長井市の地域おこし協力隊|活動内容・報酬・応募の流れ
山形県内で最も隊員が多い長井市の地域おこし協力隊についてまとめます。
長井市は山形県南部、最上川沿いに町並みが広がる「水と緑と花のまち」で、競技用けん玉の生産量日本一を掲げ、けん玉を「市技」と定める条例まで持つものづくりのまちです。その長井市は、山形県内でもっとも多くの地域おこし協力隊を受け入れている市でもあります。長井市と総務省の公式情報をもとにまとめます。
山形県内でもっとも多い受け入れ人数
総務省がまとめた令和7年度の隊員数によると、長井市の地域おこし協力隊は23人です。山形県全体は34市町村・196人なので、県内の隊員の1割以上が長井市に集まっている計算になります。
県内で次に多いのは西川町の15人、朝日町の12人、酒田市の11人で、長井市が県内最多です。前年度(令和6年度)の長井市は20人でしたから、1年で3人増えたことになります。全国では8,196人・1,187団体が取り組んでいます。
長井市の人口は、昭和30年の36,569人から令和2年には26,543人まで減っています。人口3万人を切る規模の市で20人を超える隊員を抱えているという意味で、県内では突出した受け入れです。
どんな分野で活動しているのか
長井市は隊員一人ひとりを、氏名・年齢・出身地・所属・活動テーマ・着任時期つきで公開しています。公開されている活動テーマには、たとえば次のようなものがあります。
- けん玉のふる里プロジェクトの推進
- 山岳・自然観光の推進
- 芸術文化による地域おこし
- 新規就農の推進
- 里山環境を活かした幼児教育の場づくり
- 小中学校や地域での、情報通信技術を活用した授業支援
- 鉄道(フラワー長井線)の広報と地域拠点づくり
- イースポーツによる地域活性化
- 空き家店舗などを活かした文化的拠点づくり
- 地域産業振興の推進
注目したいのは所属先の幅です。観光文化交流課・農林課・商工振興課・子育て推進課・総合政策課・地域づくり推進課といった市役所の各課だけでなく、日本・アルカディア・ネットワーク株式会社、やまがたアルカディア観光局、山形鉄道といった市役所の外の受け入れ団体にも隊員が配置されています。受け入れ窓口が一つの部署に集中していないことが、この人数を支えています。
隊員の顔ぶれも幅広く、年齢は24歳から61歳まで。出身地は東京・神奈川・千葉・兵庫・京都・福岡・島根など全国各地に加え、イギリスやアメリカ出身の隊員もいます。
報酬は月額22万9千円台
長井市が公開している令和8年度の募集要項では、報酬は月額229,058円です。これに加えて期末勤勉手当が支給され、雇用保険・厚生年金・健康保険にも加入します。
募集の分野は複数ありますが、公開されている分野別の募集要項はいずれも同じ月額229,058円で、分野によって報酬が変わる書き方にはなっていません。
ここで押さえておきたいのは、住居費や車両費はこの報酬とは別だということです。家賃を報酬から出す設計ではなく、活動経費として別枠で支給される仕組みになっています。求人情報の月額だけを他の自治体と比べると、この差を見落とします。
住まい・車などの支援
募集要項では、活動経費として次の費用が予算の範囲内で支給されるとされています。
- 活動期間中の住居に関する費用(家賃、保険料など)
- 活動に使用する車両に関する費用(リース料、燃料費など)
- そのほか活動に要する経費(旅費、消耗品費、研修会参加費、資格取得費用など)
一方で、引っ越しにかかる費用、生活備品、光熱水費は個人負担と明記されています。「家賃と車は出るが、家財道具と光熱費は自分持ち」と考えておくと、着任時の見積もりを誤りません。
なお応募の要件に普通自動車運転免許とパソコンの基本操作が入っているため、車を運転できることは前提になっています。
任期と働き方
任用または委嘱の期間は、着任の日からその年度の3月31日まで。活動実績などを踏まえて年度ごとに更新され、通算の活動期間は最長3年です。総務省の説明でも、協力隊の任期はおおむね1年から3年とされています。
活動時間は原則として月曜日から金曜日までの週5日、1週間あたり35時間かつ1日あたり7時間を超えない範囲です。活動時間帯は活動内容によって変わります。
雇用の形は2通りあります。市の会計年度任用職員として任用される場合と、外部の受け入れ団体の職員として雇用され、長井市長から協力隊として委嘱を受ける場合です。どちらになるかは、提案内容とのマッチングで決まります。
