遊佐町の地域おこし協力隊|報酬・住居・応募の流れ
遊佐町の地域おこし協力隊について、報酬や住居の支援をまとめます。
遊佐町は山形県のいちばん北、鳥海山のふもとにあり、日本海と田園風景に囲まれた町です。平成23年2月から地域おこし協力隊の事業に取り組んでおり、報酬や住居の支援を具体的な金額まで公表している、数少ない自治体のひとつでもあります。遊佐町の公式情報をもとにまとめます。
遊佐町の地域おこし協力隊とは
遊佐町は平成23年2月から地域おこし協力隊の事業に取り組んでいます。町の公式ページによると、これまでに32名の隊員を委嘱し、23名が卒業、令和7年5月1日現在で9名が活動中です。
総務省が令和8年4月に公表した令和7年度の集計では、遊佐町の隊員数は10人とされています。山形県全体では34団体で196人、全国では1,187団体で8,196人です。町の公表と総務省の集計は数え方の基準が違うため、数字が一致しないことがあります。
現在の隊員が担当している業務は、たとえば次のようなものです。
- デジタル化推進の支援
- 鳥海山・飛島ジオパークの支援
- 遊佐高校の魅力化と、学生生活の支援
- 情報発信と水循環の啓発
- 若者を中心としたビジネス創出の支援
町の要綱では、隊員が従事する地域協力活動の種類として、農林水産業の活性化、地域おこし、環境保全、住民の生活関連、情報発信、ジオパーク推進、生涯学習推進、そのほか町長が認める活動が挙げられています。事務局は遊佐町役場企画課定住促進係です。
報酬はいくらか
地域おこし協力隊を調べる人がいちばん知りたいのは、たいてい報酬の額です。遊佐町は、この点を金額まで公表しています。
令和8年10月に活動を始める隊員の募集では、待遇として次のように示されていました。
- 毎月の謝礼 月額233,000円から266,000円(任期に応じて増額)
「任期に応じて増額」とあるので、1年目が下限、年数が進むと上がっていく仕組みです。年額に単純換算すると、およそ280万円から319万円にあたります。
金額は募集ごとに見直される可能性があります。応募を考えるときは、そのときの募集要項に書かれた額を必ず確かめてください。
家賃・車・冬の灯油はどこまで町が負担するか
遊佐町の場合、額面の謝礼とは別に、暮らしの固定費がかなりの部分まで町側の負担になります。同じ募集で公表されていた内容は次のとおりです。
- 住居 基本的に町が準備し、家賃は町が全額負担
- 活動車 貸与あり(私用も可能。ただし一部制限あり)
- ガソリン代 活動車用として月額20,000円以内の実費
- 灯油代 暖房用として月額5,000円以内の実費(冬期間のみ)
- 専用のパソコンとネットワーク環境
- 活動中のボランティア保険
雪の多い地域では冬の暖房費が家計を圧迫しますが、遊佐町はその灯油代まで項目として書いています。何の費用がどこまで出るのかが明記されていることは、応募先を比べるときの判断材料になります。
なお休暇は、基本的に土日祝日(業務によっては出勤あり)、夏季休暇5日間、年末年始休暇9日間と公表されていました。
雇用ではなく「委嘱」という形
社会保険や税の扱いを左右するのが、雇用契約なのか、そうでないのかという点です。
遊佐町の隊員設置要綱では、要件を満たし、やる気と実行力があると認められた場合に「町長が委嘱し、委嘱状を交付する」と定めています。募集で示されていた金額も「報酬」や「給与」ではなく「毎月の謝礼」と書かれており、保険についても「活動中のボランティア保険」と記載されています。つまり、町の職員として雇われる形とは書かれていません。
ただし、社会保険にどう加入するのか、支払われるお金が給与所得と事業所得のどちらとして扱われるのかまでは、公表されている資料には書かれていません。手取りや確定申告に直結する部分なので、応募前に企画課定住促進係へ直接確認することをおすすめします。
任期は最長でおおむね3年
要綱では、委嘱期間は次のように定められています。
- 委嘱期間は1年以内とし、その年度を越えない
- 隊員は再任できる
- ただし、最初の委嘱の日から3年目の年度末まで
1年ごとに更新して、最長でおおむね3年、という形です。応募資格の側でも「最低でも1年以上の活動が可能な方」が条件になっています。
活動中は、活動の状況を活動日誌に記録し、毎週金曜日までに前週分をまとめて町長に提出することになっています。活動の拠点となる本部は役場庁舎内に置かれ、利用時間は原則として午前8時30分から午後5時15分までです。
副業はできるのか
任期が最長3年である以上、任期後の仕事づくりを在任中から始められるかどうかは大きな関心事です。
この点について、遊佐町が公表している資料には、副業の可否を明記した記述が見当たりません。隊員設置要綱にも兼業を禁じる条文はありませんが、認めると書かれているわけでもありません。要綱の最後には、要綱に定めのない必要な事項は隊員と町の双方が協議して決めると書かれています。
したがって、実際の扱いは町との相談次第ということになります。副業を前提に考えている場合は、応募の段階で企画課定住促進係に確認してください。ここを曖昧にしたまま着任すると、あとで計画が崩れます。
任期が終わったあと
遊佐町ではこれまで32名の隊員のうち23名が卒業しています(令和7年5月1日現在)。
町内で創業や起業を考える場合の相談窓口は、町の移住ポータルサイトで次のように案内されています。
- 遊佐町役場産業課産業創造係
