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大潟村の地域おこし協力隊|任用型と民間雇用型の報酬・住居

9分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊大潟村

大潟村の地域おこし協力隊について、2つの受入形態ごとの報酬と、住居や車の支援をまとめます。

大潟村は、かつて日本で2番目に広い湖だった八郎潟を干拓してつくられた村です。堤防を除く全域が海抜0メートル以下という珍しい土地に、およそ3,000人が暮らしています。その村が、いま秋田県内で4番目に多い地域おこし協力隊を受け入れています。大潟村公式ホームページと総務省の公表資料をもとにまとめます。

人口約3,000人の村に9人の協力隊

総務省が令和8年4月24日に公表した「令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」によると、大潟村の隊員数は9人です。秋田県全体では23団体で176人が活動しており、大潟村の9人は東成瀬村(77人)、能代市(14人)、大館市(11人)に次いで県内で4番目にあたります。

村が公開している「令和8年度大潟村地域おこし協力隊募集要項」にも「令和7年度現在、9名の隊員が様々な分野で活動を行っており、隊員同士の交流も多く活動しやすい環境を整備しています」と書かれており、国の集計と村の資料の人数が一致しています。

募集要項によると村の人口は約3,000人ですから、村民およそ330人に1人が協力隊員という計算になります。行政機関、スーパー、診療所、観光施設、民間事業所や住宅地は「総合中心地」と呼ばれる集落地1か所にまとまっていて、普段の生活は徒歩圏内、と募集要項は村の暮らしを説明しています。担当は総務企画課 企画財政班です。

大潟村の協力隊には2つの形があります

大潟村の協力隊は、会計年度任用職員(任用型)民間雇用型の2つに分かれます。報酬も、住居の支援の中身も、この2つでまったく違います。どちらの枠で応募するかによって条件が変わるので、まずここを押さえてください。

  • 会計年度任用職員(任用型)… 村が会計年度任用職員(パートタイム)として採用します。村と雇用関係があります。
  • 民間雇用型大潟村長が委嘱し、雇用するのは民間の企業・団体等です。村との雇用関係はありません。

令和8年度の募集要項では、活動テーマごとにどちらの形になるかが決められていました。

  • 企画提案型(フリーテーマ)… 任用型
  • 大潟村の脱炭素事業の運営に係る活動… 任用型、または民間雇用型として株式会社オーリスの契約社員
  • 行政と連携して観光交流施設の活用により地域課題解決や活性化に取組む活動… 民間雇用型として株式会社ルーラル大潟の契約社員(勤務場所はホテルサンルーラル大潟)
  • 産直センター潟の店(道の駅おおがた)の活性化に行政・地域と連携して取組む活動… 民間雇用型として株式会社ルーラル大潟の契約社員

募集人数はいずれも「若干名」です。脱炭素の枠だけは、任用型と民間雇用型のどちらもあり得る書き方になっています。

報酬はいくらか

会計年度任用職員(任用型)の場合

  • 報酬は時給1,401円から月21日勤務の場合で月額205,947円からです。応募者の知識・技術・職務経験等を考慮して協議のうえ増額されることがあり、2年目・3年目に昇給があります。
  • 村の規定に基づき6月と12月に期末手当および勤勉手当が支給されます。これらを含めた想定年収は300万円程度とされています。
  • 勤務日は原則として月曜日から金曜日、8時30分から17時15分のうち7時間勤務(休憩1時間)が基本です。活動内容により始業・終業時刻や勤務日が変わることがあります。休日は土日、祝日、年末年始で、土日祝日に勤務した場合は原則としてその週または翌週に振替か代休を取ります。
  • 共済組合保険、厚生年金、雇用保険と、非常勤職員等公務災害補償制度に加入します。
  • 公務に支障がないと認められる範囲で副業ができます。

民間雇用型の場合

  • 待遇は雇用する企業の規定によります。募集要項に載っている3つの枠はいずれも月給25万円からで、想定年収は約300万円から約420万円とされています。途中採用の場合は在職期間により変動し、経験やスキルに応じても変動します。
  • 勤務時間・勤務シフトは雇用する企業の規定によります。原則として週5日勤務、1週間あたりの勤務時間40時間が基本です。
  • 契約社員として、規定による年次有給休暇等が付与されます。社会保険と厚生年金に加入し、本人負担分は給与等から差し引かれて支給されます。
  • 副業についての記載は、民間雇用型の欄にはありません。

同じ「協力隊」でも、時給計算で月額20万円台前半から始まる任用型と、月給25万円からで年収の上限側が420万円まで想定されている民間雇用型とでは、金額の考え方そのものが違います。

住居・車・活動費の支援

ここが大潟村でいちばん読み違えやすいところです。住まいの支援が「村が現物を貸す」のか「企業が家賃を負担する」のかが、2つの形で違います。

会計年度任用職員(任用型)の場合、村の予算の範囲内で次の経費を村が負担します。

  • 住居は村が無償貸与します。家賃や必要最低限の生活備品は村が負担します。ただし退居時の修繕費、その他の費用は自己負担です。
  • 活動用車両は村が無償貸与します。自家用車を使う場合は、あらかじめ申し出ることとされています。
  • 作業道具、消耗品、研修費、出張等に係る旅費ほか、活動に必要な経費。

