県はその層に向けて、額は小さいものの別の受け皿を用意しています。
「東京から移るのではないから支援は何もない」と決めつけずに、この制度の要件を確かめる価値があります。
U・Iターン支援金の中身
県の移住定住ポータルサイトを見ると、この支援金は2つに分かれています。
一般向け(県外在住の40歳未満の方が対象)
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 世帯での移住 | 25万円 |
| 単身での移住 | 15万円 |
| 18歳未満の子がいる場合 | 子ども1人あたり25万円 |
| 転入時点で18歳から25歳 | 5万円を加算 |
| 女性の場合 | 5万円を加算 |
新卒向け(県外の大学等を卒業した40歳未満の新卒者が対象)
- 一律15万円
年齢や性別による加算があるのが特徴です。ただし「市町村により、制度の実施状況が異なります」と注記されているので、移住先の市町村に確認してください。
このほか県は、東京都内に本部がある大学の東京圏内(条件不利地域を除く)のキャンパスに原則4年以上在学し卒業見込みの学生に向けて、岩手県内の企業の就職活動等にかかる交通費を15,200円まで、移住にかかる移転費を108,000円まで支援する仕組みも案内しています(支給金額は市町村により異なります)。
家電付きの県営住宅を月1万円で借りられます
岩手県は住まいの面でも独自の取り組みを持っています。
県外からの移住定住の促進および県営住宅ストックの有効活用を図るため、家電等を整備した県営住宅を家賃月額10,000円という低廉な家賃で貸し出す事業を実施しています。条件は、県公式の交流サイト等で県内生活の様子や魅力等の情報発信を行うことです。
令和8年度の募集戸数は、子育て世代枠7戸、担い手育成枠5戸、一般世代枠20戸の計32戸です。入居可能時期等により募集戸数が異なるとされています。
家電付きで月1万円というのは、移住直後の初期費用をかなり抑えられる条件です。戸数が限られるため確実に入れるわけではありませんが、県のポータルサイトで募集時期を確認しておく価値があります。
移住先の要件|4つのうちどれかを満たす
移住先では、共通の要件に加えて次のいずれかを満たします。
1. 就業
- 就業先が「移住支援金対象法人」であること
- 週20時間以上の無期雇用契約に基づいて対象法人に就業していること
- 求人への応募日が、「シゴトバクラシバいわて」に移住支援金の対象として掲載された日以降であること
- 当該法人に、申請日から5年以上継続して勤務する意思を有していること
- 転勤、出向、出張、研修等による勤務地の変更ではなく、新規の雇用であること
- 3親等以内の親族が代表者、取締役などの経営を担う職務を務めている法人への就業でないこと。ただし市町村の判断により対象とされた法人は対象とする
対象法人の一覧は「シゴトバクラシバいわて」に掲載されています。
2. 専門人材
週20時間以上の無期雇用契約に基づいて就業し、申請時において連続して3か月以上在職していることが要件です。ここでも3か月という期間が出てきます。
3. 起業
地方創生起業支援金の交付決定を1年以内に受けた方が対象です。
4. 関係人口
岩手県における市町村や地域の人々と関わりを有する者のうち、移住先の市町村が個別に定める要件に該当すること。
関係人口の要件は市町村ごとに違い、しかも改定されます
関係人口の要件について、岩手県は市町村ごとの別表を公開しています。注目したいのは、その別表が改定のたびに版を分けて残されていることです。
県のページには、令和6年4月1日以降、令和6年8月2日以降、令和7年4月1日以降、令和7年10月1日以降、令和8年1月26日以降、令和8年4月1日以降と、6つの版が並んでいます。
つまり関係人口の要件は1年に複数回変わっているということです。県も「移住時期によって市町村の定める要件が異なる場合がありますので、ご注意ください」と書いています。
関係人口の枠で申請するつもりなら、自分の転入日がどの版に当たるかを確かめる必要があります。 ネット上のまとめ記事が古い版を写している可能性も高いため、県の最新の別表を直接見てください。
東京の持ち家をどうするか
