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田子町の地域おこし協力隊|活動内容・報酬・住居の支援

9分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊田子町

青森県田子町の地域おこし協力隊について、活動内容と報酬、住居の支援、応募の流れをまとめます。

田子町は青森県の最南端にあり、岩手県二戸市・八幡平市と秋田県鹿角市に接する県境の町です。面積241.98平方キロメートルのうち約80%を山林が占め、全国ブランドの「たっこにんにく」と「田子牛」を町の自慢の特産品としています。その田子町の地域おこし協力隊について、田子町と総務省の公式情報をもとにまとめます。

隊員は4人。町の公表と総務省の集計が一致しています

町の「田子町地域おこし協力隊について」のページは、「田子町では、現在4名の地域おこし協力隊員が活動しています」と書いています。

総務省が令和8年4月24日に公表した「令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」でも、田子町の隊員数は4人です。同じ資料で青森県は84人・28団体となっています。町の公表はその時点で活動している人数、総務省の集計は年度単位の集計で、数えているものが違います。それでも田子町については、どちらも4人でそろっています。制度そのものの仕組みは地域おこし協力隊とはどんな制度かにまとめています。

活動している姿は広報でも確かめられます。広報たっこ令和8年8月号には「たっこまち地域おこし協力隊☆活動録」という欄があり、隊員4人がそれぞれ自分の1か月を書いています。この号では、トマトの苗1,000本ほどの管理と収穫作業、八戸市で2日間開いた「生にんにくまつり」、町内に新しく開いた宿泊施設の取材、そして「ガーリックレディ」として千葉県多古町の祭りや東京のにんにく料理専門店の催しに出向いた広報活動が並んでいました。

4人のミッションは、にんにくと発信に寄せてあります

町のページは、4人の活動ミッションを次のように公表しています。

  • たっこにんにくの振興 1名
  • 食を通じた関係人口の創出・拡大 1名
  • 町の広報及び地域の情報発信 1名
  • SNSを活用した地域活性化 1名

4つのうち1つがにんにくそのもの、1つが食を通じた関係人口づくり、残る2つが情報発信です。役場の「組織からさがす」には、課やグループと並んで「たっこにんにく振興室」という室が置かれています。にんにくのために専用の室を持つ役場で、隊員のミッションもその並びにそのまま重なっています。

なぜ人材にここまで寄せるのかは、町の計画に書かれています。田子町過疎地域持続的発展計画は、人口減少と少子高齢化で「当町の基幹産業である農業をはじめ、地域伝統文化など各方面にわたる担い手不足が深刻化している」とし、後継者と担い手の育成・確保のために地域おこし協力隊制度を活用する、と述べています。

人口は4,500人台。基準の違う数字が3つ公開されています

町が公開している住民基本台帳一覧表の、いちばん新しい行は2026年(令和8年)6月です。ここでの人口は日本人4,492人・外国人27人の合わせて4,519人、世帯数は2,035です。この表は年と月までで、何日現在かは書かれていません。

町が出している人口の数字は、基準がそれぞれ違います。

数字出どころ
4,519人住民基本台帳一覧表の2026年6月の行
約4,600人令和8年度の募集要項の書き出し
4,968人「田子町の概要」のページ(令和2年国勢調査)

どれかが誤りというより、数えた時点と数え方が別のものです。募集要項の「約4,600人」は住民基本台帳の直近の数字よりやや大きく、国勢調査の4,968人は令和2年のものです。

令和8年度の募集は4枠。1枠はホップ農家の後継者です

町は令和8年度の募集要項を2本に分けて公開しています。

募集要項(その1)は「農業後継者の募集」で、枠は1つだけです。ビールの味の決め手となるホップについて、要項は「田子町内には過去には数十軒のホップ農家がありましたが、現在は1軒のみとなりました」と書き、「田子町のホップ生産の意志を引き継ぐ方を募集します」としています。活動内容は、町内ホップ農家の事業承継に向けた実践研修、活動状況やホップ栽培の魅力の発信、その他ホップの魅力などを活かした地域活動です。募集人数は1名、勤務場所は田子町役場および町内ホップ農家となっています。

募集要項(その2)は3つの枠で、いずれも募集人数は若干名、勤務場所は田子町役場です。

  • 農林畜産業の振興に関する活動…にんにくのオリジナル品種「美六姫(みろくひめ)」の広報や販路拡大、新規就農に向けた実践研修や農作業支援、農林畜産業の事業承継に向けた実践研修、地域産品の加工・開発、地域産品の広報や販路拡大
  • 観光振興に関する活動…地域資源を活かした観光アクティビティの開発、まちのにぎわいづくり、体験プログラムや観光ツアーの企画運営、町観光協会の業務支援、インバウンド誘客の推進、観光を通じた関係人口の創出・拡大、企画提案型の活動
  • その他の地域振興に関する活動…地域団体の活動支援、地域の教育・スポーツ振興、郷土芸能・文化振興、商工業の振興(事業承継など)、新たな地域資源の創出、企画提案型の活動

