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東北6県の移住支援を比べる|金額は同じ、違うのは受け皿と条件

6分で読めます執筆: TownHub編集部
東北6県の移住支援を比べた図。青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県の6県を横に並べ、いずれも移住支援金が最大100万円で金額は同じだと示している。そのうえで各県に「受け皿」と「条件」の欄を置き、金額は同じでも受け皿の大きさや条件は県ごとに違うため、自分に合う受け皿と条件を確かめる必要があると伝えている

青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の移住支援を並べて比べます。支援金の額は6県とも同じで、差が出るのは対象市町村、申請期間、県独自の制度です。

東北6県の移住支援金は、金額がすべて同じです。単身60万円、世帯100万円、18歳未満の子どもは1人につき最大100万円。国が枠を決めているので当然といえば当然です。ですから比べるべきなのは金額ではありません。各県の公式情報をもとに、差が出るところを並べます。

支給額は6県とも同じ

単身世帯18歳未満の加算
青森県60万円100万円1人につき最大100万円
岩手県60万円100万円1人あたり100万円
宮城県60万円100万円おひとりにつき100万円
秋田県60万円100万円1人あたり100万円
山形県60万円100万円1人当たり最大100万円
福島県60万円100万円1人あたり最大100万円

移住支援金は国が上限と大枠を決め、県と市町村が実施する制度です。「どの県が手厚いか」を額で比べても差は出ません。 制度のしくみは移住支援金とはに、額の決まり方は移住支援金はどこが手厚いのかにまとめています。

差が出るのは「加算が本当に出るか」

表に「最大」という言葉が入っている県があるのは、加算が確実ではないからです。

  • 青森県 … 加算は「一部の市町村に移住した場合を除く」。子育て加算の金額や申請できる期間は市町村により異なる
  • 山形県 … 18歳未満1人当たり「最大100万円が加算される場合があります(移住先の市町村によって異なります)」
  • 福島県 … 県のページが「子育て加算を実施していない町村があります」と明記

子ども2人で加算200万円を見込んでいると、移り先によっては0円ということが起こりえます。加算は本体と違い、市町村が実施するかどうかを決めています。転入前に移住先の市町村に確認してください。

対象になる市町村の広さ

移住支援金は市町村が実施する制度なので、県内のどこに移っても使えるとは限りません。

青森県は県内40市町村すべてが対象です。県のページに「対象の市町村:県内40市町村」と明記されています。住みたい場所と支援金の対象地域を天秤にかける必要がありません。

参考までに、当サイトで調べた沖縄県は41市町村のうち5市町村だけが令和8年度の実施団体でした。県によってここまで差があります。

東北の他の県については、県のページが市町村ごとの担当窓口一覧を公開しています。移住先の候補が決まったら、その市町村が実施しているかを最初に確かめてください。

申請できる期間が違います

見落としやすいのがここです。

  • 岩手県「申請可能期間は転入日から3か月以上1年以内」と県が冒頭で注意を促している。転入直後には申請できない
  • 秋田県 … 移住先の主な要件は「転入後1年以内」だが、「申請できる期間を、これまでどおり転入後3ヶ月以上1年以内としている市町村があります」。就業の枠でも「就業から3ヶ月経過後1年以内としている市町村があります」
  • 青森県 … 申請時において転入後1年以内
  • 宮城県 … 市町村が予算の範囲内で支給するため、「申請予定の方は移住先市町村の移住支援金担当窓口にお早めにご確認ください」

さらに秋田県は「転入前認定が必要な場合」がある市町村の存在を明記しています。引っ越しの手配を始める前に問い合わせないと間に合わないということです。

東京23区の要件を外れた人の受け皿

移住支援金は「東京23区への一極集中を緩める」ことが目的なので、大阪や名古屋、福岡から移る人は対象になりません。ここで差がつきます。

23区の縛りがない県独自の制度金額
岩手県いわて若者U・Iターン支援金世帯25万円/単身15万円
山形県若者世帯・子育て世帯移住支援金(40歳未満の若者世帯/15歳未満帯同の子育て世帯)最大40万円
山形県移住世帯向け住まいの支援事業費補助金(家賃補助)上限12万円
秋田県リモートワーク支援金(勤務先が県のパートナー企業である必要あり)移住後3年間で最大220万円
秋田県リモートワーク移住体験支援金最大60万円
秋田県あきた企業連携型奨学金返還助成制度最大6年間120万円
宮城県みやぎUIJターン起業支援補助金(社会的事業の起業)最大100万円(補助率2分の1)

金額だけ見れば秋田県のリモートワーク支援金が突出しています。 ただしこれは個人が単独で申し込む制度ではなく、勤務先が県のパートナー企業として認定を受けていることが前提です。県外に本店を置く法人が対象なので、まず会社に持ちかけるところから始まります。

山形県は3層構造が最も厚い県です。国の枠、23区縛りのない若者・子育て世帯支援金、家賃補助が重なります。しかも若者・子育て世帯支援金は地域おこし協力隊を経た定住も交付対象にしています。

