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飯舘村の地域おこし協力隊|活動内容・報酬・任期後

9分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊飯舘村

飯舘村の地域おこし協力隊について、活動分野と報酬、支援をまとめます。

飯舘村の地域おこし協力隊は、令和7年度で22名。全国では1,187の自治体が8,196名を受け入れているので、1団体あたりの平均はおよそ7名です。村としては際立って多い人数といえます。飯舘村の公式情報と国の公式資料をもとにまとめます。

飯舘村の協力隊には2つの型がある

飯舘村の地域おこし協力隊は、フリーミッション型企業雇用型の2つに分かれます。名前が並んでいるので同じ制度の枝分かれに見えますが、契約する相手も、お金の流れ方も、社会保険の扱いも違います。ここを取り違えると、手元に残る金額の見込みが大きくずれます。

  • フリーミッション型……村長が委嘱し、個人事業主として飯舘村と委託契約を結びます。雇用関係はありません。
  • 企業雇用型……飯舘村が村内の受託事業者と業務委託契約を結び、隊員はその受託事業者と雇用契約を結びます。雇い主は村ではなく事業者です。

隊員数を数字で見ると、令和7年度の飯舘村は22名。福島県全体では351名(受入47団体)で、都道府県別では全国で4番目に多い人数です。制度そのものの成り立ちは地域おこし協力隊とはどんな制度かにまとめています。

報酬と契約条件を型ごとに並べる

村が公表している令和8年度の募集要項・案内から、条件を並べます。

項目フリーミッション型企業雇用型
契約の相手飯舘村(委託契約)村内の受託事業者(雇用契約)
立場個人事業主受託事業者の従業員
報酬費年間350万円年間350万円(村から事業者へ支払われる委託費)
活動経費年間最大200万円年間最大200万円(村から事業者へ支払われる委託費)
任期年度ごとに更新、最長3年任用から1年、3者協議で最長3年
勤務日数原則、週5日程度原則、週5日、週40時間以内

どちらも年額です。月額ではありません。フリーミッション型は年度の途中で採用された場合、活動月数などによる月割り支給になります。

ここで見落としやすいのが企業雇用型の読み方です。村の案内には、業務委託費は「報酬費」(固定費、年間350万円)と「活動費」(変動費、年間最大200万円)で構成されると書かれていますが、これは村から受託事業者へ支払われる金額です。しかも報酬費は「従業員給与に相当するもの」としつつ、雇用にかかる経費(給与、年金、社会保険料等)を充当することができると明記されています。つまり350万円がそのまま隊員の年収になるとは限りません。企業雇用型に応募するときは、事業者に提示される給与額を雇用契約の側で確認してください。待遇・福利厚生は「当該受託事業者の社員等に準じること」とされています。

なお村から事業者への支払いは概算払いで、上半期・下半期にそれぞれ245万円(報酬費175万円と活動費70万円)、年度末の実績報告で活動費の残り最大60万円が精算されます。事業者側は一時的に立て替えが生じる仕組みです。

福島県内のほかの自治体との比較は福島県内の協力隊の待遇を比べるにまとめています。

年間350万円は国が示す上限額と同じ額

年間350万円という数字は、村が独自に決めた思いつきの額ではありません。総務省の地域おこし協力隊推進要綱は、隊員1人あたりの活動に要する経費について550万円を上限とし、そのうち報償費等は350万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費は200万円を上限として、自治体に特別交付税措置を講じるとしています。

飯舘村の350万円と最大200万円は、この350万円と200万円という国の上限枠にちょうど重なっています。言い換えると、飯舘村は国が用意した枠を上限いっぱいまで使っている、ということです。多くの自治体が上限より低い額で募集しているため、結果として県内でも高い水準になります。

同じ要綱には例外もあり、特に専門性の高いスキルを持つ人材については報償費等の上限が450万円、交通条件などが著しく悪い地域で活動する隊員については400万円とされています。ただしいずれの場合も、1人あたり550万円という総額の上限は変わりません。報酬の考え方そのものは協力隊の給与はどう決まるのかで整理しています。

個人事業主なら社会保険は自己負担になる

フリーミッション型の募集要項には、待遇・福利厚生の項目に次のように書かれています。

  • 雇用保険には加入しません。
  • 国民健康保険、国民年金保険等は各自で加入してください。

これは年間350万円という額を評価するうえで、必ず差し引いて考えるべき条件です。会社員なら健康保険料と厚生年金保険料の半分は勤め先が負担し、退職後には失業給付もありますが、個人事業主として委託契約を結ぶ場合、その負担と保障は自分の側に移ります。確定申告も自分で行うことになります。