4枠のうち2枠が農林畜産業に直接かかわり、うち1枠は「町にただ1軒残ったホップ農家を引き継ぐ人」という、作物と相手先まで決まった募集です。事業承継という言葉は、その2の農林畜産業の枠と、その他の地域振興の枠(商工業の振興)にも出てきます。

募集期間はどちらの要項も令和9年1月31日までで、「応募があれば随時採用選考を実施します」とされています。

報酬は月額200,000円。週29時間の会計年度任用職員です

勤務条件は、2本の要項でまったく同じです。

  • 雇用形態…田子町会計年度任用職員(パートタイム)
  • 報酬月額200,000円。賞与あり。社会保険料等を控除して支給
  • 勤務日…月曜から金曜の週5日、週29時間のフレックスタイム制が基本
  • 勤務時間…午前8時15分から午後3時まで(休憩1時間を含む)
  • 休暇等…週2日、祝日、12月29日から1月3日の閉庁期間。業務の都合で休日出勤した場合は振替休暇で対応。ほかに年次休暇や各種特別休暇を規定に基づき取得できる
  • 保険町で社会保険、厚生年金、雇用保険に加入しますと明記
  • 任用期間…開始日から令和9年3月31日まで。活動に取り組む姿勢や成果等を勘案して次年度以降更新し、最長3年まで延長できる
  • 副業…活動に支障のない範囲で、勤務時間外に行う場合に限り認める

この月額200,000円という額は、募集要項でしか確認できません。田子町例規集(内容現在 令和8年3月27日)を五十音順目次と体系目次の両方から当たりましたが、会計年度任用職員の給与に関する条例・規則も、地域おこし協力隊の設置要綱も見当たりませんでした。職員の任用に関する章に載っているのは臨時職員管理規程とパートタイム規則で、いまの制度に合わせた差し替えが例規集には反映されていません。報酬の考え方そのものは地域おこし協力隊の報酬はいくらかで扱っています。

町のサーバーには平成30年度の募集要項も残っていて、当時は扱いがはっきり違いました。身分は非常勤の特別職として町長が委嘱する形、報酬は月額166,000円で、「賞与、時間外手当、退職手当等の支給はありません」と書かれています。いまの要項は会計年度任用職員で月額200,000円、賞与ありです。古い年度の要項が残っていて検索で先に出てくることがあるので、開いた資料の年度を必ず確かめてください。

住居は町が用意します。ただし自家用車は自分で

生活まわりの支援も、2本の要項で共通です。

  • 住居町が契約した住居物件を準備し、住居借上料は町が負担します。民間アパート等を借り上げる予定とされています
  • 光熱水費自己負担です。生活に必要な家具や家電も自分でそろえます
  • 車とパソコン活動に使用する車両とパソコンを貸与します
  • 自家用車…「当町での生活は、移動手段として自家用車の所有が必要不可欠となります。自家用車はご自身で用意していただきます」と明記されています
  • 引っ越し基本的には自己負担ですが、町の規定に基づき算定した赴任旅費が支給されます
  • 活動経費…活動の必要経費、研修への参加、資格取得に係る経費等は、予算の範囲内で町が負担・支援します

活動用の車は貸してもらえるが、私生活の足は自分で用意するという切り分けです。要項が「必要不可欠」とまで書いている以上、車を持たない前提での応募は考えないほうがよいでしょう。

ホップの枠だけ、応募の前に「おためし」が要ります

募集要項(その1)のホップの枠には、ほかの枠に無い条件が付いています。

応募に当たっては、事前に「田子町おためし地域おこし協力隊」として当町で2泊3日以上の活動を行うことを条件とします。

この一文は募集要項(その2)にはありません。農業振興・観光振興・その他の地域振興の3枠には、事前のおためしは条件として書かれていません。町の「田子町地域おこし協力隊について」のページは、おためし地域おこし協力隊の令和8年度募集ページとして外部の申込ページを案内しています。おためしと協力隊本体の関係はおためし地域おこし協力隊とインターンで説明しています。

町には別に移住体験住宅(お試しちょっと暮らし住宅)もあります。こちらは協力隊の制度ではなく、町外に住民登録がある人が最短1週間(6泊7日)から最長4週間(27泊28日)まで使える住宅で、利用料は無料です。利用の際は事前に預り金を納めます(返金があり、町のページは1回10,000円、ペット同伴の場合は20,000円を例として挙げています)。布団や寝具の用意はありません。1号住宅は固定Wi-Fiあり、2号住宅は固定Wi-Fi無しでペット同伴可、と分かれています。

応募条件は2つの要項で少し違います

どちらの要項も、三大都市圏の都市地域または地方都市(条件不利地域は除く)に住民票がある方で、採用決定後は田子町に住民票を異動できる方を前提としています。この地域要件は住んでいる場所で決まるので、地域おこし協力隊の応募条件もあわせて確認してください。

そのうえで、2本の要項には違いがあります。

項目募集要項(その1)ホップ募集要項(その2)農業・観光・その他
年齢概ね20歳から40歳位まで概ね20歳から50歳位まで
不問とされる項目性別・学歴性別・学歴・国籍
運転免許普通自動車運転免許を所持普通自動車運転免許を所持(AT限定可)
事前のおためし2泊3日以上が条件記載なし