任期が終わったあとのこと
長井市の募集要件の最後には、任期終了後も市内を拠点とした活動関連の起業(補助金制度あり)や、活動経験を活かした就業によって長井市に定住する意向・意欲がある方、という項目が入っています。3年で入れ替わる人手ではなく、残る人を探している募集だということです。
総務省が直近5年(令和2年4月から令和7年3月まで)に任期を終えた隊員を調べたところ、全国では8,762人のうち6,163人、およそ7割が同じ地域に定住していました。山形県では任期終了者198人のうち128人、64.6パーセントです。定住した隊員の進路は、行政関係の仕事、農業、観光業、地域づくり支援業、飲食や宿泊での起業など幅広く分かれています。
長井市だけの定住率は公表されていません。実際の任期後の進路が気になる場合は、市の公開している隊員紹介と合わせて、地域づくり推進課に直接尋ねるのが早道です。
応募から着任までの流れ
- 分野ごとの募集要項を読む。活動内容は分野によって異なります
- 必要書類をそろえる。応募用紙(顔写真つき)、住民票の写し、運転免許証の写し、企画提案型の場合は取り組みたい内容の企画提案書
- 郵送で提出する。宛先は長井市役所 地域づくり推進課 地域づくり支援室
- 第1次選考(書類選考)
- 第2次選考(面接)。日時と会場は第1次選考の結果通知で知らされます
- 最終結果は面接後10日以内に文書で通知されます
応募の前に現地の暮らしを体験できる「お試し長井暮らし」という制度もあり、希望する場合は市に問い合わせます。
応募には地域要件があります。三大都市圏をはじめとする都市地域等に住んでいて、任用後に長井市へ生活の拠点を移し住民票を異動できることが条件です。ただし、ほかの市町村で協力隊を2年以上経験して解嘱から1年以内の方、海外在住の方などは、この地域要件が問われません。
募集しているかどうかの確認
募集の状況は分野ごとに動きます。応募者が集まった分野から受付が終わることがあり、募集人数も「若干名」で、採用者が決まり次第締め切られます。そのためこの記事では、いま募集中かどうかは書きません。
最新の募集状況は、長井市ホームページの「地域おこし協力隊」のページで確認してください。移住ポータルサイトや民間の求人サイトの掲載状況は、市の実際の受付状況と一致していないことがあります。判断に迷うときは、地域づくり推進課 地域づくり支援室(電話 0238-82-8005)に直接確認するのが確実です。
この記事は長井市ホームページおよび総務省の公表資料をもとに作成しています。報酬や支援の内容、募集の状況は変わることがあります。最新の情報は必ず長井市の公式ホームページで確認してください。
よくある質問
Q.長井市の地域おこし協力隊の報酬は月額いくらですか。
A.長井市が公開している令和8年度の募集要項では、月額229,058円です。これとは別に期末勤勉手当が支給され、雇用保険・厚生年金・健康保険にも加入します。住居費や車両費は報酬とは別枠で、活動経費として予算の範囲内で支給されます。
Q.住まいや車は自分で用意しなければいけませんか。
A.活動期間中の住居に関する費用(家賃、保険料など)と、活動に使う車両の費用(リース料、燃料費など)は活動経費の対象です。ただし引っ越しにかかる費用、生活備品、光熱水費は個人負担と明記されています。また普通自動車運転免許は応募の要件で、運転できることが前提です。
Q.任期は何年ですか。任期が終わったあとはどうなりますか。
A.任用または委嘱は年度ごとの更新で、通算の活動期間は最長3年です。長井市の募集要件には、任期終了後も市内を拠点とした起業(補助金制度あり)や、活動経験を活かした就業により定住する意向のある方、という条件が入っています。総務省の調べでは、直近5年に任期を終えた隊員のうち全国でおよそ7割、山形県では64.6パーセントが同じ地域に定住しています。
Q.いま募集しているかどうかは、どこで確認できますか。
A.長井市ホームページの「地域おこし協力隊」のページに、その年度の募集案内と分野ごとの募集要項が掲載されます。募集は分野ごとに動き、採用者が決まり次第締め切られるため、応募を考えている場合は市のページを確認するか、地域づくり推進課 地域づくり支援室(電話 0238-82-8005)へ問い合わせてください。