副業については、村の許可があれば可能とされています。行う場合は事前に村へ相談すること、応募の時点ですでに副業がある場合は履歴書などに明記することが求められています。

一方、企業雇用型は受託事業者に雇用される従業員なので、社会保険の扱いは事業者の制度に準じます。同じ「飯舘村の地域おこし協力隊」でも、ここが正反対になります。

住居・自動車・引越にかかる自己負担

項目フリーミッション型企業雇用型
住居各自で手配。活動経費を家賃に充てられる活動費の対象に住居の借上費等が含まれる
自動車自家用車またはカーリース等で各自が用意。活動経費を自動車リース料に充てられる事業者の待遇に準じるため個別確認
社会保険雇用保険なし、国民健康保険・国民年金は各自加入受託事業者の社員等に準じる
引越費用募集要項に記載なし募集要項に記載なし

住居について、フリーミッション型の募集要項は「住居は各自で手配してください」とはっきり書いています。空き家・空き地バンクの登録物件や村営住宅への入居を希望する場合は担当部署が案内しますが、満室の場合などは対応できないことがあるとも書かれています。村が住まいを用意してくれる制度ではない、という前提で動く必要があります。

そのうえで、家賃は年間最大200万円の活動経費から支出できます。活動経費の対象として挙げられているのは、家賃、自動車リース料、研修等の参加費や旅費、事務用品購入費、空き家改修費などです。ただし支出には事前に村との協議が必要で、活動に不必要な移動の燃料費、高級車の借上費やグリーン車利用料、活動に対して過剰な性能の高額機材購入費、空き家改修等を伴わない家具の購入費などは対象外と明記されています。家賃も車代も活動経費という同じ200万円の枠を取り合うため、住居費が高いほど、活動そのものに使える金額は減ります。

引越費用については、募集要項に負担の定めが見当たりませんでした。面接に必要な交通費等は応募者の負担と明記されています。実際にいくら自己負担になるかは、応募前に村づくり推進課へ確認してください。

隊員が実際に取り組んでいる分野

飯舘村の移住・定住ポータルサイトには、隊員一人ひとりの記事が11本並んでいます。活動期間が令和2年から令和5年、令和4年から令和7年1月までと記された記事も含まれているので、11本すべてが現役隊員というわけではありませんが、この村でどんな仕事が協力隊として成り立っているかを具体的に読み取れます。

記事から見える分野は次のようなものです。

  • 村のご当地ラーメンづくりを目指す活動
  • 看護(企業雇用型として村内の医療の現場で働く)
  • 心のケアの支援
  • 村の食材を使った菓子製造と工房・店舗の立ち上げ
  • 古民家を生かしたカフェの運営
  • 村の特産を素材にした作品づくりを生業にする活動
  • 村の魅力を伝える発信や、地域と人をつなぐ活動

フリーミッション型は「村内で飲食店や小売店等を開業する」ことが活動の軸に据えられています。募集要項では、最初の1年間は村内事業者や生産者の手伝い支援などを通して村で起業するためのマーケティングを行い、必要に応じて研修会や村の行事に参加・協力すること、2年目以降は1年目の活動を続けながら実際に起業に取り組むことが求められています。開業の意思がないまま応募する型ではありません。

企業雇用型で村が認める活動としては、村の情報発信や知名度向上、交流人口の拡大に関する活動、村内での就農・起業や村産品の生産・販売の促進、移住・定住の促進、地域コミュニティ活動の支援、大学や企業等との協力・交流などが挙げられています。

任期後の支援

任期は最長3年です。その後どうなるかは、型によって道筋が違います。

企業雇用型は、受託事業者の要件として「協力隊の任期(3年)満了後も継続して雇用できること」が定められています。村の案内にも、3年の任期を終えた隊員を継続して雇用することが可能だと書かれています。任期後の働き先が制度の側にあらかじめ組み込まれている形です。

フリーミッション型は、任期終了後も村に定住する意思のある方が応募対象とされ、活動そのものが村内での開業に向けられています。募集要項では、活動期間中または活動期間終了後に村内で飲食店や小売店等を開業することが期待されています。

国の側の支援としては、総務省の推進要綱に次の措置が定められています。

  • 任期2年目から任期終了後3年以内に、活動地と同じ市町村内で起業する者または事業を引き継ぐ者の起業・事業承継に要する経費について、1人あたり100万円を上限とする特別交付税措置。起業で1人以上の新規雇用を行った場合などは200万円を上限
  • 任期を終えた者が同じ市町村内に定住する際、住居とするための空き家の改修に要する経費も特別交付税措置の対象(措置率0.5)。