岩手県のページには、移住を考える人がぶつかりやすい問題への案内も載っています。
「移住には興味があるけれど、東京に建てたマイホームをどうしよう」と悩む人に向けて、県は「マイホーム借上げ制度」(一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)を検討するよう案内しています。
持ち家を売らずに貸すという選択肢があることを、県の移住ページで示している例はそれほど多くありません。売却して退路を断つ前に、一度見ておく価値があります。
岩手県の窓口とポータル
岩手県は移住定住ポータルサイトを運営しており、県の支援制度が制度ごとに整理されています。移住支援金、いわて若者U・Iターン支援金、学生向けの交通費・移転費支援、県営住宅の貸出まで、県が持つ制度を一覧で見られます。
U・Iターン支援金や学生向け支援に関する問い合わせ先は、岩手県 定住推進・雇用労働室 移住定住推進担当(電話019-629-5587)です。移住支援金の申請そのものは移住先の市町村が窓口ですが、どの制度に該当しそうかを相談する段階では県に聞くのが早い場合があります。
制度が複数あって自分がどれに当たるか分からない、というのが岩手県でいちばん起きやすい状況です。移住支援金(東京23区が基準)、U・Iターン支援金の一般向け(県外在住の40歳未満)、新卒向け(県外の大学等を卒業した40歳未満)と、対象が少しずつ違います。自分の年齢、直前の居住地、卒業のタイミングを整理してから相談すると話が早く進みます。
相談窓口
移住支援金の申請と個別の要件は、移住先の市町村が窓口です。県のページに市町村ごとの移住支援金担当課の一覧が掲載されています。
対象求人と対象法人は「シゴトバクラシバいわて」で確認します。県は移住定住ポータルサイトも運営しており、県の支援制度がまとまっています。
県はよくある質問(対象者について)の資料も公開しているので、要件の判断に迷ったらそちらも参照してください。
当サイトでは岩手県の地域おこし協力隊についてもまとめています。移住支援金とは別の制度ですが、受入先が決まった状態で移り住む方法として選択肢になります。岩手県の地域おこし協力隊をご覧ください。東北6県を横に並べた東北6県の移住支援を比べるもあわせてどうぞ。
本記事は岩手県が公開している情報によるものです。要件と金額は改定されます。申請の前に、県と移住先市町村の最新の案内を確かめてください。
よくある質問
Q.岩手県の移住支援金はいくらですか。
A.世帯での移住が100万円、単身での移住が60万円です。18歳未満の子を帯同する場合は1人あたり100万円が加算されます。令和5年4月1日から子育て加算が大幅に増額されました。
Q.いつ申請できますか。
A.申請可能期間は転入日から3か月以上1年以内です。転入してすぐには申請できず、1年を過ぎると申請できません。
Q.東京23区から移るのではない場合、支援はありませんか。
A.移住元要件を満たさない場合でも「いわて若者U・Iターン支援金」の要件に該当する場合があります。金額は世帯25万円、単身15万円です。
Q.関係人口の枠で申請したいのですが、要件はどこで確認できますか。
A.県が市町村ごとの別表を公開しています。ただし令和6年4月以降だけで6つの版があり、移住時期によって要件が異なります。自分の転入日がどの版に当たるかを県の最新の資料で確認してください。
Q.東京の持ち家はどうすればよいですか。
A.岩手県は移住・住みかえ支援機構の「マイホーム借上げ制度」を検討するよう案内しています。売却せずに貸すという選択肢です。
Q.対象になる求人はどこで探せますか。
A.「シゴトバクラシバいわて」です。移住支援金対象法人の一覧も同サイトに掲載されています。応募日がその求人の掲載日以降である必要があります。
参考にした公式ページ
- 岩手県移住支援金の支給【子育て世帯には100万円加算!】|岩手県
- 移住定住|岩手県
- 岩手県の支援制度|岩手県移住定住ポータルサイト
- &iwate|岩手県移住定住ポータルサイト
- 移住支援金|内閣官房・内閣府 地方創生
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。