岩手県のU・Iターン支援金は額こそ世帯25万円・単身15万円ですが、「移住元要件を満たさない場合でも該当する場合がある」と県が明記しており、東京以外から移る人の入口になります。

課税されることを書いている県

これは金額に直接効く話です。

宮城県のページは、移住支援金について「所得税法第34条に規定する一時所得に該当するため、課税対象となります」と明記し、国税庁の資料へのリンクも張っています。

これは宮城県だけの扱いではなく、移住支援金という制度そのものの性質です。 一時所得には特別控除額50万円があり、課税されるのはそれを超えた部分の2分の1にあたる金額です。世帯100万円に子ども1人の加算100万円が乗れば200万円になりますから、無視できる額ではありません。

「100万円もらえる」と読んで手取りを計算していると、翌年の申告で誤算が出ます。 金額が大きくなりそうなら、申請の前に税務署か税理士に相談しておくと確実です。

返還の条件はおおむね共通

各県とも、支給後の行動によって返還が必要になります。共通して出てくるのは次の2つです。

  • 申請日から1年以内に、要件を満たす職を辞した場合(就業の枠で受け取った場合)
  • 起業支援事業に係る交付決定を取り消された場合

このほか、受給した市町村から一定期間内に転出した場合の返還規定を設けている自治体もあります。実質的には数年間その市町村に住み続ける前提の制度だと考えてください。

支援金の額よりも、移り先の仕事が続けられるかを先に考えるほうが結果的に損をしません。

県ごとのまとめ

各県の詳細は個別の記事にまとめています。

住まいの支援も県で違います

支援金以外に、住まいの面で独自の制度を持つ県があります。

  • 岩手県家電等を整備した県営住宅を家賃月額10,000円で貸し出す事業。令和8年度は子育て世代枠7戸、担い手育成枠5戸、一般世代枠20戸の計32戸。県公式の交流サイト等で県内生活の様子や魅力等の情報発信を行うことが条件
  • 山形県移住世帯向け住まいの支援事業費補助金(家賃補助)。月額家賃と1万円の低いほうに対象月数を乗じた額で上限12万円。移住した日の属する月の翌月から第24か月目までの家賃が対象。公営住宅、社宅・社員寮・官舎、3親等以内の親族の物件は対象外
  • 秋田県 … リモートワーク支援金の対象経費に家賃、敷金・礼金・保証金・仲介手数料等の一時的経費が含まれる

移住直後にいちばん重くのしかかるのは住居の初期費用と家賃です。支援金の額だけで比べると見落とす部分なので、住まいの制度もあわせて見てください。

なお岩手県の県営住宅は戸数が限られており、山形県の家賃補助にも年度ごとの締切があります。どちらも「あるから必ず使える」わけではない点は押さえておいてください。

調べるときの順番

  1. 移住先の候補の市町村が、移住支援金を実施しているかを確かめる
  2. 自分が使う類型(就業・起業・テレワーク・関係人口)を、その市町村が認めているかを確かめる。青森県は「テレワーカーを対象としない市町村もある」と明記しています
  3. 子育て加算が出る市町村かどうかを確かめる
  4. 申請できる期間を確かめる。転入前の認定が要る市町村もあります
  5. 東京23区の要件を満たさないなら、県独自の受け皿を探す
  6. 課税されることを織り込んで手取りを計算する

本記事は青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県が公開している情報によるものです。要件と金額は年度ごとに改定されます。申請の前に、各県と移住先市町村の最新の案内を確かめてください。

よくある質問

Q.東北6県で移住支援金の金額に差はありますか。

A.ありません。6県とも単身60万円、世帯100万円、18歳未満の子ども1人につき最大100万円です。国が上限と大枠を決めているためです。差が出るのは対象市町村、加算の有無、申請期間、県独自の制度です。

Q.子どもの加算は必ずもらえますか。

A.もらえるとは限りません。青森県は「一部の市町村に移住した場合を除く」、山形県は「加算される場合があります(移住先の市町村によって異なります)」、福島県は「子育て加算を実施していない町村があります」と明記しています。

Q.東京23区から移るのではない場合、東北で使える支援はありますか。

A.あります。岩手県の「いわて若者U・Iターン支援金」(世帯25万円・単身15万円)、山形県の「若者世帯・子育て世帯移住支援金」(最大40万円)と家賃補助(上限12万円)、秋田県のリモートワーク支援金などです。

Q.東北でいちばん金額の大きい支援は何ですか。

A.秋田県のリモートワーク支援金で、移住後3年間で最大220万円です。ただし勤務先が県のパートナー企業として認定されていることが前提で、個人が単独で申し込む制度ではありません。

Q.移住支援金は課税されますか。

A.されます。宮城県は「所得税法第34条に規定する一時所得に該当するため、課税対象となります」と明記しています。一時所得には特別控除額50万円があり、それを超えた部分の2分の1が課税対象になります。

Q.転入してから申請すれば間に合いますか。

A.県と市町村によります。岩手県は転入日から3か月以上1年以内、秋田県は市町村によって転入前の認定が必要な場合があります。引っ越しの手配を始める前に移住先の市町村へ問い合わせてください。

TownHub編集部

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全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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