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にかほ市の地域おこし協力隊|委嘱型の報酬と保険・住居の扱い

7分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊にかほ市

にかほ市の地域おこし協力隊について、委嘱型の報酬と保険の扱い、住居や車の支援をまとめます。

にかほ市は秋田県の南西端にあり、東に鳥海山、西に日本海という地形の間に市街が並ぶ市です。この市の地域おこし協力隊は、報酬の額面だけを見ると高く映りますが、契約の形が「委嘱」で雇用関係がないため、額面の意味が他の市町村とは違います。にかほ市・秋田県・総務省の公式情報をもとにまとめます。

隊員数は国が6人、県が7人

総務省が令和8年4月24日に公表した令和7年度の集計では、にかほ市の隊員数は6人です。

一方、秋田県が公表している令和8年4月1日現在の活動状況では7名で、こちらは内訳まで載っています。

  • 移住促進に関する活動…3人
  • 仁賀保高校地域コーディネーター…1人
  • 仁賀保高校学習センタースタッフ…3人

秋田県全体では、県と22市町村で131人が活動しています。

2つの数字は数えている時点が違います。総務省は令和7年度という1年間の集計、秋田県は令和8年4月1日という一時点の在籍数です。どちらかが誤りというより、基準が別のものと考えてください。

にかほ市自身が隊員の総数を公表しているページは、市の公式サイトにも移住サイト「にかほーむ」にも見つかりませんでした。市の側から確認できるのは、後述する仁賀保高校の紹介ページと広報誌の連載だけです。制度そのものの仕組みは地域おこし協力隊とは何かにまとめています。

月額266,000円。ただし賞与も手当も社会保険もない

にかほ市が令和8年4月着任の隊員を募集した際の要項には、報酬等は月額支給266,000円と書かれています。数字だけを他の市町村と並べれば高いほうに見えます。しかし、同じ要項には次の3つが続けて書かれています。

  • 賞与・手当等の支給はありません
  • にかほ市より隊員として委嘱します(雇用関係なし)
  • 活動中の保険はボランティア保険に加入します。雇用契約ではないため、雇用保険や社会保険の加入はありません

この3つは切り離せません。月額266,000円は、期末手当も勤勉手当も付かない年12回きりの額であり、健康保険・厚生年金は自分で国民健康保険と国民年金1号に入ることになります。会計年度任用職員として任用される他市町村の募集と月額だけを並べると、手取りでも年収でも読み違えます。報酬の考え方そのものは地域おこし協力隊の給料・年収で説明しています。

なお、秋田県の移住ポータルに掲載された募集情報の一覧では副業は「可」と示されていますが、募集要項の本文には副業についての記載がありません。

住居は市が借り上げて貸す。引越費用は自己負担

住居の扱いは現金の家賃補助ではありません。要項は「住居は、市が借り上げし、貸与いたします」と書いており、市が物件を借りて隊員に貸す現物方式です。

そのうえで、括弧書きで次のように明記されています。引越し費用や生活必需品、光熱水費等は自己負担。ここは「記載がない」のではなく、自己負担だと書かれている点に注意してください。着任前後の初期費用は自分で持つ前提です。

車の補助は「上限あり」だけで、要項に金額がない

車については2通りの書き方があります。

  • 活動に要する車両は市が借り上げし、貸与する
  • 私有車やリース車両を活動に使う場合は、借上げ料・任意保険料・ガソリン代を補助する(上限あり)

問題は後者です。要項には「上限あり」とだけ書かれ、その金額が書かれていません。同じ募集で市が作った募集チラシのほうには、活動費として月額最大115,000円、その内訳としてリース車助成が最大40,000円、ガソリン代が10,000円、家賃が65,000円という数字が載っています。要項とチラシで情報量が違うので、応募前に担当課に金額を直接確かめてください。

このほか、活動に必要なパソコン等は市が準備し、活動に関連した出張の旅費は予算の範囲内で市が負担すると書かれています。

委嘱で1年ごと、最長3年

任用期間は1年以内で、当該年度を超えないと定められています。次年度以降は市と隊員が協議のうえで再任され、最長3年間まで続けられます。市が隊員としてふさわしくないと判断した場合は、任用期間中でも委嘱を取り消すことができるとも書かれています。

