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小坂町の地域おこし協力隊|月額報酬・住居・活動内容

11分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊小坂町

小坂町の地域おこし協力隊について、会計年度任用職員としての条件と、職種ごとの活動内容をまとめます。

小坂町は十和田湖を有する秋田県鹿角郡の町で、小坂鉱山の発展により明治末期には人口2万数千人を抱える県下第二の都市に発展しました。現在の人口は4,275人(令和8年7月31日現在の住民基本台帳)ですが、この規模の町としては、地域おこし協力隊の条件や活動計画をかなり細かく公開しています。小坂町・秋田県・総務省の公式情報をもとにまとめます。

隊員数は国と県で数字が違います

小坂町の隊員数は、公表している主体と基準時点によって数字が変わります。

  • 総務省が令和8年4月24日に公表した令和7年度の隊員数2名
  • 秋田県が公表した令和8年4月1日現在の活動状況3名

どちらかが誤りというわけではありません。町の広報誌「広報こさか」令和8年4月号には「4月1日付けで新たな隊員2名が着任しました。今年度は3名体制でスタートします」と書かれており、県の3名という数字はこの着任後の状態を指しています。

秋田県の資料は、小坂町の3名の活動内容を次のように示しています。

  • 近代化産業遺産を活用した観光の復活・再生(企画・セールス・デジタルツールを活用した情報発信)
  • 町の博物館郷土館において文化財の調査や整理、情報発信から企画立案
  • 小坂鉄道レールパークにある貴重な車両や設備等を保存・活用する技術を継承

広報こさかによると、1人目は令和7年4月着任の田代俊之隊員(活動ミッションは「明治百年プロデューサー」)、あとの2人は令和8年4月着任の伊藤優隊員(文化財調査・活用促進員、大館市出身)と高橋紀之隊員(小坂鉄道特命駅員、千葉県松戸市出身)です。なお秋田県全体では、令和8年4月1日現在で1県22市町村の131人が活動しています。制度そのものの説明は地域おこし協力隊とはでまとめています。

令和8年度の募集は4職種、応募できるのは2つ

町は令和8年度採用として4つの職種の募集ページを公開しています。このうち2つはすでに締め切られ、2つは募集を延長中です。

職種募集人数受入団体状況
「小坂七滝ワイナリー」推進事業若干名観光産業課農林班募集を延長
小坂リビングクリエイター1名総務課企画財政班募集を延長
小坂鉄道特命駅員1名観光産業課観光商工班締切
文化財調査・活用促進員1名教育委員会学習振興班(郷土館)締切

ワイナリー推進事業は、ブドウ栽培管理作業全般を通じた技術習得、小坂七滝ワイナリーでの醸造および出荷作業の補助、栽培やワインに関する情報発信などが活動内容です。町が本格的にぶどう栽培を始めたのは1989(平成元)年で、2017(平成29)年に小坂七滝ワイナリーが開業しました。

小坂リビングクリエイターは、空き家バンクの更新と運営管理、空き家相談の対応、移住相談や移住体験ツアーの受入対応など、空き家の利活用と移住定住促進の2つのテーマを担う職種です。協力団体としてNPO法人あき活Labが伴走支援にあたり、町はこの団体の代表が協力隊のOBであることを明記しています。

締め切られた2職種のうち、小坂鉄道特命駅員は小坂鉄道レールパークの車両や設備の修繕作業と技術継承、文化財調査・活用促進員は教育委員会の学芸員職員の補助・連携業務と収蔵資料の整理・保管・調査研究が活動内容でした。この2つはいずれも採用に至っており、広報こさか令和8年4月号によると、それぞれ令和8年4月1日付けで隊員が着任しています。

令和9年度の募集については、令和8年8月4日更新のお知らせで「現在準備中」とされ、9月下旬頃までに公開予定、10月以降に都内開催のイベントで相談可と案内されています。

契約は「第1号会計年度任用職員」、ただし2職種には但し書きがあります

小坂町の隊員は町に雇用される形です。募集ページには地方公務員法第22条の2第1項第1号に規定する第1号会計年度任用職員と書かれており、募集要項では「小坂町会計年度任用職員として、小坂町長が任命します」と表現されています。委嘱だけで雇用関係を結ばない自治体とは異なり、社会保険(健康保険・厚生年金)・雇用保険・非常勤職員等公務災害補償制度に加入します。

