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北海道の地域おこし協力隊 待遇比較|雇用型・委託型・委嘱型の違い

4分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊札幌市

北海道の地域おこし協力隊の報酬と契約形態を市町村ごとに並べて比べます。雇用型と委託型で手元に残る額がどう変わるか、社会保険と車の扱いまで。

地域おこし協力隊の募集を見ていると、月額45万円と月額23万円が並んでいて戸惑います。北海道は隊員数が全国最多で募集の数も多いため、この幅がとくに大きく出ます。金額の差の多くは契約の型何が金額に含まれているかから生まれます。北海道内の公表されている募集要項をもとに整理します。

3つの契約の型

北海道では次の3つが並存しています。同じ町の中でも枠によって分かれます。

雇用関係社会保険副業特徴
雇用型あり(会計年度任用職員など)健康保険・厚生年金・雇用保険に加入制限されることが多い勤務時間と休日が決まっている
委託型なし(個人事業主)自分で加入認められることが多い勤務時間の定めがない
委嘱型なし(町長が委嘱)自治体により助成がある自治体による雇用でも委託でもない形

同じ月額でも、雇用型は社会保険料の半分を自治体が負担し、委託型は全額が自分の負担になります。月額の数字だけを並べても比較になりません。

別海町|同じ町で雇用型と委託型が並ぶ

差が最もはっきり見えるのが別海町です。令和8年度の「空き家活用促進」は、同じ活動内容で雇用型2名と委託型2名を募集しています。

項目雇用型委託型
月額325,000円約455,000円
内訳給料報償費300,000円+活動費約155,000円
手当時間外勤務手当・通勤手当を別途支給なし
社会保険健康保険・厚生年金・雇用保険に加入雇用保険なし。健康保険・年金は各自
勤務時間8時45分から17時30分、週5日定めなし(月21日・162時間45分を想定)
勤務時間中は原則として公用車原則として隊員が用意
住居民間アパート等を斡旋(住宅料・光熱水費は自己負担)同左
副業原則として認めない(例外あり)活動に支障のない範囲で可能

見出しの金額は委託型が13万円高く見えます。しかし委託型の455,000円のうち約155,000円は活動費で、使途は活動の経費です。報償費だけを比べると委託型は300,000円で、雇用型の325,000円より低くなります

さらに委託型は社会保険が自己負担、車も自前、時間外手当もありません。委託型には初月は委託料の支払いがないという注意書きもあります。

一方で委託型には勤務時間の定めがなく、副業ができます。任期後に独立する前提なら、この自由度が意味を持ちます。どちらが得かではなく、任期後に何をするかで選ぶのが正しい比べ方です。

道内の主な条件を並べる

公表されている募集要項から、道内の例を並べます。金額はいずれも各町の公表時点のものです。

市町村月額備考
別海町空き家活用促進雇用型325,000円時間外・通勤手当は別途、公用車
別海町空き家活用促進委託型約455,000円うち活動費約155,000円、副業可
厚真町農業支援員委嘱型340,000円から350,000円社会保険料の2分の1を助成
中川町起業型委託型266,600円活動費 年間200万円以内が別枠
中川町酪農ヘルパー260,000円社会保険・退職金あり。試用3か月は180,000円
東川町農と食雇用型230,000円別途住居手当、賞与 年間約2か月分

同じ北海道でも23万円から45万円まで開きます。ただし比べるべきは月額ではありません。

  • 厚真町は委嘱型で雇用契約を結びませんが、健康保険料と年金保険料の2分の1相当額を町が助成します。委嘱型でここまで補う例は多くありません。加えて住宅家賃相当分や車両の維持・燃料費が活動費から助成されます
  • 中川町の起業型は月額266,600円と数字だけなら低い部類ですが、別に活動費が年間200万円以内あります。事業経費に限られるものの、任期中に事業を立ち上げる前提なら効きます
  • 東川町は月額230,000円ですが、別途住居手当があり、賞与が年間で月額給与の約2か月分出ます。協力隊で賞与が明記される例は珍しく、年収で見ると印象が変わります

