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男鹿市の地域おこし協力隊|2つの受入形態と報酬・住居

9分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊男鹿市

男鹿市の地域おこし協力隊について、2つの受入形態ごとの報酬と、住居や起業支援をまとめます。

秋田県男鹿市は、日本海に突き出た男鹿半島の大部分を占める市です。ユネスコ無形文化遺産「男鹿のナマハゲ」の伝わるまちで、市の募集要項には人口22,563人(令和8年3月末現在)と書かれています。この男鹿市の地域おこし協力隊には、雇い主のちがう2つの受入形態があります。男鹿市の公式情報をもとにまとめます。

受入形態が2つある

男鹿市が公開している募集は、雇い主がちがう2種類に分かれます。

  • 市が任用する形…市の会計年度任用職員(パートタイム)として男鹿市長が任用します。企画政策課が受入部署で、「おが暮らし移住定住サポーター」として移住定住の促進にあたります
  • 受入事業者が雇用する形…市とは雇用関係を持たず、市長から協力隊として委嘱を受けたうえで、受入事業者と雇用契約を結びます。観光課が窓口で、勤務地は株式会社おが地域振興公社か一般社団法人男鹿市観光協会のどちらかです

この2つは、報酬額だけでなく、社会保険・勤務時間・住居の手当ての仕方までちがいます。「男鹿市の協力隊の待遇は」とひとまとめにすると読み違えます。制度そのもののしくみは地域おこし協力隊とはにまとめています。

市が任用する形受入事業者が雇用する形
契約の相手男鹿市(会計年度任用職員)受入事業者(市は委嘱のみ)
報酬月額187,985円月額200,000円〜
勤務週30時間月20日勤務
年金厚生年金国民年金
住居市が借り上げて貸与受入事業者が借り上げて貸与

市が任用する形の待遇

募集要項によると、報酬は月額187,985円で、これは週30時間勤務の場合の額です。これとは別に期末手当・勤勉手当が夏・冬の年2回あり、募集要項には週30時間勤務の場合のおおよその額として1回あたり約43万円と書かれています。ただし勤務実績などによって変動するとも書かれているため、確定額として扱わないでください。

通勤距離に応じた通勤手当も支給されます。加入する保険は、社会保険(健康保険・厚生年金)、雇用保険、公務災害補償制度です。

勤務時間は原則9時から16時まで(実働6時間・休憩1時間)、勤務日は月曜日から金曜日を基本として週30時間。休日は土曜・日曜、国民の祝日、年末年始です。休日に勤務した場合は原則としてその週か翌週に振替か代休を取ります。年次休暇は市の規則に基づいて付与され、忌引・結婚・産前産後などの有給の特別休暇、育児・介護などの無給の特別休暇も定められています。

副業は本来の業務に支障がなければ業務時間外に可能ですが、事前の届け出が必要です。

受入事業者が雇用する形の待遇

こちらは市と雇用関係を持ちません。市長が協力隊として委嘱し、給与を払うのは受入事業者です。

給与は月額200,000円からで、昇給と賞与は受入事業者の給与規定に準じると書かれています。市の規則ではなく事業者のルールで決まるということなので、応募前に事業者側の規定を確かめておく必要があります。給与の決まり方そのものについては地域おこし協力隊の給料はどう決まるのかも参考にしてください。

加入する保険について、募集要項には「社会保険(健康保険・国民年金・雇用保険等)に加入します」と書かれています。市が任用する形が厚生年金であるのに対し、こちらは国民年金という書き方です。年金の種類がちがえば将来受け取る額も変わります。ここは応募前に受入事業者へ直接確認してください。

勤務は原則として月20日、8時30分から17時30分まで。週休2日制です。現場の状況や業務内容、雇用契約の内容によって変わることがあると書かれています。委嘱期間は委嘱日からその年度の3月31日までで、活動実績などを踏まえて1年ごとに更新し、最長3年まで延長されます。兼業は職務に影響のない範囲で可能ですが、事前の届け出が必要です。

募集人数は2名で、地域DMOの業務にあたるか観光協会の業務にあたるかを応募者が選びます。市の説明では、男鹿市で国の登録を受けた地域DMOは株式会社おが地域振興公社です。

住まいはどちらも「借り上げて貸与」

ここは誤解されやすいところです。男鹿市の2つの形態は、どちらも家賃を現金でもらう補助ではなく、物件を借り上げて貸してもらう形です。ちがうのは、借り上げる主体と、金額の決め方です。

  • 市が任用する形月額55,000円を基準として、市が借り上げて貸与します
  • 受入事業者が雇用する形家賃5万円を上限として、受入事業者が借り上げて貸与します

「基準」と「上限」は同じ意味ではありません。上限と書かれているほうは、その額を超える物件は対象外という読み方になります。

引っ越しにかかる費用は、どちらの形態でも自己負担と明記されています。市が任用する形では引っ越し費用と光熱水費が自己負担、受入事業者が雇用する形では転居に係る費用・生活備品・光熱水費が個人負担で、さらに退去時に敷金を超える費用が発生した場合も個人負担と書かれています。着任時と退去時の両方でお金がかかることを、先に見積もっておいてください。