ただし、現在募集している2職種にだけ、身分が途中で変わりうるという但し書きが付いています。

  • 「小坂七滝ワイナリー」推進事業:「2年目以降は活動状況に応じて、委託契約等に切り替える場合があります」
  • 小坂リビングクリエイター:「2年目以降は活動状況に応じて、委託契約等に切り替える場合があります」(募集要項では「活動状況に応じ、2年目以降は委託契約となる場合があります」)
  • 小坂鉄道特命駅員・文化財調査・活用促進員:この但し書きはありません

委託契約に切り替わると、雇用ではなく業務委託になるため、社会保険や雇用保険の扱いが変わります。実際、リビングクリエイターのロードマップには、2年目以降について活動費・通勤手当・住居規定のいずれも「雇用形態により異なります」と注記されています。1年目の条件がそのまま3年続くとは限らない、という前提で読む必要があります。

雇用期間は採用の日から令和9年3月31日までで、最長で令和11年3月31日まで継続可能とされ、1年単位(年度ごと)で成果等を検証したうえで継続更新が判断されます。

報酬は初年度で月額208,216円、週5日・週35時間

給与は初年度は月額208,216円です。募集要項には「令和7年9月時点」と付記されています。これに加えて期末手当・勤勉手当・昇給・時間外勤務手当があります。4職種とも同じ額です。報酬の決まり方そのものは地域おこし協力隊の給料と待遇でまとめています。

勤務条件は次のとおりです。

  • 勤務日数:週5日(1週間あたり35時間)
  • 勤務時間:8時30分から17時15分(週4日・基本は月曜から木曜)、8時30分から12時30分(週1日・基本は金曜)
  • 活動報告:毎月活動報告書を提出。提出した報告書はホームページ等へ掲載される場合があります
  • 副業:勤務時間外であれば可能。ただし本来の活動に支障が無いこと、利害関係者等と不適切な関係にならないこと、公序良俗に反しないことの全てを満たし、事前に町の確認と許可が必要です

週5日のうち1日を半日にして週35時間に収める形です。活動内容によって曜日や時間帯が変わる場合があり、イベントの開催や作業の都合で土日祝の勤務が入るときは平日が休みになると、リビングクリエイターの募集ページに書かれています。

住居は町の借り上げ、車は他の隊員との共用で時間外は使えません

住まいと車の条件は、4職種で共通です。

  • 住居:原則として、町が借り上げた賃貸物件とします。ロードマップには「家族構成に合わせた住居の紹介」と「敷金・礼金等の関連費用も町が負担します」と書かれています
  • 光熱水費隊員の負担
  • 車両:勤務時間中に車両を必要とする場合、町が準備し無償で貸与します。ただし車両は他の隊員との共用とし、勤務時間外の使用は不可です。スケジュールによっては同じ活動内容の隊員との相乗利用になる場合があります
  • 機器類:パソコン等が必要な場合は町が準備したものを使用します
  • その他:活動に必要な経費等は予算の範囲内で町が負担します

車の扱いは生活設計に直結します。公用車は自家用での利用を原則認めていないとロードマップにも明記されているため、買い物や休日の移動に使う車は自分で用意することになります。その代わり、自宅と職場の間の通勤手当は自家用車利用として町の規定に基づき支給されます。応募条件にも「普通自動車運転免許を所持し、実際に運転ができる方(AT限定可)」が入っており、勤務時間外に使える足を自分で確保できるかは、応募前に確かめておきたいところです。

住居について、家賃の上限額は募集要項にもロードマップにも示されていません。町が借り上げた物件をあてがう形のため、上限額を示す設計にはなっていないと読めます。実際にどの物件になるかは町の担当者に確認することになります。

引越費用は隊員の負担と明記されています

見落としやすいのがここです。募集要項の待遇の欄には、「引っ越し:荷物運搬等引っ越しにかかる経費については、隊員の負担とします」とはっきり書かれています。記載がないのではなく、自己負担であることが明示されている形です。4職種の募集ページと募集要項のすべてに同じ記載があります。

引越費用を支給する自治体もあるため、着任時の初期費用は自分で見込んでおく必要があります。なお、応募にかかる費用(書類郵送代、交通費、宿泊費等)も個人負担とされています。

3年間のロードマップが職種ごとに公開されています

小坂町の募集情報で目立つのは、職種ごとに「活動プログラム(ロードマップ)」というPDFを公開している点です。4職種すべてに用意されています。

ロードマップには次の内容が入っています。

  • 求める人物像と必要な資格等(性格面と資格面を分けて記載)
  • 活動目標を1年目・2年目・3年目に分けたもの
  • 進路イメージ(任期後に想定される道筋。保証するものではない旨の断りつき)
  • 4半期ごとの活動スケジュールを、活動・技術習得・日常生活の3層に分けたもの
  • サポート体制を、町・受入団体・協力団体それぞれについて1年目から3年目まで分けたもの
  • 自動車規定・住居規定