これらは国が自治体に対して行う財政措置であり、隊員へ自動的に現金が振り込まれる制度ではありません。飯舘村でどのような形で使えるのかは、村づくり推進課へ直接確認してください。

応募から着任までの流れと条件

フリーミッション型の募集要項に書かれている流れは次のとおりです。

  1. 村ホームページから申込書をダウンロードして記入する。
  2. 申込書、現住所における住民票の写し、普通自動車運転免許証の写し(表・裏)、将来的な起業のイメージ等がわかる書類を、封筒に「地域おこし協力隊応募書類在中」と書いて村づくり推進課へ郵送する。提出書類は返却されません。
  3. 第一次選考は提出書類による選考で、結果は文書で通知されます。
  4. 第二次選考は第一次合格者を対象とした面接。日時は第一次の結果とあわせて通知されます。面接に必要な交通費等は応募者の負担です。
  5. 活動開始日は、村・関係機関・応募者の協議のうえで決定されます。

応募の条件としては、次のような項目が挙げられています。

  • 3大都市圏または地域都市等、条件不利地域に該当しない地域に住んでいて、活動開始日に飯舘村内へ転入できること
  • 地方公務員法第16条に規定する一般職の職員の欠格条項に該当しないこと
  • 自動車運転免許を持ち、自家用車またはカーリース等で活動用の自動車を用意できること
  • 概ね18歳以上40歳未満(応相談)
  • 行政区に加入し、集会・草刈り・除雪といった地域の活動に参加できること
  • 文書作成や表計算などのパソコン操作、インターネットや会員制交流サイトの知識があり活用できること
  • 任期終了後も村に定住する意思があること

企業雇用型は、隊員の募集・採用候補者の選定を受託事業者が行い、候補者が決まった段階で飯舘村と受託事業者による意見交換会が実施される仕組みです。受け入れは各企業2名までとされています。

募集の有無や条件は年度によって変わります。応募を検討するときは、必ず村の公式ページで最新の募集要項を確認してください。

村がこの制度に力を入れている理由

飯舘村が公表している受託事業者募集要項には、募集の目的として、原子力災害による若者世代の流出や急激に進展している少子高齢化が、地域経済の縮小や労働力不足、担い手不足による地域コミュニティの衰退といった課題の要因になっている、と書かれています。そのうえで、医療や福祉、子育て支援に加えて教育の充実などを総合的に進め、地域外の人材を積極的に受け入れていく方針が示されています。

村内の区域の状況や生活環境については、村の公式ホームページと国の公表資料で必ず最新のものを確認してください。

この記事は飯舘村公式ホームページおよび総務省の公表資料をもとに作成しています。募集の有無、報酬、活動経費、応募条件は変わることがあります。最新の情報は必ず飯舘村の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.飯舘村の地域おこし協力隊の報酬はいくらですか。

A.フリーミッション型は年間350万円の報酬費と、年間最大200万円の活動経費が支給されます。いずれも年額で、年度の途中で採用された場合は月割り支給になります。企業雇用型は、村から受託事業者へ報酬費350万円と活動費最大200万円が委託費として支払われる仕組みで、報酬費には給与のほか年金や社会保険料などの雇用にかかる経費を充当できるとされています。隊員本人が受け取る給与額は雇用契約で決まるため、事業者に確認してください。

Q.社会保険や住まいは自己負担になりますか。

A.フリーミッション型は個人事業主として村と委託契約を結ぶ形なので、雇用保険には加入せず、国民健康保険や国民年金は各自で加入します。住居も各自で手配する決まりです。空き家・空き地バンクの登録物件や村営住宅を希望する場合は担当部署が案内しますが、満室などで対応できないことがあります。家賃や自動車リース料は年間最大200万円の活動経費から支出できますが、事前に村との協議が必要です。企業雇用型は受託事業者の従業員となるため、待遇と福利厚生は事業者の社員等に準じます。

Q.任期が終わったあとの支援はありますか。

A.企業雇用型は、受託事業者の要件として3年の任期満了後も継続して雇用できることが定められています。フリーミッション型は村内での開業を前提とした活動が求められ、国の推進要綱では任期2年目から任期終了後3年以内に同じ市町村内で起業や事業承継をする場合の経費が1人あたり100万円(新規雇用を伴う場合などは200万円)を上限に特別交付税措置の対象とされています。これは国が自治体に行う財政措置なので、飯舘村での実際の扱いは村づくり推進課へ確認してください。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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