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磐梯町の地域おこし協力隊|3つの受入方式・報酬・活動

7分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊磐梯町

磐梯町の地域おこし協力隊について、3つの受入方式と報酬、活動をまとめます。

人口3千人あまりの磐梯町には、令和3年度以降だけで24人の地域おこし協力隊員が着任しています。特徴は受け入れ方が3つに分かれていることで、どれを選ぶかによって契約のかたちも、お金の出方も、住まいの負担も変わります。磐梯町の公式情報をもとにまとめます。

人口3千人台の町に、24人の着任者

磐梯町は会津盆地の北東部、磐梯山の南山麓に位置する町です。総面積は59.79平方キロメートルで、そのうち約70パーセントを森林が占めます。人口は3,165人、世帯数は1,182世帯(2024年7月31日現在)です。

この規模の町が、平成30年度から地域おこし協力隊の受け入れを続けています。町の紹介ページには、令和3年度から令和8年度までに着任した24人が、すでに任期を終えた「卒隊」の隊員も含めて、氏名・着任日・所属・移住元・活動内容・本人のコメントつきで並んでいます。このうち現在活動中として紹介されているのは11人です(2026年7月1日更新時点)。

卒隊した人を消さずに残しているため、「どんな人がどこから来て、何をして、何年で任期を終えたか」が過去にさかのぼって追えるようになっています。制度そのもののしくみは地域おこし協力隊の制度の全体像にまとめています。

3つの受入方式を並べて見る

磐梯町地域おこし協力隊設置要綱が定める隊員の区分は、実は任用型隊員と委託型隊員の2つです。そのうえで、委託型隊員と雇用契約を結ぶ民間団体等を「受入事業者」と定義しています。つまり民間企業等受入型は、委託型のうち受入事業者が間に入るかたちにあたります。

募集の場面では、この3つが並列で示されます。令和7年度の募集要項に記載された条件を整理すると次のとおりです。

受入方式契約のかたち主なお金の出方住まいの扱い
任用型町長が委嘱し、パートタイム会計年度任用職員として町が雇用月額210,000円が基準。期末手当・勤勉手当・通勤手当・出張研修旅費は町の規定に準じて別途町が町内に用意し、家賃は町が負担
委託型町長が委嘱し、町と業務委託契約を締結。町との雇用契約はなし隊員報償費 年350万円、隊員活動費 年200万円(いずれも任期月数に応じた額)家賃は活動費から支出
民間企業等受入型町長が委嘱し、受入事業者と雇用契約を締結。町との雇用契約はなし報償費・活動費の枠は委託型と同じ示され方。ただし本人の待遇は受入事業者の就業規則による受入事業者の就業規則による

任用型の月額210,000円という基準額は、募集要項だけでなく設置要綱にも「条例の規定にかかわらず月額210,000円を基準とする」と明記されています。年ごとの募集で上下する数字ではなく、町の要綱に根拠がある額です。

福島県内のほかの市町村と条件を見比べたいときは県内の待遇比較もあわせて確認してください。

額面だけでは比べられない

3つの方式は額面の大きさで優劣を判断できません。契約のかたちが違うため、手取りに届くまでの引かれ方がまったく別だからです。

受入方式社会保険・年金活動時間の決まり方副業
任用型健康保険・厚生年金・雇用保険に加入1日7時間。令和7年度の例では原則週5日、8時30分から16時30分(休憩1時間を含む)所定の届け出を行ったうえで勤務時間外なら可
委託型健康保険および年金保険料等は全額自己負担委託後に相談。毎月1回の活動報告あり活動に支障のない範囲で可
民間企業等受入型受入事業者の就業規則による令和7年度の例では原則週5日、9時から18時(休憩1時間を含む)受入事業者の就業規則による

委託型の年350万円は「報償費」であって給与ではありません。そこから国民健康保険料と国民年金保険料を自分で払うことになります。加えて、活動費 年200万円は自由に使えるお小遣いではなく、住居の家賃をここから出すと募集要項に明記されています。