同じ町の同じ年度の募集でも、応募できる年齢の上限が10歳違います。どちらの枠を見ているかで前提が変わるので、要項を取り違えないようにしてください。

このほか、両方に共通する条件として、心身ともに健康で地域協力活動に意欲と情熱を持っていること、地域特性や風習を尊重して住民と積極的にコミュニケーションをとれること、任期終了後に町内で起業または事業承継し、就農・就業して定住する意欲があること、基本的なパソコン操作とインターネット環境を積極活用できること、地方公務員法第16条の欠格条項に該当しないことが挙げられています。募集要項(その2)はさらに、活動内容について積極的な提案ができ企画能力があることを求めています。

選考は2段階です。一次選考は応募書類による書類選考、二次選考は懇談形式による面接で、いずれも合否が文書と電子メールで通知されます。提出書類は、応募用紙および活動企画書、住民票の抄本、運転免許証の写しです。窓口は田子町役場 政策推進課 地域おこし協力隊担当です。

任期のあとの支援は、要項に一文だけあります

募集要項の待遇・福利厚生の最後には、次のように書かれています。

隊員として1年以上活動し、引き続き定住して起業又は事業承継する場合は、一定の条件のもとに起業支援補助金の交付対象となります。

この補助金について、金額や要件を書いた資料は町のホームページで見つかりませんでした。田子町例規集にも、交付要綱は見当たりませんでした。「一定の条件」の中身は、応募の前に政策推進課に直接確かめてください。

町にはこれとは別に、産業振興・地域経済の活性化・雇用の創出を目的とした田子町創業支援事業費補助金(担当は商工振興課)があります。ただしこちらは町内で新たに創業・第2創業する人が対象で、補助の対象は店舗等の改修工事です。協力隊向けの制度として案内されているものではないので、任期後の起業を考えるときは、協力隊の起業支援補助金とは別物として調べることになります。

応募条件そのものに「任期終了後、町内において起業又は事業承継し、就農・就業して定住する意欲のある方」が入っている町です。任期の3年をどう使うかより、そのあと何をして食べていくかを先に決めておくほうが、この町の募集とはかみ合います。

この記事は田子町公式ホームページの情報をもとに作成しています。募集の内容や報酬、支援の中身は変わることがあります。最新の情報は必ず田子町の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.田子町の地域おこし協力隊の報酬はいくらですか。

A.令和8年度の募集要項は、ホップ農家の後継者を募集する(その1)も、農業振興・観光振興・その他の地域振興を募集する(その2)も、報酬を月額200,000円としています。賞与ありで、社会保険料等を控除して支給されると書かれています。勤務は月曜から金曜の週5日、週29時間のフレックスタイム制が基本で、勤務時間は午前8時15分から午後3時まで(休憩1時間を含む)です。なお田子町例規集(内容現在 令和8年3月27日)には会計年度任用職員の給与に関する条例・規則が見当たらず、この金額は募集要項でしか確認できません。応募するときはその年度の要項で確かめてください。

Q.隊員は町の職員になるのですか。社会保険はどうなりますか。

A.令和8年度の募集要項では、雇用形態は田子町会計年度任用職員(パートタイム)です。待遇・福利厚生の欄に「保険は、町で社会保険、厚生年金、雇用保険に加入します」と明記されています。任用期間は開始日から令和9年3月31日までで、活動に取り組む姿勢や成果等を勘案して次年度以降更新し、最長3年まで延長できるとされています。町のサーバーに残っている平成30年度の要項では非常勤の特別職として町長が委嘱する形で、報酬も月額166,000円、賞与なしでした。いまの条件とは違うので、資料の年度に注意してください。

Q.住居や車、引っ越しの費用はどうなりますか。

A.住居は町が契約した物件を準備し、住居借上料は町が負担します。ただし光熱水費など生活に必要な費用は自己負担で、家具や家電も自分でそろえます。活動に使用する車両とパソコンは貸与されますが、要項は「当町での生活は、移動手段として自家用車の所有が必要不可欠となります。自家用車はご自身で用意していただきます」としています。引っ越しの費用は基本的に自己負担で、町の規定に基づき算定した赴任旅費が支給されます。活動の必要経費、研修への参加、資格取得に係る経費等は、予算の範囲内で町が負担・支援します。

Q.応募の前に町に行く必要はありますか。

A.枠によって違います。ホップ農家の後継者を募集する募集要項(その1)には「応募に当たっては、事前に『田子町おためし地域おこし協力隊』として当町で2泊3日以上の活動を行うことを条件とします」と書かれています。農業振興・観光振興・その他の地域振興を募集する募集要項(その2)には、この条件はありません。町のページは、おためし地域おこし協力隊の令和8年度募集ページとして外部の申込ページを案内しています。これとは別に、町外に住民登録がある人が最短6泊7日から最長27泊28日まで無料で使える移住体験住宅もあります(利用の際は返金のある預り金を事前に納めます)。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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