何を確かめれば比べられるか

募集要項を読むときに確かめる項目は次の6つです。

  1. 活動費が金額に含まれているか。含まれていれば、その分は自由に使えるお金ではありません
  2. 社会保険をどちらが負担するか。委託型・委嘱型では自己負担が原則で、月に数万円の差になります
  3. 車が公用車か自前か。北海道では車がないと生活も活動も成り立たない地域が大半です。自前なら車両代・燃料代・冬タイヤ代がかかります
  4. 住居費の扱い。「斡旋します」は「無償で貸します」ではありません。別海町の例では住宅料・光熱水費は自己負担です
  5. 副業ができるか。任期後の独立を考えるなら、任期中に助走できるかどうかは大きな差になります
  6. 試用期間や初月の扱い。中川町の酪農ヘルパーは試用期間3か月が月給180,000円、別海町の委託型は初月の支払いがありません

手取りで考える

同じ金額でも手元に残る額は型で変わります。考え方を整理します。

雇用型は給料から社会保険料の本人負担分と所得税・住民税が引かれます。事業主負担分は自治体が持ちます。時間外手当や通勤手当が別途出る場合、額面は月によって増えます。

委託型は事業所得になります。委託料から活動の経費を引いた額が所得で、そこから国民健康保険料・国民年金保険料・所得税・住民税を自分で払います。確定申告も必要です。車の維持費や燃料費を自分で持つなら、それも経費として計算に入れます。

委嘱型は自治体によって扱いが分かれます。厚真町のように社会保険料の2分の1を助成する例もあれば、助成が無い例もあります。要項の「社会保険」「保険料」の項目を必ず確かめてください。

北海道は冬の暖房費が家計に大きく効きます。住居費と光熱水費が自己負担かどうかは、月額の1万円や2万円の差より重い場合があります。

各市町村の詳しい条件は別海町中川町厚真町にまとめています。道全体の状況は北海道の地域おこし協力隊に、報酬の全国的な水準は地域おこし協力隊の給料にあります。

本記事の金額は各市町村が公表している募集要項によります。年度ごとに改定されるため、応募のときは必ず最新の要項で確かめてください。

よくある質問

Q.地域おこし協力隊の雇用型と委託型はどちらが得ですか。

A.金額だけでは決まりません。別海町の例では委託型が月額約455,000円、雇用型が325,000円ですが、委託型は約155,000円の活動費を含むため報償費は300,000円で雇用型より低くなります。さらに社会保険と車が自己負担です。任期後に独立するなら副業ができる委託型、生活の安定を優先するなら雇用型が向きます。

Q.北海道の協力隊の報酬はいくらですか。

A.公表されている例では月額230,000円から約455,000円まで幅があります。東川町の農と食が230,000円(別途住居手当・賞与約2か月)、中川町の起業型が266,600円(活動費年200万円以内が別枠)、別海町の雇用型が325,000円、厚真町の農業支援員が340,000円から350,000円、別海町の委託型が約455,000円です。

Q.委託型だと社会保険はどうなりますか。

A.雇用関係がないため雇用保険には加入せず、健康保険と年金は自分で加入して全額を負担します。ただし厚真町の委嘱型のように、健康保険料と年金保険料の2分の1相当額を町が助成する例もあります。

Q.車は用意してもらえますか。

A.型によります。別海町の雇用型は勤務時間中は原則として公用車を使いますが、委託型は原則として隊員が用意します。厚真町の農業支援員は自家用車の確保が応募要件で、活動車両の維持・燃料費が活動費から助成されます。

Q.住居は無料ですか。

A.「斡旋」と書かれていても無償とは限りません。別海町は雇用型・委託型とも民間アパート等を斡旋しますが、住宅料と光熱水費は自己負担です。東川町は別途住居手当が支給され、中川町の酪農ヘルパーは町内公営住宅等を斡旋します。

Q.副業はできますか。

A.型によります。別海町は雇用型が原則として認めない(任期後の定住につながる場合の例外あり)、委託型は活動に支障のない範囲で可能としています。中川町の酪農ヘルパーは休日と勤務時間外の副業を認めています。

Q.募集要項で最初に見るべき項目はどこですか。

A.金額に活動費が含まれているか、社会保険をどちらが負担するか、車が公用車か自前か、住居費が自己負担か、副業ができるか、試用期間や初月の扱いがあるかの6点です。これらで手元に残る額が大きく変わります。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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