一方の任用型は月額210,000円で、単純に12か月分をかけると委託型の報償費より小さく見えますが、社会保険に加入し、期末手当と勤勉手当が別に支給され、家賃は町が負担します。報酬額の見え方と実際の負担の関係は協力隊の報酬の考え方で整理しています。

委託型は毎月1回の活動報告が契約上の義務として定められている代わりに、活動時間の組み立てに自由度があります。自分で経費を管理して動きたい人は委託型、生活の安定を優先したい人は任用型、という選び方になります。

住まい・車・引越しの費用

住まいの扱いは方式ごとにはっきり分かれます。任用型は委嘱期間中の住居を町が町内に用意し、家賃も町が負担します。委託型は家賃を活動費から支出するため、住居費は年200万円の活動費の中でやりくりする形になります。民間企業等受入型は受入事業者の就業規則に基づきます。

車については、応募条件に「普通自動車運転免許を有し、日常的な運転に支障のない方」が挙げられています。令和8年度の募集ページでは「オートマチック限定可」と補足されています。町が車を用意するかどうかは公式ページに記載がありませんので、担当窓口に確認してください。

引越しの費用についても公式の記載はありません。ただし募集要項には「応募に係る費用(書類申請、面接試験に伴う交通費等)は全て応募者の負担となります」と明記されています。選考の段階の交通費は自己負担になる前提で考えておくのが確実です。

配属先が庁内を横断している

磐梯町の協力隊で目を引くのは、配属先が特定の課に偏っていないことです。町の紹介ページに記載されている所属は次のとおりです。

  • 行政経営課(しあわせ・まちづくり再デザイン特命係)
  • 産業振興課(商工観光係を含む)
  • 教育再デザインセンター
  • 教育委員会文化生涯学習課

産業や観光の部署だけでなく、行政の運営そのものを扱う部署や教育の部署にも隊員が入っているのが磐梯町の形です。実際の活動内容も、二地域居住の推進、地域コミュニティと関係人口の創出、法務最高責任者の補佐役として行政経営の再デザインに取り組む専門職型の隊員、学校と地域をつなぐ地域学校協働活動コーディネーターなど、産業振興の枠に収まらないものが並びます。

行政書士の専門性を活かした専門職型として着任した例のように、資格や職歴を前提にした配置も行われています。応募を検討するときは「どの部署の、どの仕事に就くか」まで見て選ぶ必要があります。

公開されている活動記録

磐梯町は隊員の活動を継続的に外へ出しています。着任後に何をすることになるのか、実例から確かめられます。

  • 町の広報誌『磐梯弘報』で、2020年6月号から毎月協力隊の活動を掲載しています。協力隊関連ページだけを抜き出した冊子が、2020年以前・2021年・2022年・2023年・2024年・2025年・2026年1月から6月分と、年ごとにまとめて公開されています
  • 令和7年度の活動報告会(3月16日開催)の動画が、町の公式動画チャンネルで配信されています
  • 隊員が書き手になっているウェブマガジンも公開されています

紹介ページに載っている活動内容も具体的です。ツキノワグマ・イノシシ・ニホンジカを対象とした有害鳥獣被害対策と電気柵の設置指導、集落営農組織の運営支援、農業支援拠点と農業公社の運営、磐梯町産の日本酒等の輸出拡大、台湾との観光交流人口の拡大、史跡慧日寺跡の歴史を伝える企画立案、空き家を活用した交流拠点の運営、観光交流拠点でのランチ営業、特定地域づくり事業協同組合の設立などが挙げられています。

5年以上分の月次記録が公開されているため、募集要項の文言だけでは分からない実際の仕事量や進み方を、応募前に自分で読んで判断できます。

任期のあとを支える起業支援

磐梯町には地域おこし協力隊員向けの起業支援補助金の要綱があります。任期中や任期後に町内で起業する、または事業を引き継ぐ隊員が対象です。

区分上限額補助率
通常100万円補助対象経費の10分の10以内
起業時に1人以上を新規雇用、または事業承継で雇用数を維持した場合200万円補助対象経費の10分の10以内

