北海道移住の仕事の探し方|求人倍率は札幌ほど低いという事実
北海道で移住後の仕事をどう探すか、安定所別の有効求人倍率から地域差を読み解きます。札幌圏が最も低く地方部が高いという分布と、その使い方まで。
北海道で移住後の仕事を探すとき、知っておくと選び方が変わる事実があります。有効求人倍率は、移住先として人気のある札幌ほど低いということです。北海道労働局が公表している安定所別のデータから整理します。
全道0.91倍|5年連続で低下している
北海道労働局が公表している安定所別の月間有効求人倍率(常用)は、令和7年度で全道0.91倍でした。
| 年度 | 全国 | 全道 |
|---|---|---|
| 平成30年度 | 1.46倍 | 1.17倍 |
| 令和元年度 | 1.41倍 | 1.19倍 |
| 令和2年度 | 1.01倍 | 0.96倍 |
| 令和3年度 | 1.05倍 | 0.98倍 |
| 令和4年度 | 1.19倍 | 1.09倍 |
| 令和5年度 | 1.17倍 | 1.00倍 |
| 令和6年度 | 1.14倍 | 0.95倍 |
| 令和7年度 | 1.10倍 | 0.91倍 |
1倍を下回るということは、求職者1人あたりの求人が1件に満たないという意味です。全国は1.10倍を保っているので、その差は0.19ポイントあります。令和4年度の1.09倍から5年連続で下がっている点も押さえておく必要があります。
ただし、この数字を「北海道には仕事がない」と読むのは正確ではありません。地域差が非常に大きいためです。
地域差|札幌圏が最も低い
令和7年度の安定所別の有効求人倍率(常用)を並べると、次のようになります。
| 安定所 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 岩内 | 1.79倍 |
| 根室 | 1.56倍 |
| 紋別 | 1.56倍 |
| 浦河 | 1.54倍 |
| 稚内 | 1.35倍 |
| 名寄 | 1.34倍 |
| 小樽 | 1.30倍 |
| 留萌 | 1.30倍 |
| 室蘭 | 1.19倍 |
| 北見 | 1.13倍 |
| 釧路 | 1.13倍 |
| 網走 | 1.10倍 |
| 苫小牧 | 1.01倍 |
| 岩見沢 | 0.99倍 |
| 帯広 | 0.94倍 |
| 千歳 | 0.91倍 |
| 札幌 | 0.91倍 |
| 旭川 | 0.90倍 |
| 滝川 | 0.90倍 |
| 函館 | 0.78倍 |
| 札幌北 | 0.79倍 |
| 札幌東 | 0.67倍 |
最も低いのは札幌東の0.67倍です。札幌北0.79倍、札幌0.91倍、千歳0.91倍と、札幌圏がそろって低い水準にあります。旭川0.90倍、函館0.78倍と、都市部はおおむね低くなっています。
一方で岩内1.79倍、根室1.56倍、紋別1.56倍、浦河1.54倍と、地方部は1.5倍を超えます。同じ北海道でも、岩内と札幌東では2.7倍近い開きがあります。
移住先として人気のある地域ほど、仕事は見つかりにくい。 これが北海道の労働市場の構造です。
同じ傾向は地域おこし協力隊の分布にも表れています。北海道の隊員1,374人のうち、札幌市を含む石狩振興局は7市町村で19人(1市町村あたり2.7人)と道内最少で、根室振興局は5市町村で132人(同26.4人)と突出しています。人手を必要としている地域がどこかは、2つの統計が同じ方向を指しています。
この分布をどう使うか
数字を移住の判断に落とすと、次のようになります。
札幌を選ぶなら、仕事を先に決める。 0.67倍から0.91倍という水準は、現地に移ってから探し始めて何とかなる数字ではありません。転職先を決めてから住民票を移すのが前提になります。
地方部を選ぶなら、選択肢は広がる。 岩内・根室・紋別・浦河は1.5倍を超えます。ただし求人の絶対数は少なく、職種も限られます。倍率が高いのは「求人が多い」だけでなく「求職者が少ない」ことの裏返しでもあります。
収入が土地に左右されない働き方なら、この数字の影響を受けない。 テレワークで移住する場合、移住支援金にもテレワーク移住の枠があります。