たとえばワイナリー推進事業のロードマップでは、任期後の進路イメージとして「新規就農者として自立」と「受入先の法人等への就職、兼業就農者」の2つが示され、サポートとして「同じ経験を積んだ協力隊OB社員による指導」が挙げられています。リビングクリエイターのロードマップでは、任期後として「3年間の経験を活かした地域ビジネスの創業」と「地元企業への就職」が示されています。

町は「活動内容については現時点での予定のため今後変更となる可能性がある」「任期後の進路については確約されたものではなく、想定し得る参考例」と断ったうえで、着任後は隊員本人が定期的にロードマップを更新し、担当者との面談を行うとしています。

各職種の募集ページには、受入団体の担当者が実名でコメントを寄せています。ワイナリーは観光産業課長の杉原隆広さん、リビングクリエイターは総務課企画財政班の木村卓泰さんと阿部よしのさん、小坂鉄道特命駅員は観光商工班の近藤英成さん、文化財調査は教育委員会学習振興班の橋本聡美さんです。近藤さんのコメントには、自身が平成30年に地域おこし協力隊として着任し約3年間活動したあと町職員になった経緯が書かれています。事務担当者である木村さんは、募集のトップページで趣味や経歴を含む自己紹介を載せています。

応募前に確かめる手段が3つ用意されています

町は、応募前に町を知る手段を3つ案内しています。

1つ目は、イベントでの直接相談です。町は「令和8年度移住(地域おこし協力隊含む)イベント予定表」を公開し、出展するイベントを会場と日付つきで一覧にしています。令和8年度は総務省が主催する地域おこし協力隊のマッチングイベント「縁むすびフェス2026」にも町として初めて出展することが公表されています。イベントでの相談内容は採用選考に一切関わらないと明記されています。

2つ目は、オンライン相談です。町の担当者や関係者、現役の隊員に質問できる仕組みで、平日9時から17時のあいだ(年末年始と12時から13時を除く)で1回あたり30分程度が目安とされています。こちらも選考には関わりません。

3つ目は、移住体験ツアーです。秋田県外在住の方を対象に、交通や宿泊にかかる費用をひとりあたり最大2万円、一世帯あたり最大5万円まで助成する制度です。町が指定するコース(面談と指定施設の見学等)を必ず組み入れることが実施の条件になっています。令和7年12月からは、地域おこし協力隊の採用試験(2次試験)で来町する場合も申請の対象になりました。

選考は3段階です。

  1. 第1次選考(書類選考):応募書類による審査。結果は文書で通知
  2. 第2次選考(実地試験・面接試験):小坂町内で実施。活動拠点の見学と作業体験を行ったうえで面接
  3. 第3次選考(面接試験):小坂町役場で実施

町は「令和8年4月採用の選考試験より、2次試験にて来町いただき、実際に活動をする際に関わる場所での作業体験や担当者等による面接試験を取り入れることとなりました」と説明しています。応募書類は履歴書・小坂町地域おこし協力隊活動目標(別紙様式)・運転免許証の写しの3点で、総務課企画財政班の地域おこし協力隊募集係あてに郵送または持参します。住民票の異動は必ず採用内定通知以降に行ってください。それ以前に異動すると応募対象者でなくなり、採用取り消しとなる場合があります。

活動の様子がどこまで公開されているか

小坂町の隊員数は2名から3名という規模ですが、活動の記録はかなり細かく公開されています。応募を考える人が実際に確かめられるものを挙げます。

広報誌の連載。「広報こさか」には「地域おこし協力隊」の欄があり、隊員が交代で自分の活動を書いています。令和8年度は4月号から8月号まで途切れずに掲載されており、たとえば6月号では伊藤隊員が文化財の考え方について、8月号では高橋隊員が小坂鉄道レールパークの車両の様子について書いています。町のホームページの各号のページには目次が置かれておらず全ページのPDFが1本あるだけなので、この連載は号のPDFを開かないと見つかりません。

活動報告会。令和7年3月15日に、小坂町では初めてとなる「令和6年度小坂町地域おこし協力隊活動報告会」が交流センター・セパームの大会議室で開かれ、町内外から20名が参加しました。3名の隊員が活動を報告し、そのあとトークセッションが行われています。その前の令和6年11月24日には、青森県十和田市で開かれた「上十三・十和田湖圏域地域おこし協力隊活動報告会」に小坂町から2名が参加し、圏域9名の隊員が報告して会場60名・オンライン14名の計74名が参加しました。なお、次回の開催予定については「現在、開催予定の報告会はありません」と記載されています。