なお市が任用する形については、活動プログラムの資料に、物件は家族構成などに応じて紹介はするが最終的には隊員本人が決め、アパートなどの賃借料・火災保険料・契約に係る初期費用は原則として市が負担する、と書かれています。同じ市の資料でも賃借料の書き方が「5万円程度」と「55,000円を基準」で揺れているため、具体的な物件を検討する段階では市に金額を確かめてください。

車とパソコン

市が任用する形では、活動用の車両を協力隊の共用車両として市が用意し、燃料費も市が負担します。ただし活動用のため私的な利用はできず、通勤や日常用の自家用車の準備がすすめられています。活動用のパソコンやデスクも市が用意します。消耗品費、車両の燃料費、研修や出張の旅費、研修受講費などは予算の範囲内で市が負担しますが、支出の前に市への相談が必要です。

受入事業者が雇用する形では、勤務時間中は活動に必要な自動車・パソコン・事務用備品が貸与されます。普段の生活や移動手段としては自家用車が必要不可欠と書かれています。消耗品費と出張旅費は予算の範囲内で事業者が負担します。

応募要件には、どちらの形態でも普通自動車運転免許が入っています。市が任用する形は「取得して1年以上保有している方」という条件つきです。

任期と、任期が終わったあと

活動期間は最長3年です。市が任用する形は年度ごとの任用で、活動実績を踏まえて公募によらない再度の任用が行われる場合があり、任用期間は原則3年まで。受入事業者が雇用する形も1年ごとの更新で最長3年です。

任期後に向けた市の制度として、地域おこし協力隊起業支援補助金(最大200万円)があります。募集要項によると、対象は任期2年目から任期終了後3年以内の方で、引き続き市内に居住し、起業または事業承継をする際の経費の一部が支援されます。起業だけでなく事業承継も対象に入っている点は覚えておいてください。

市が示している任期後の働き方のイメージには、移住コーディネーター、空き家コーディネーター、関係人口コーディネーター、市の会計年度任用職員である集落支援員、個人事業主や起業、民間企業への就職が並びます。

活動中のサポートとしては、月1回程度の定例会と毎月の活動報告書の提出があり、年1回、市の地域おこし協力隊全員が参加する活動報告会が開かれます。

隊員数は資料によって数字がちがう

男鹿市の隊員数は、見る資料によって数字が変わります。どれかが誤りというより、数えた時点と数え方がちがいます。

  • 総務省が令和8年4月24日に公表した令和7年度の集計…男鹿市は3名
  • 秋田県が公表している令和8年4月1日現在の活動状況…男鹿市は1名で、活動内容は男鹿梨栽培の後継者として就農に必要な栽培技術を習得し、男鹿梨の魅力を発信することと書かれています
  • 市の広報紙「広報おが」令和8年7月号…この春新たに2名が着任したとして、男鹿梨の栽培技術の習得を目指す隊員と、ラグビーを通じた地域振興・関係人口の創出に取り組む隊員が紹介されています

秋田県の資料は令和8年4月1日という一日を切り取った数字で、広報おがの紹介は7月1日時点のものです。国の集計は年度単位です。「男鹿市には何人いる」という言い方をするときは、必ず基準時点とセットで扱ってください。

なお、市が現役隊員の一覧を人数つきで公開しているページは見当たりませんでした。確実な現在の人数を知りたい場合は、企画政策課に問い合わせるのが早道です。

集落支援員は協力隊とは別の制度

男鹿市の募集ページには集落支援員がたびたび登場します。これは地域おこし協力隊とは別の制度です。集落支援員は総務省の別の施策で、地方自治体からの委嘱を受け、市町村職員と連携しながら集落の巡回や状況把握を行うもので、2009年度から全国の自治体で導入されています。

市の説明によると、男鹿市内は大きく9つのエリアに分かれ、市役所本庁と支所がある船川と若美を除いた7つのエリアには地域づくりの拠点としてコミュニティセンターが置かれ、そこに集落支援員が配置されています。募集ページでは、この集落支援員と先輩隊員が着任直後の最初の仲間になると説明されており、協力隊と集落支援員が連携して交流イベント「OGA CONNECT(おがこねくと)」を立ち上げた例も紹介されています。

協力隊の人数を数えるときに集落支援員を足さないでください。別制度で、任用の根拠も待遇も別です。前述のとおり、集落支援員は協力隊の任期後の進路の選択肢としても挙げられています。

応募のしかた

窓口は形態ごとに分かれています。

市が任用する形(企画政策課 広報・地域づくり推進班、電話0185-24-9122)

  1. 履歴書(顔写真付き)、応募用紙(様式1)、住民票の写し(発行から1か月以内)、普通自動車免許の写しを郵送する
  2. 一次選考は書類審査。応募者全員に結果が通知される
  3. 二次選考は原則として対面の面接。日時は一次選考の合格者と協議して決まる