応募要件には、最長3年間の活動期間終了後もにかほ市に定住し、就業・起業する意欲のある方という一文が入っています。任期後にこの市に残ることが、応募の時点から条件として書かれている形です。

活動日は月20日程度、定休日はない

活動日と時間は次のとおりです。

  • 平日を基本とし、活動時間は1日7時間45分を原則とする
  • 活動日は原則として月20日程度とし、内容によっては休日等にも活動する
  • 定休日はありません。活動状況によって、月10日程度の休日を計画していただく

固定の休みが決まっているのではなく、自分で休みを組み立てる形です。移住相談会や移住体験ツアーのアテンドは土日に寄りやすいため、平日基本と書かれていても実際の曜日は動きます。活動地はにかほ市企画振興部 連携推進課内で、イベント等では近隣市や首都圏での活動もあります。

活動は「移住リエゾン」と仁賀保高校の2系統

にかほ市の協力隊には、性格の違う2つの現場があります。

移住リエゾンは、市と移住希望者の橋渡しをする役割につけられた市独自の呼び名です。市の移住サイト「にかほーむ」に専用のページがあり、移住前・移住中・移住後のサポートを市の担当職員や関係機関と連携して行うと説明されています。募集要項に挙げられた活動は、移住希望者からの相談対応、移住体験ツアーの企画とアテンド、移住後のサポートと移住者向けイベントの企画運営、交流サイト等を使った情報発信、移住相談会の運営などです。にかほ市過疎地域持続的発展計画にも「移住リエゾン事業」として位置づけられています。

仁賀保高校魅力化プロジェクトは、市内唯一の高校を地域と連携した学校として存続させる取り組みで、令和7年度から「にかほ市学習センター」による放課後の学習環境の提供と、「地域コーディネーター」による探究的な学びの支援を行っています。市のページには「にかほ市の地域おこし協力隊が、魅力化スタッフとして活動しています」と明記され、4人が名前と経歴つきで紹介されています。学習センター長は令和7年4月着任、スタッフが令和7年5月着任と令和8年4月着任、地域コーディネーターが令和8年4月着任です。

市の情報は、募集ページではなく広報誌と高校のページにある

応募を考えるときに困るのが、市の側に協力隊のまとまったページがないことです。

市の移住サイト「にかほーむ」のお知らせには、令和8年4月開始の募集を告知した記事が残っていますが、その詳細ページはすでに削除されていて開けません。秋田県の移住ポータルが「詳細URL」として案内しているのも同じ削除済みのページです。過去の募集告知も同様に開けなくなっています。リンクが残っていることと、情報が残っていることは別だと考えてください。

一方で、広報にかほには「地域おこし協力隊お仕事図鑑」という連載があります。令和2年3月号から現在まで続いており、毎月ではなく断続的な掲載ですが、直近では令和8年7月号の4・5ページに、令和8年4月着任で仁賀保高校魅力化プロジェクトに携わっている隊員の記事が載っています。さらに令和4年12月号では表紙と2・3ページを使った特集「進め!地域おこし協力隊隊員図鑑」が組まれ、当時活動していた隊員が顔写真と活動内容つきで紹介されました。

募集ページを探すより、広報誌のバックナンバーと仁賀保高校魅力化プロジェクトのページを読むほうが、この市の協力隊の実像に近づけます。

隊員のその後

秋田県の移住ポータルは、にかほ市の隊員を3人取り上げています。市の側には隊員紹介や活動報告のページがないため、活動の中身が読める一次情報はここに集まっています。

  • 令和5年5月に着任し、連携推進課で移住定住サポートと空き家相談を担当している隊員。にかほ市出身で、東京・横浜で約16年働いたあとに戻りました。移住希望者は賃貸を求めるのに空き家の所有者は売却を望む、という食い違いに突き当たり、市の起業支援プログラムに参加したうえで、令和7年10月に空き家管理代行と賃貸マッチングの屋号で開業届を出しています
  • 令和4年5月に着任した移住リエゾンの隊員。岐阜県出身で、鳥海山の麓の景色に惹かれて移住し、自分が世話になった移住リエゾンの募集に応募しました。令和5年度は15組の移住体験ツアーをアテンドしています
  • 令和3年8月に着任した隊員。東京都出身で、廃校を活用したインキュベーション施設を運営する一般社団法人に所属し、市のPRとデザイン、漁業をテーマにした冊子の制作に携わりました