プロジェクト単位の記録。田代隊員が進める「小坂鉱山鉄道鍋」普及プロジェクトには専用のページがあり、スペインから輸入した伝統的な調理器具を使った出店の記録が第1弾から第5弾まで並んでいます。取り上げられたメディアは、令和7年10月から令和8年6月までの13件が、日付・媒体名・内容つきで一覧になっています。秋田魁新報・北鹿新聞・読売新聞秋田版・河北新報などの新聞のほか、ラジオ、テレビ、スペインの地域雑誌への掲載も含まれます。講演や特別講義の実績も2件挙げられています。

卒隊生の行き先。地域おこし協力隊のOBである熊澤圭祐さんは2025年3月に卒隊し、小坂七滝ワイナリーに就職して現在も事業に従事していると町が明記しています。熊澤さんのインタビューや寄稿が載った外部媒体も、掲載日つきで案内されています。

インスタグラム。隊員の日々の活動を紹介するアカウントを令和6年11月から運用しています。

問い合わせ先

地域おこし協力隊に関する窓口は小坂町総務課企画財政班(電話0186-29-3907)です。所在地は〒017-0292 秋田県鹿角郡小坂町小坂字上谷地41-1、役場の開庁時間は午前9時から午後4時45分で、土曜・日曜・祝日・年末年始は閉庁です。

職種ごとの活動内容そのものについては、ワイナリー推進事業が観光産業課農林班、小坂鉄道特命駅員が観光産業課観光商工班、文化財調査・活用促進員が教育委員会学習振興班(郷土館)、小坂リビングクリエイターが総務課企画財政班の担当です。オンライン相談や移住体験ツアーの申し込みも、いずれも総務課企画財政班が受け付けています。

> この記事は小坂町公式ホームページ、秋田県および総務省の公表資料の情報をもとに作成しています。募集の内容・報酬・待遇の条件・隊員数は変わることがあります。最新の情報は必ず小坂町の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.小坂町の地域おこし協力隊は何名が活動していますか?

A.公表主体によって数字が違います。総務省が令和8年4月24日に公表した令和7年度の隊員数では2名、秋田県が公表した令和8年4月1日現在の活動状況では3名です。町の広報誌「広報こさか」令和8年4月号に「4月1日付けで新たな隊員2名が着任しました。今年度は3名体制でスタートします」と書かれており、県の3名はこの着任後の状態を指しています。現在の3名は、令和7年4月着任の田代俊之隊員(明治百年プロデューサー)と、令和8年4月着任の伊藤優隊員(文化財調査・活用促進員)・高橋紀之隊員(小坂鉄道特命駅員)です。

Q.3年間ずっと会計年度任用職員のままですか?

A.職種によります。小坂町の隊員は地方公務員法第22条の2第1項第1号に規定する第1号会計年度任用職員として任用され、社会保険・雇用保険・非常勤職員等公務災害補償制度に加入します。ただし現在募集中の「小坂七滝ワイナリー」推進事業と小坂リビングクリエイターの2職種には「2年目以降は活動状況に応じて、委託契約等に切り替える場合があります」という但し書きが付いています。締め切られた小坂鉄道特命駅員と文化財調査・活用促進員には、この但し書きはありません。委託契約になると雇用ではなくなるため社会保険などの扱いが変わり、リビングクリエイターのロードマップでは活動費・通勤手当・住居規定も2年目以降は雇用形態により異なるとされています。

Q.住まいや車、引越費用はどこまで町が負担してくれますか?

A.住居は原則として町が借り上げた賃貸物件で、ロードマップには敷金・礼金等の関連費用も町が負担すると書かれています。家賃の上限額は募集要項にもロードマップにも示されていません。光熱水費は隊員の負担です。車両は勤務時間中に必要な場合に町が無償で貸与しますが、他の隊員との共用で、勤務時間外の使用はできません。買い物や休日の移動に使う車は自分で用意することになります。そして引越費用は「荷物運搬等引っ越しにかかる経費については、隊員の負担とします」と募集要項に明記されており、自己負担です。応募にかかる書類郵送代・交通費・宿泊費も個人負担ですが、第2次選考で来町する場合は移住体験ツアー助成金(ひとりあたり最大2万円、一世帯あたり最大5万円)を利用できます。

参考にした公式ページ

情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。

TownHub編集部

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全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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