地域おこし協力隊という入り方がある。 北海道は隊員数が全国最多で、任期後の定住率は78.3%と全国平均70.3%を上回ります。最長3年の任期の中で地域とのつながりと次の仕事を作る形です。契約の型によって報酬も社会保険も変わるので、北海道の地域おこし協力隊 待遇比較を確かめてください。
移住支援金と求人の関係
見落としやすい点があります。移住支援金を使うなら、求人の選び方に制約がかかります。
北海道の移住支援金(UIJターン新規就業支援事業)で就業要件を満たすには、北海道が開設するマッチングサイトに「移住支援金の対象」として掲載されている求人に、掲載日以降に応募して新規就業する必要があります。自分で見つけた求人では対象になりません。
そのほかの条件は次のとおりです。
- 期間の定めのない労働契約であること
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 申請日時点でその企業に在職していること(連続3か月以上の在職を求める場合があります)
- 転勤・出向・出張・研修による勤務地の変更ではなく、新規雇用であること
支援金は2人以上の世帯で100万円、単身で60万円、18歳未満の子ども1人につき100万円が加算されます。仕事探しと支援金の申請は同時に進める必要があり、順番を間違えると受け取れません。詳しくは北海道の移住支援金にまとめました。
なお申請日から1年以内に対象の職を辞めると、支援金は全額返還になります。
探す順番
- 働き方を決める。現地就職、テレワーク、協力隊、起業のどれか
- 現地就職なら地域から絞る。札幌圏は0.67倍から0.91倍、地方部は1.5倍超という差があります
- 移住支援金を使うなら、道のマッチングサイトを先に見る。対象求人からしか選べません
- 転入の前に内定を取る。求人倍率が1倍を下回る地域では、移ってから探すのは避けたほうが安全です
- 通年の仕事かを確かめる。観光や農業では季節による繁閑があります
北海道全体の移住条件は北海道移住の始め方に、統計で通説を確かめたものは北海道移住が「やめとけ」と言われる理由にまとめています。
本記事の数字は、厚生労働省北海道労働局と北海道が公表している資料によります。時点を本文に記していますので、判断するときは最新の公表値で確かめてください。
よくある質問
Q.北海道の有効求人倍率はどれくらいですか。
A.北海道労働局の安定所別データ(常用)で、令和7年度は全道0.91倍でした。全国の1.10倍を下回り、令和4年度の1.09倍から5年連続で低下しています。
Q.札幌なら仕事は見つかりますか。
A.札幌圏は道内で最も低い水準です。令和7年度は札幌東0.67倍、札幌北0.79倍、札幌0.91倍、千歳0.91倍でした。移住先として人気のある地域ほど求人倍率は低くなります。仕事を決めてから移るのが前提です。
Q.求人倍率が高いのはどこですか。
A.令和7年度は岩内1.79倍、根室1.56倍、紋別1.56倍、浦河1.54倍、稚内1.35倍、名寄1.34倍です。地方部のほうが高く、岩内と札幌東では2.7倍近い開きがあります。
Q.地方部のほうが仕事を見つけやすいのですか。
A.倍率の上ではそうです。ただし求人の絶対数は少なく職種も限られます。倍率が高いのは求人が多いからだけでなく、求職者が少ないことの裏返しでもあります。
Q.移住支援金をもらいながら就職できますか。
A.できますが制約があります。北海道が開設するマッチングサイトに移住支援金の対象として掲載された求人に、掲載日以降に応募して新規就業する必要があります。自分で見つけた求人では対象になりません。期間の定めのない労働契約で週20時間以上であることも要件です。
Q.仕事を辞めたら支援金はどうなりますか。
A.申請日から1年以内に支援金の要件を満たす職を辞めた場合は全額返還になります。
Q.就職以外の入り方はありますか。
A.テレワーク移住、起業、地域おこし協力隊があります。北海道の協力隊は隊員数1,374人で全国最多、任期後の定住率は78.3%と全国平均70.3%を上回ります。最長3年の任期のなかで次の仕事を組み立てる形です。