3人とも任期中から自分の仕事を組み立てている点が共通しています。副業や起業を前提に動くなら、その扱いを応募前に確認しておいてください。

募集と問い合わせ

確認できた直近の募集は、令和8年4月着任の移住リエゾン1名で、応募の受付は令和7年12月5日に締め切られています。秋田県の移住ポータルの募集情報にも「この応募は締切ました」と表示されています。令和8年度以降の新しい募集は、市の公式サイト、にかほーむ、秋田県の移住ポータルのいずれにも見つかりませんでした。

選考は書類選考と面接の2段階で、面接はオンラインでも受けられますが、面接に要する交通費と宿泊費は応募者の負担です。応募には応募用紙と住民票の写しを郵送します。応募時点で三大都市圏内の都市地域か政令指定都市に住んでいることと、普通自動車運転免許を持っていることが要件に入っています。

問い合わせ先は次のとおりです。

  • 募集・移住リエゾン、制度全般 … にかほ市役所 企画振興部 連携推進課「地域おこし協力隊」担当(電話 0184-43-7510)
  • 仁賀保高校魅力化プロジェクト … にかほ市役所 企画振興部 総合政策課 企画調整班(電話 0184-43-7509)

募集の条件は年度ごとに見直されます。この記事の数字は令和8年4月着任の募集要項に書かれた内容です。

> この記事はにかほ市公式ホームページおよび募集要項、秋田県と総務省の公表資料をもとに作成しています。報酬や支援の内容、隊員数、募集の状況は変わることがあります。最新の情報は必ずにかほ市の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.にかほ市の地域おこし協力隊の報酬はいくらですか。

A.令和8年4月着任の募集要項では月額支給266,000円です。ただし同じ要項に「賞与・手当等の支給はありません」と明記されており、期末手当や勤勉手当は付きません。さらに、にかほ市から隊員として委嘱される形で雇用関係がないため、雇用保険にも社会保険にも加入しません。健康保険と年金は自分で手続きすることになります。月額だけを会計年度任用職員型の募集と並べて比べると、手取りも年収も読み違えます。

Q.住居や引っ越しの費用はどうなりますか。

A.住居は市が借り上げて隊員に貸与する現物方式で、現金の家賃補助ではありません。そのうえで募集要項には「引越し費用や生活必需品、光熱水費等は自己負担となります」と書かれています。引越費用は記載がないのではなく、自己負担だと明記されている点に注意してください。

Q.車は用意してもらえますか。

A.活動に要する車両は市が借り上げて貸与します。私有車やリース車両を活動に使う場合は、借上げ料・任意保険料・ガソリン代が補助されますが、募集要項には「上限あり」とだけ書かれ、金額は書かれていません。同じ募集で市が作った募集チラシには活動費として月額最大115,000円(リース車助成最大40,000円、ガソリン代10,000円、家賃65,000円)という内訳が載っています。応募前に担当課へ直接確認してください。

Q.にかほ市には何人の隊員がいますか。

A.総務省の令和7年度の集計では6人、秋田県の令和8年4月1日現在の集計では7名で、数字が食い違います。総務省は年度を通した集計、秋田県は特定の日の在籍数という違いによるものです。県の資料には内訳もあり、移住促進に関する活動が3人、仁賀保高校地域コーディネーターが1人、仁賀保高校学習センタースタッフが3人となっています。にかほ市自身が総数を公表しているページは、市の公式サイトにも移住サイト「にかほーむ」にも見つかりませんでした。

参考にした公式ページ

情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。

TownHub編集部

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全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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