つまり任用型は、住居も車も現金の家賃補助ではなく現物の貸与です。募集要項に上限額の記載はありません。

さらに任用型には、年度ごとに50万円を上限とする「活動費補助金」の交付を受けられる仕組みがあります。対象は、その隊員の活動分野に関係する活動です。

民間雇用型の場合、募集要項には「家賃は株式会社オーリスが負担します」「家賃は株式会社ルーラル大潟が負担します」と書かれています。村が住居を貸すのではなく、雇用する企業が家賃を負担する形です。こちらも上限額の記載はありません。活動に必要な研修や資格取得等に係る経費は別途支給されるとされていますが、活動用車両についての記載と、活動費補助金についての記載は、民間雇用型の欄にはありません。

なお引越しにかかる費用については、どちらの形についても募集要項に記載がありません。支給しないと明記されているわけでもないため、必要な場合は村に直接確認してください。

どんな活動をしているのか

村の協力隊ページには、7人の隊員が氏名・出身・所属・活動内容・活動の抱負つきで掲載されています。総務省の9人は年度を通じた受入人数の集計であるため、ある時点で在籍している人数とは一致しません。

掲載されている活動は次のとおりです。

  • 地域エネルギーの推進など(所属は生活環境課)
  • 生態系公園の活用など(総務企画課)
  • オーガニックビレッジの推進など(産業振興課)
  • スポーツによる地域活性化など(教育委員会)
  • ボート競技普及と部活動地域展開など(教育委員会)
  • 道の駅おおがたの活性化に行政・地域と連携して取り組む活動など(株式会社ルーラル大潟直販事業部)
  • 交流サイトやホームページを活用した情報発信による地域活性化に係る活動など(総務企画課)

所属を見ると、村役場の課に配属されている隊員と、株式会社ルーラル大潟直販事業部に所属している隊員がいます。任用型と民間雇用型の2つの形が、実際に併存していることが分かります。

出身地は東京都、長野県、秋田県秋田市、秋田県大潟村と幅があり、村の出身者が協力隊として戻っている例もあります。

任期と、任期が終わったあと

任用期間・委嘱期間は、任用または委嘱の日から令和9年3月31日までです。従前の勤務実績に基づく能力の実証により、公募によらない再度の任用・委嘱を年度ごとに行う場合があり、その場合の期間は最長3年までとされています。隊員としてふさわしくないと判断された場合は、期間中でも職を解かれることがあります。

応募資格には「活動期間終了後に大潟村に定住し、起業・就業する意欲がある方」が挙げられています。民間雇用型については、任期後の行き先が募集要項にはっきり書かれているのが特徴です。脱炭素事業と観光交流施設の枠は「隊員任期終了後は株式会社オーリスの職員として」「株式会社ルーラル大潟の職員として活躍することを目指します」、産直センター潟の店の枠は「『産直センター潟の店』の店長として活躍することを目指します」とされています。

国の制度としては、総務省が起業・事業承継に要する経費への財政措置を設けています。対象となる時期は任期2年目から任期終了後3年以内で、総務省が自治体に対して措置する上限は1人あたり100万円(最大200万円)です。ただしこれは国が自治体に対して行う財政措置の枠であり、隊員が実際に受け取れるかどうかや手続きは自治体ごとに異なります。

任期を終えた人はいま何をしているか

任期のあとどうなるかは、協力隊を考えるうえでいちばん見えにくいところです。大潟村は、退任後も村で活動を続けている人を公式ページで紹介しています。掲載されているのは2人です。

  • 明平冬美さん(隊員任期:令和3年10月〜令和8年3月)… 地域資源の活用や関係人口の拡大に向けた活動に取り組み、村内外から人が集まる催し「カタマルシェ」を地域の人たちと育ててきました。退任後は生態系公園の運営を担う地域プロジェクトマネージャーとして公園の将来像づくりに取り組みながら、カタマルシェの運営も続けています。さらに、夫婦で地域プロデュースを行う会社(合同会社OENN)を立ち上げたと村のページに書かれています。
  • 畠山佳枝さん(隊員任期:令和5年4月〜令和8年3月)… 村で見られる野鳥を撮影し、4コマ漫画にして紹介する「とりっこフレンズ」の活動を3年間続けました。退任後も村に残って活動を継続し、村の広報紙への掲載も続けています。道の駅おおがたやホテルサンルーラル大潟の売店では関連商品を販売しています。

