小樽市の地域おこし協力隊|募集と受入を民間に委託する
小樽市の地域おこし協力隊について、募集と受入の業務を公募型プロポーザルで委託する仕組み、北運河地区の枠で示された報酬、観光都市という条件をまとめます。
小樽市は協力隊の募集と受入の業務そのものを公募型プロポーザルで委託します。年間800万人が訪れる観光都市で、隊員は1人です。市が公表している情報から整理します。
隊員1人、後志の中心
総務省が令和8年4月24日に公表した資料によれば、小樽市の隊員数は1人でした。北海道の受入166市町村のなかで155位です。
小樽市は後志地方の中心的な市で、札幌市に隣接しています。同じ後志ではニセコ町25人、積丹町17人、余市町15人、仁木町12人、岩内町9人、倶知安町8人、赤井川村8人、留寿都村6人、喜茂別町6人、黒松内町6人、共和町5人、京極町5人、古平町4人、島牧村4人、寿都町2人、蘭越町1人が近隣にあたります。北海道全体の状況は北海道の地域おこし協力隊にまとめました。
後志は受入の多い地域なのに、中心の小樽市は1人と少なくなります。 音更町(人口43,041人で1人)、帯広市(2人)、函館市(2人)と同じ傾向です。規模の大きい自治体ほど隊員が少なくなります。
募集も受入も委託する
小樽市は「小樽市地域おこし協力隊募集及び受入業務 公募型プロポーザル」を実施しています。
プロポーザル方式とは、価格だけでなく企画の内容で受託者を選ぶ方法です。市は選考委員会により優れた企画提案者を選定すると公表しています。
募集と受入の両方を外に出すという形は、道内では大空町(設置等業務委託公募型プロポーザル)と小樽市で確認できました。
道内の委託の型を並べると次のようになります。
| 市町村 | 委託の対象 |
|---|---|
| 小樽市 | 募集および受入業務(公募型プロポーザル) |
| 大空町 | 設置等業務(公募型プロポーザル) |
| 壮瞥町 | 受入町内事業者を公募 |
| 雄武町 | 委託型受入事業所を公募 |
| 芽室町 | 団体委託型 |
| 古平町 | 受入団体等を公募 |
なぜ委託するのか。 協力隊の受け入れには手間がかかります。募集の告知、選考、着任後の相談、地域との橋渡し。役所の担当者が本来の業務と兼務するには重い作業です。
外部に委託すれば、その分野に慣れた事業者が担当できます。 隊員にとっても、役所より相談しやすい相手ができる可能性があります。
一方で、応募する側は受託者を確かめる必要があります。 誰が募集を運営し、着任後に誰が窓口になるのかは、その年の受託者によって変わります。契約の型ごとの比べ方は北海道の地域おこし協力隊 待遇比較にまとめました。
北運河地区という枠
小樽市では北運河地区の枠が募集された例があります。
公表されていた条件は次のとおりです。
- 受入先:特定非営利活動法人
- 給与:月額233,000円
- 賞与:年額300,000円
年額300,000円の賞与を月額に均すと25,000円相当です。年額に直すと約3,096,000円になります。
受入先が特定非営利活動法人という点は、市が委託する型と整合します。役所ではなく民間の団体が隊員を抱える形です。
北運河は小樽運河の北側で、観光客の集中する南側とは性格が違う地区です。倉庫群が残り、まちづくりの余地がある地域として扱われてきました。
このほか市では、体験コンテンツを企画する枠や、市内に暮らす外国人の生活を支える枠が募集された例もあります。
年間800万人の観光都市
小樽市は年間800万人が訪れる観光都市とされます。
これは他の自治体にはない条件です。
人を呼ぶ必要がありません。 多くの町村は「どうやって知ってもらうか」から始めますが、小樽市には既に来る人がいます。
課題は「どう深く関わってもらうか」になります。 運河を見て数時間で帰る人を、泊まらせ、体験させ、また来てもらう。「呼ぶ」より難しい仕事です。
北広島市(球場を核とした施設)、白老町(ウポポイ)、洞爺湖町(温泉街)も同じ構造の課題を持ちます。
札幌市に隣接するという条件は、両面を持ちます。 日帰りで来られるため人は多いが、泊まってもらいにくい。この矛盾に向き合うのが小樽市の協力隊の仕事になります。
応募の前に確かめること
- 受託者を確かめる。募集と受入が委託されています
- 着任後の窓口を聞く。受託者によって変わります
- 受入先を確認する。特定非営利活動法人などが想定されます
- 報酬を年額で見る。北運河地区の例では月額233,000円+賞与年額300,000円でした
- 「回す」仕事だと理解する。既に人は来ています
- 後志の他の市町村と比べる。ニセコ町25人、余市町15人が近隣です
北海道全体の受入状況は北海道の地域おこし協力隊に、同じ後志のニセコ町はニセコ町の地域おこし協力隊にまとめています。
本記事の内容は小樽市が公表している情報によります。年度ごとに改定されるため、応募のときは最新の募集要項で確かめてください。
よくある質問
Q.小樽市の地域おこし協力隊はどんな仕組みですか。
A.市は「小樽市地域おこし協力隊募集及び受入業務 公募型プロポーザル」を実施しており、募集と受入の業務そのものを外部に委託します。選考委員会により優れた企画提案者を選定すると公表されています。
Q.なぜ委託するのですか。
A.協力隊の受け入れには募集の告知、選考、着任後の相談、地域との橋渡しといった手間がかかり、役所の担当者が兼務するには重い作業だからです。外部に委託すればその分野に慣れた事業者が担当でき、隊員にとっても相談しやすい相手ができる可能性があります。
Q.報酬はいくらですか。
A.北運河地区の枠では給与が月額233,000円、賞与が年額300,000円と公表されていました。年額に直すと約3,096,000円になります。募集ごとに条件は変わるため、最新の募集要項で確かめてください。
Q.どんな枠がありますか。
A.北運河地区の枠のほか、体験コンテンツを企画する枠や、市内に暮らす外国人の生活を支える枠が募集された例があります。
Q.隊員は何人いますか。
A.令和7年度で1人です。後志は受入の多い地域ですが、中心の小樽市は少なくなります。規模の大きい自治体ほど隊員が少ない傾向にあたります。
Q.観光都市で協力隊をやると何が違いますか。
A.年間800万人が訪れるため人を呼ぶ必要がありません。課題は運河を見て数時間で帰る人にどう深く関わってもらうかになります。「呼ぶ」より難しい仕事です。
Q.札幌市に近いことは有利ですか。
A.両面あります。日帰りで来られるため人は多くなりますが、その分泊まってもらいにくくなります。この矛盾に向き合うのが小樽市の協力隊の仕事になります。
参考にした公式ページ
- 小樽市地域おこし協力隊|小樽市
- 小樽市地域おこし協力隊募集及び受入業務 公募型プロポーザルについて|小樽市
- 小樽市|ほっかいどう地域おこし協力隊
- 令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について(総務省)
- 令和7年度(2025年度)地域おこし協力隊導入状況|北海道
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。