受入事業者が雇用する形(観光課 観光班、電話0185-24-9141)

  1. 履歴書(顔写真添付、任意様式可・手書きでなくてよい)、地域おこし協力隊活動計画書(手書き不可)、住民票の写しを郵送する
  2. 第1次選考は書類審査。応募者全員に文書で通知される
  3. 第2次選考は面接で、オンラインでも受けられる。第2次選考にかかる交通費と宿泊費は応募者の負担です

どちらの形態でも、三大都市圏をはじめとする都市地域等に住んでいて、着任後に男鹿市へ生活の拠点を移し住民票を異動できることが要件です。該当するかどうかは、総務省が公開している「特別交付税措置に係る地域要件確認表」の秋田県男鹿市の欄で確認できます。住民票の異動は必ず委嘱日以降に行うようにと、どちらの募集にも書かれています。

応募前の下見に使える制度もあります。男鹿市移住活動支援補助金は、秋田県外に住んでいて移住や二地域居住を検討している人が市を訪れる際の交通費を補助するもので、市が公開している交付要綱では往復交通費の2分の1、単身で上限2万円、帯同する世帯員がいる場合は上限5万円です。市内事業所から借りるレンタカー代も1日あたり5,000円・最大15,000円まで対象になります。ただし協力隊の募集ページと募集要項には、これとは別の上限額が書かれており、市の資料どうしで記載が一致していません。利用を考えている場合は、必ず企画政策課に金額を確かめてください。あわせて移住体験住宅も使え、市はオンラインやメールでの応募前相談も受け付けています。

募集しているかどうかの確認

この記事では、いま募集中かどうかや締切は書きません。男鹿市の募集は「定員に達し次第受付終了」で、応募受付順に順次選考が行われ、合格者が充足した段階で締め切られるためです。日付で締め切られるわけではないので、いつ終わるかは事前にわかりません。

もうひとつ理由があります。男鹿市は、終了した募集のページをサイトから削除します。実際に、令和7年10月から任用の隊員の募集ページ、農林水産課が出していた募集ページ、令和5年度のインターン募集ページは、いずれも現在は開けません。市のサイトには「過去の地域おこし協力隊募集情報」というページがあり、締め切った募集がそちらに移されています。

最新の募集状況は、男鹿市ホームページの「地域おこし協力隊」のページで確認してください。市は移住定住の情報をFacebook・YouTube・Instagram・Xの4つの公式アカウントでも発信しています。判断に迷うときは、市が任用する形なら企画政策課(0185-24-9122)、受入事業者が雇用する形なら観光課(0185-24-9141)に直接問い合わせるのが確実です。

> この記事は男鹿市ホームページおよび秋田県・総務省の公表資料をもとに作成しています。報酬や支援の内容、募集の状況は変わることがあります。最新の情報は必ず男鹿市の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.男鹿市の地域おこし協力隊の報酬は月額いくらですか。

A.受入形態によって別々です。市の会計年度任用職員として任用される形は月額187,985円(週30時間勤務の場合)で、これとは別に期末手当・勤勉手当が年2回あり、通勤距離に応じた通勤手当も支給されます。受入事業者が雇用する形(観光分野)は月額200,000円からで、昇給と賞与は受入事業者の給与規定に準じます。報酬額だけを並べて比べず、勤務時間や社会保険の中身とあわせて見てください。

Q.住まいは用意してもらえますか。引っ越し費用は出ますか。

A.どちらの形態も、家賃を現金で受け取る補助ではなく、物件を借り上げて貸してもらう形です。市が任用する形は月額55,000円を基準として市が借り上げて貸与し、受入事業者が雇用する形は家賃5万円を上限として受入事業者が借り上げて貸与します。一方で引っ越しにかかる費用と光熱水費は、どちらの形態でも自己負担と明記されています。受入事業者が雇用する形では、生活備品と、退去時に敷金を超えて発生した費用も個人負担です。

Q.男鹿市には何人の隊員がいますか。

A.資料によって数字がちがいます。総務省が令和8年4月24日に公表した令和7年度の集計では3名、秋田県が公表している令和8年4月1日現在の活動状況では1名、市の広報紙「広報おが」令和8年7月号ではこの春新たに2名が着任したと紹介されています。基準時点と数え方がちがうためで、どれかが誤りというわけではありません。市が現役隊員の一覧を人数つきで公開しているページは見当たらないため、現在の人数は企画政策課に問い合わせてください。

Q.集落支援員も地域おこし協力隊のことですか。

A.いいえ、別の制度です。集落支援員は総務省の別の施策で、自治体の委嘱を受けて集落の巡回や状況把握を行うもので、2009年度から導入されています。男鹿市では市内9つのエリアのうち7つのエリアのコミュニティセンターに配置されており、協力隊と連携して交流イベントを開くこともあります。協力隊の人数に集落支援員を足さないでください。なお集落支援員は、協力隊の任期後の進路の選択肢としても市の資料に挙げられています。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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