村の担当者からのコメントと本人からのメッセージが両方載っており、任期中に何をして、いま何をしているのかが両側から読めるようになっています。

応募資格と選考の流れ

共通の応募資格は次のとおりです。性別と学歴は問われません。

  • 3大都市圏をはじめとする都市地域等に居住していて(総務省の地域おこし協力隊の地域要件に合致し)、任用後に大潟村へ住民票を異動し、地域協力活動に従事できる
  • 地域活性化に関する活動や、地域の諸団体・住民との地域づくり活動(地域の行事等を含む)に積極的に参加できる
  • 多くの地域住民と信頼関係を築き、その関係の中で把握した課題を自分の地域協力活動に反映できる
  • 自ら情報を収集・分析し、企画立案・実践活動ができる
  • 関係者との協議、調整、合意形成ができ、事業の計画策定から実施、事後評価までできる
  • 普通自動車運転免許(オートマチック限定可)を持ち、活動や日常生活の中で運転ができる
  • パソコンの操作ができる(メールの送受信、文書作成ソフトでの報告書やチラシの作成、表計算ソフトでの収支計算やグラフ作成、発表資料の作成など)
  • 交流サイトやホームページ等を活用した情報発信ができる
  • 心身ともに健康で、誠実に業務を行うことができる
  • 活動期間終了後に大潟村に定住し、起業・就業する意欲がある

これに加えて、活動テーマごとに個別要件があります。たとえば脱炭素事業の枠には「年齢20歳以上おおむね40歳以下の健康な方」という年齢の条件が付いていました。地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当する人は応募できません。

手続きの流れは次のとおりです。

  1. 大潟村地域おこし協力隊応募申込書(顔写真を添付。村ホームページからダウンロードする)と住民票抄本(原本)をそろえる
  2. 郵送で提出する
  3. 一次選考(書類審査)。結果は本人にメールで通知され、合格者には二次選考の日時と場所が知らされる
  4. 二次選考(面接)。原則として大潟村の会議室で行われる
  5. 合否が文書および電話で通知される

応募書類は返却されません。二次選考会場までの交通費は応募者の負担です。

応募の前に、オンラインのカジュアル面談を受けることもできます。村をより知ってもらうためのもので、選考には一切影響しないと明記されています。迷っている段階でも使える窓口です。

募集情報はどこで確認するか

募集の有無や受付期間は時期によって変わります。令和8年度の募集要項では、募集期間は令和7年8月25日から令和7年11月20日までで、この期間内で随時受付、隊員が募集定員に達した場合は募集を終了する、とされていました。募集内容に変更がある場合は随時ホームページで知らせるとも書かれています。

最新の募集状況は、大潟村公式ホームページの「大潟村地域おこし協力隊」のページで確認してください。隊員の紹介と、退任後も村で活動を続けている人の紹介も、同じページからたどれます。

問い合わせ先は大潟村役場 総務企画課 企画財政班です。所在地は秋田県南秋田郡大潟村字中央1番地1、電話番号は0185-45-2111、ファックスは0185-45-2162です。

> この記事は大潟村公式ホームページと総務省の公表資料をもとに作成しています。報酬額・支援内容・募集の有無は変わることがあります。最新の情報は必ず大潟村の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.大潟村の地域おこし協力隊の報酬はいくらですか。

A.受入の形で分かれます。村の会計年度任用職員(パートタイム)として採用される任用型は時給1,401円からで、月21日勤務の場合は月額205,947円から。6月と12月の期末手当・勤勉手当を含めた想定年収は300万円程度とされ、2年目・3年目に昇給があります。村長が委嘱し民間企業が雇用する民間雇用型は月給25万円からで、想定年収は約300万円から約420万円です。金額は変わることがあるため、応募前に大潟村の公式ホームページで確認してください。

Q.住むところや車は用意してもらえますか。

A.これも受入の形で中身が違います。任用型は住居を村が無償貸与し、家賃と必要最低限の生活備品を村が負担します。活動用車両も村が無償貸与します。ただし退居時の修繕費とその他の費用は自己負担で、自家用車を使う場合はあらかじめ申し出ることとされています。民間雇用型は、村が住居を貸すのではなく、雇用する株式会社オーリスまたは株式会社ルーラル大潟が家賃を負担する形です。どちらの形についても募集要項に上限額の記載はなく、活動用車両についての記載は民間雇用型の欄にはありません。引越しにかかる費用については、どちらの形についても募集要項に記載がありません。

Q.任期はどのくらいで、終わったあとはどうなりますか。

A.任用期間・委嘱期間は任用または委嘱の日から令和9年3月31日までで、年度ごとに再度の任用・委嘱を行う場合があり、その期間は最長3年までとされています。応募資格には「活動期間終了後に大潟村に定住し、起業・就業する意欲がある方」が挙げられています。民間雇用型は、任期終了後に雇用先である株式会社オーリスや株式会社ルーラル大潟の職員として、産直センター潟の店の枠では店長として活躍することを目指す、と募集要項に書かれています。実際に、任期を終えたあとも村に残って活動を続けている人が村の公式ページで2人紹介されています。

Q.今から応募できますか。

A.募集の有無や受付期間は時期によって変わります。令和8年度の募集要項では募集期間は令和7年8月25日から令和7年11月20日までで、定員に達した場合は募集を終了するとされていました。最新の状況は大潟村公式ホームページの「大潟村地域おこし協力隊」のページで確認するか、大潟村役場 総務企画課 企画財政班(電話0185-45-2111)に問い合わせてください。応募の前にオンラインのカジュアル面談を受けることもできます。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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