対象になるのは、任期開始の日から起算して任期が1年を超える隊員で、かつ任期終了の日から起算して3年以内の人です。要件は、町内に住所を有して町内で起業または事業承継すること、事業内容が町の活性化に資することの2つです。

補助の対象経費は幅があり、設備費・備品費・土地建物賃借費のほか、法人登記、知的財産登録、マーケティング、技術指導の受入れ、経営改善に向けた専門人材の活用、新商品開発、従業員の育成・能力開発に要する経費も含まれます。補助金は上限額の範囲で複数年度に分割して交付することもできます。

ただし、交付日から3年以内に自己都合で町外へ転出した場合は交付決定が取り消される定めがあります。定住とセットの制度である点は押さえておいてください。

任期についても、地場産業等に従事する隊員が任期後にその分野で起業や事業承継を行うために延長を希望し、町長が必要と認めた場合は、2年を上限に延長して最長5年とすることができます。これは任用型・委託型のどちらにも定めがあります。

応募から着任までの流れ

令和7年度の募集要項に示された流れは次のとおりです。

  1. 応募条件を確認する。申込時点で3大都市圏または地方都市等(過疎・山村・離島・半島等の地域に該当しない市町村)に在住し、採用後に磐梯町へ住民票を異動して居住できること、磐梯町に1年以上居住する意向があること、普通自動車運転免許があること、活動期間の終了後に磐梯町で起業や就業をして定住を計画していること、市区町村税等を滞納していないことなど、すべてを満たす必要があります
  2. 書類を用意する。応募用紙、住民票、市町村税に関する滞納がないことを証明できる直近の書類の写しの3点です
  3. 応募用紙などを、行政経営課の地域おこし協力隊募集担当あてにメールまたは郵送で提出します(郵送は当日消印有効)
  4. 1次選考は書類選考です
  5. 2次選考は面接試験で、磐梯町役場またはオンラインで行われます。日時と場所は1次選考の合格者に通知されます
  6. 委嘱期間は、初年度が委嘱日からその年度の3月31日まで。次年度からは年度ごとに委嘱し、最長で3年間です

応募に係る費用は全て応募者の負担です。窓口は磐梯町役場 行政経営課の地域おこし協力隊募集担当で、活動内容の詳細については担当課へ取り次いでもらえます。方式によって契約も待遇もまったく違うため、気になる仕事があれば方式を確かめてから応募を判断してください。

この記事は磐梯町公式ホームページの情報をもとに作成しています。募集の有無や条件、金額、担当窓口は変わることがあります。最新の情報は必ず磐梯町の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.磐梯町の地域おこし協力隊には、どんな受入方式がありますか。

A.募集の場面では任用型・委託型・民間企業等受入型の3つが示されます。ただし町の設置要綱が定める区分は任用型隊員と委託型隊員の2つで、民間企業等受入型は委託型のうち受入事業者と雇用契約を結ぶかたちにあたります。任用型は町がパートタイム会計年度任用職員として雇用し、委託型は町と業務委託契約を結ぶため町との雇用契約はありません。

Q.委託型と任用型では、どちらが収入面で有利ですか。

A.額面だけでは比べられません。委託型は隊員報償費が年350万円、隊員活動費が年200万円ですが、健康保険と年金の保険料は全額自己負担で、住居の家賃も活動費から支出します。任用型は月額210,000円が基準で、社会保険に加入し、期末手当や勤勉手当が別に支給され、住居は町が用意して家賃も町が負担します。手元に残る額と生活費の負担を合わせて考える必要があります。

Q.任期が終わったあとの支援はありますか。

A.町内で起業または事業承継をする隊員に対して、補助対象経費の10分の10以内、上限100万円の起業支援補助金の要綱があります。起業時に1人以上を新規雇用した場合、または事業承継で雇用数を維持した場合は上限200万円です。対象は任期開始日から起算して任期が1年を超え、任期終了日から起算して3年以内の人で、交付日から3年以内に自己都合で町外へ転出した場合は交付決定が取り消されます。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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