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楢葉町の地域おこし協力隊|受入事業者・報酬・昇給

6分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊楢葉町

福島県内で最も隊員が多い楢葉町の地域おこし協力隊についてまとめます。

福島県の浜通りにある楢葉町は、地域おこし協力隊の隊員数が福島県内でいちばん多い町です。人口が6千人台の町に19名が置かれ、しかも町が直接雇うのではなく受入事業者ごとに雇われるため、条件も受入先ごとに違います。楢葉町の公式情報をもとにまとめます。

県内で最も隊員が多い町

福島県が公表している「地域おこし協力隊の設置状況」(令和8年4月1日現在)によると、福島県内では県と43市町村に合わせて260名の隊員が置かれています。このうち楢葉町は19名で、県内の市町村としては最も多い人数です。次に多いのが田村市の16名、その次が玉川村・西会津町・飯舘村の13名なので、人口規模を考えると楢葉町の19名は際立っています。

県の資料が示す楢葉町の活動分野は「地域創生、デジタル支援、6次化等の商品開発等」で、分野の幅も広くとられています。

制度そのものの成り立ちは地域おこし協力隊とはどんな制度かにまとめています。福島県内のほかの市町村と見比べたい場合は福島県の地域おこし協力隊 待遇比較を参照してください。

避難指示は平成27年に解除されている

楢葉町は原子力発電所の事故で避難指示が出された町ですが、避難指示は平成27年9月5日に解除されました。町は解除後の町内帰還世帯・人数を月ごとに公表しています。

移住を検討するときは、まとめサイトに残った古い記述ではなく、町が公表している最新の数字を見てください。

町が雇うのではなく、受入事業者が雇う

楢葉町の協力隊で最初に押さえるべきは、雇う相手が町ではないことです。町が公開している求人票・募集要項には、いずれも次の趣旨が書かれています。

  • 楢葉町地域おこし協力隊設置要綱にもとづき、町長が委嘱する
  • ただし楢葉町との雇用関係はない
  • 実際の雇用は、受入事業者との契約社員・契約職員としての契約になる

つまり月給も休日も住居補助も、委嘱する町ではなく受入事業者が決めます。同じ「楢葉町の地域おこし協力隊」でも、どこに入るかで働き方が変わるということです。

なお楢葉町には、この「雇用型」のほかに、自分で事業を提案して町が業務委託する「提案型」の枠組みもありました。提案型は町との業務委託契約で、健康保険や年金は自分で加入する形です。ただし町が公開している提案型の募集要項は令和4年度のもので、同じ条件が今も続いているとは限りません。提案型を考える場合は必ず政策企画課に直接確認してください。

受入事業者ごとの条件をならべる

町が公開した求人票・募集要項に載っている条件です。募集の回ごとに内容は変わるため、公開時期もあわせて示します。

受入事業者報酬雇用形態と勤務休日
株式会社福島インカネイト(令和8年6月公開)月給223,400円。大学新卒程度の場合の例で、1か月あたり30時間分の固定残業代を含む契約社員。9時から18時(休憩1時間)のあいだのシフト制で週30時間勤務週休2日制。年間休日124日(令和6年)。夏季休暇・年末年始休暇あり
認定特定非営利活動法人底上げ(令和7年2月公開)月給200,000円。時間外勤務手当の支給あり契約職員。9時から18時(休憩1時間)のあいだのシフト制で週30時間勤務週休3日制。月に2、3回程度、土日祝の勤務あり

受入事業者そのものの性格も違います。株式会社福島インカネイトは、楢葉町と株式会社ピーエイの合弁会社として令和6年7月に設立されたまちづくり会社で、公表された業務は観光の企画立案とイベント運営でした。認定特定非営利活動法人底上げは東日本大震災をきっかけに宮城県気仙沼市で立ち上がった団体で、楢葉町では令和4年度から子どもの遊び場「ならはこどものあそびば」を運営しています。

活動が週30時間で、9時から18時のあいだのシフト制という点は共通しています。違うのは休日の数と報酬、そして仕事の中身です。

年次昇給を公表している受入先がある

協力隊の募集で、任期3年ぶんの昇給額まで先に示している例は多くありません。楢葉町では株式会社福島インカネイトの求人票が、基本給の年次推移をはっきり書いています。

年次基本給
1年目223,400円
2年目229,900円
3年目236,700円

3年間で13,300円上がる計算です。額の大小より、任期のあいだ据え置きではないと文書で示されていることが重要です。報酬の考え方そのものは地域おこし協力隊の給料と報償費にまとめています。

なおこの月給には1か月あたり30時間相当の固定残業代が含まれ、30時間を超えた分は追加で支給されると求人票に書かれています。額面だけでなく、この内訳まで読んでから比べてください。

住まい・車・引越費用

移住してからの手取りに効くのは、住居と車の扱いです。ここも受入事業者で差があります。

項目株式会社福島インカネイト認定特定非営利活動法人底上げ
住居家賃補助あり。月4万円まで住居費を月20,000円を上限に補助
自動車の借上料は上限月3万円。活動にともなうガソリン代は実費支給(上限あり)活動に使う車両とパソコンを法人が貸与。業務以外で車を使うときのガソリン代は自己負担
社会保険社会保険完備社会保険と雇用保険に加入
引越費用求人票に記載なし引越しに必要な経費は自己負担