- 遊佐町商工会(県と町の助成制度の窓口)
助成制度の中身や金額は、遊佐町の公表資料には具体的に書かれていないため、上記の窓口で確かめる必要があります。
山形県も、隊員の「出口」を支える研修を用意しています。県のページによると、2年目から3年目の隊員を対象に、起業の前提知識や注意点を学ぶ仕事づくり研修と、県内の協力隊経験者から退任に向けた進め方を学ぶ出口設計ミーティングが行われています。県が紹介している経験者の例を見ると、卒業後の進路は起業だけでなく、地域の団体や役場、地域振興を担う会社への就職など幅広く、二拠点で暮らしている人もいます。
住まいの面では、町の移住ポータルサイトに空き家バンクがあり、売買物件と賃貸物件が掲載されています。任期中から次の住まいを探せるのは、現地に住んでいる隊員の強みです。
応募から着任までの流れ
直近の募集で示されていた応募の条件と手順は、次のとおりでした。
応募資格
- 三大都市圏をはじめとする都市地域等に在住し、遊佐町に住民登録をして生活拠点を移せること(うち一度町外へ出た人の戻りも歓迎)
- 地方公務員法第16条に規定する一般職員の欠格事項に該当しないこと
- 心身ともに健康で、住民や関係機関と協力しながら意欲を持って業務に取り組めること
- 最低でも1年以上の活動が可能なこと
必須の技能
- 普通自動車運転免許を持ち、日常的な運転に支障がないこと
- 表計算や文書作成などのパソコン操作に支障がないこと
手順
- 町の公式ページまたは移住ポータルサイトで、募集要項と業務内容を確認する
- 応募用紙を入手して記入する(書類の様式は町が配布しています)
- 期限までに応募書類を提出する(必着です)
- 選考を経て、活動を開始する
活動の開始時期は募集ごとに決まっていますが、直近の募集では「調整可、応相談」と添えられていました。事情がある場合は相談の余地があるということです。
なお、書類選考や面接の回数といった選考方法の詳細は、公表ページには書かれていません。募集要項に示されるため、そちらで確認してください。
いま募集しているかどうかの確かめ方
地域おこし協力隊の募集は、通年で開いているわけではありません。遊佐町でも、業務ごとに期間を区切って募集が行われ、期間が終わると募集の記事自体が取り下げられます。外部の移住情報サイトには、締め切りが過ぎた募集がそのまま残っていることがあります。
募集の有無を確かめるときは、次の順番が確実です。
- 遊佐町公式ホームページの「遊佐町地域おこし協力隊」のページを見る
- 町の移住ポータルサイトの新着情報を見る
- わからなければ、遊佐町役場企画課定住促進係に電話または電子メールで問い合わせる
企画課定住促進係の電話番号は0234-28-8257です。募集していない時期でも、次の募集の予定や業務の内容について相談に応じてもらえる可能性があります。
この記事は遊佐町公式ホームページ、遊佐町の移住ポータルサイト、および総務省・山形県の公表資料をもとに作成しています。募集の有無・待遇・支援の内容は年度や募集ごとに変わります。最新の情報は必ず遊佐町の公式ホームページで確認してください。
よくある質問
Q.遊佐町の地域おこし協力隊の報酬はいくらですか。
A.令和8年10月に活動を始める隊員の募集では、毎月の謝礼が月額233,000円から266,000円(任期に応じて増額)と公表されていました。これに加えて家賃は町が全額負担し、活動用の車も貸与されます。金額は募集ごとに見直される可能性があるため、応募前に町の公式ページで確認してください。
Q.家賃や光熱費はどこまで町が負担してくれますか。
A.住居は基本的に町が準備し、家賃は町が全額負担すると公表されています。活動車用のガソリン代は月額20,000円以内の実費、暖房用の灯油代は冬期間のみ月額5,000円以内の実費とされています。ほかに専用のパソコンとネットワーク環境、活動中のボランティア保険も用意されます。
Q.任期は何年ですか。任期が終わったあとはどうなりますか。
A.遊佐町の隊員設置要綱では、委嘱期間は1年以内でその年度を越えず、再任はできるものの最初の委嘱の日から3年目の年度末までと定められています。つまり最長でおおむね3年です。町ではこれまで32名を委嘱し、令和7年5月1日現在で23名が卒業しています。創業や起業を考える場合は、町の産業課産業創造係や遊佐町商工会が相談窓口として案内されています。
Q.副業はできますか。
A.遊佐町が公表している資料には、副業の可否を明記した記述が見当たりません。隊員設置要綱にも兼業を禁じる条文はありませんが、認めると書かれているわけでもありません。要綱に定めのない事項は隊員と町の双方が協議して決めるとされているため、副業を前提に考えている場合は、応募前に企画課定住促進係へ確認してください。
参考にした公式ページ
- 遊佐町公式サイト|遊佐町地域おこし協力隊 隊員紹介
- 遊佐町|遊佐町地域おこし協力隊隊員設置要綱
- 山形県遊佐町IJUターンポータルサイト|地域おこし協力隊を募集しています!
- 山形県遊佐町IJUターンポータルサイト|創業・起業支援
- 総務省|令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について
- 山形県|地域おこし協力隊について
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。