引越費用については、認定特定非営利活動法人底上げの募集要項に自己負担と明記されています。株式会社福島インカネイトの求人票には引越費用の項目そのものがないため、負担の有無は応募時に確かめる必要があります。選考の途中でかかる交通費・宿泊費も、認定特定非営利活動法人底上げの募集要項では自己負担(楢葉町での現地選考は一部補助の予定)とされています。

普通自動車運転免許は、どちらの募集でも取得済みか活動開始日までに取得予定であることが条件です。町内の移動は車が基本になります。

住民票を移さずに試せるインターン

楢葉町には、協力隊として着任する前に短期間だけ活動を体験する「地域おこし協力隊インターン」の枠があります。これが楢葉町のもうひとつの特徴です。

  • 任用期間は2週間以上3か月以内(相談のうえ決定)
  • 報酬は日額12,000円程度。活動がない日の報酬はない
  • 楢葉町および受入団体との雇用関係はなく、インターンとして委嘱される。社会保険等はない
  • インターン期間中は、楢葉町に住民票を移す必要がない

協力隊本体は「生活の拠点を楢葉町に移し、住民票を移動できる方」が要件です。いきなりの移住に踏み切れない人にとって、住民票を動かさずに現地で働ける期間があるかどうかは大きな差になります。

これまでに町が公開したインターンの受入先には、一般社団法人ならはみらいによる町のシェアハウスの運営管理と地域交流の促進、認定特定非営利活動法人底上げによる子どもの遊び場の運営がありました。受入先によって拠点も仕事も変わります。

任期のあとに何が残るか

任期は委嘱日から最長3年です。初年度は年度末までで、その後は町と本人の協議のうえ1年を超えない範囲で更新される形が公表されています。

任期後の受け皿も、受入事業者ごとに書き方が違います。

  • 株式会社福島インカネイト … 協力隊の任期終了後に正社員登用制度あり(双方が合意した場合のみ)
  • 認定特定非営利活動法人底上げ … 任期のあいだに実績を残し、互いに継続の意思があれば引き続き所属できるよう調整する。楢葉町で新規事業の立ち上げを目指す場合は、その実現に向けて支援する

副業の扱いも違います。認定特定非営利活動法人底上げの募集要項には副業が可能(事前に相談)と書かれています。株式会社福島インカネイトの求人票には副業の記載がないため、応募時の確認事項になります。

応募から着任までの流れ

流れも受入事業者で異なります。公表されている手順は次のとおりです。

株式会社福島インカネイトの場合は、まず電話か応募先へ連絡して必要書類の説明を受け、書類選考(必要に応じてオンライン面接)、面接審査と進み、面接から1、2週間後に最終の合否が通知されます。オンラインと対面の説明会、現地見学会も随時行われていると案内されています。

認定特定非営利活動法人底上げの場合は段階が多く、仮エントリー(入力フォーム)、オンラインでの説明と面談、本エントリー(応募用紙・活動目標・住民票の写し・運転免許証の写し)、書類による第1次選考、楢葉町での現地キャンプ、活動目標を伝えるプレゼンテーションと面接による最終選考、そして楢葉町との面談、という順に進みます。現地で確かめる工程が選考に組み込まれているのが特徴です。

インターンについては、選考の前に町の政策企画課へ電話か電子メールで問い合わせ、活動内容や支援体制の説明を受けられることが案内されています。

応募前に必ず確認すること

  • 応募しようとしている枠がどの受入事業者のものかを確かめる。町の募集ページは受入事業者ごとに別々に出ています
  • 報酬額は、固定残業代が含まれているかどうかまで読む
  • 住居補助・車の借上げ・引越費用・副業の可否は受入事業者ごとに違います。求人票に書かれていない項目は、書かれていないというだけで、あるともないとも決まりません。必ず問い合わせて確かめてください
  • 募集の内容や条件は回ごとに変わります。古い年度の募集要項が残っている場合があるので、資料の日付を必ず見てください

問い合わせ先は楢葉町役場 政策企画課(電話 0240-23-6103)です。

この記事は楢葉町公式ホームページおよび福島県公式ホームページの情報をもとに作成しています。報酬・休日・住居補助などの条件は受入事業者ごとに異なり、募集の回ごとにも変わります。最新の情報は必ず楢葉町の公式ホームページで確認してください。

よくある質問

Q.楢葉町の地域おこし協力隊は、町の職員として採用されるのですか。

A.いいえ。楢葉町地域おこし協力隊設置要綱にもとづいて町長が委嘱しますが、楢葉町との雇用関係はありません。公表されている募集では、受入事業者の契約社員または契約職員として働く形になっています。

Q.受入事業者によって条件は違いますか。

A.違います。町が公開した求人票・募集要項では、月給・休日・住居補助の額がいずれも受入事業者ごとに異なっていました。週休2日制の受入先と週休3日制の受入先があり、引越費用の扱いも同じではありません。応募前に、その受入事業者の求人票・募集要項を必ず読んでください。

Q.住民票を移さずに試すことはできますか。

A.地域おこし協力隊インターンであれば、期間中に楢葉町へ住民票を移す必要はないと町が案内しています。ただし協力隊として着任する場合は、生活の拠点を楢葉町に移し住民票を移動できることが応募要件です。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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