二拠点生活とは|国が法律を作った理由と、かかるお金

二拠点生活(二地域居住)について、国土交通省の定義と令和6年に施行された法律、家が2つあることで増える費用、始める前に決めておくことを公表資料から整理します。
二拠点生活は、国が法律を作って後押ししている暮らし方です。令和6年11月1日に改正法が施行され、自治体が支援する仕組みができました。国土交通省の公表資料から整理します。
国の定義は「もう1つ拠点を設ける」こと
国土交通省は二地域居住を次のように説明しています。
主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点(ホテル等も含む。)を設ける暮らし方
この定義には注目すべき点が2つあります。
ホテルも拠点に含まれます。 家を借りたり買ったりしなくても、繰り返し同じ地域に滞在していれば当てはまります。
3拠点以上も含みます。 国は「三拠点以上の居住形態となるものも含め」て二地域居住等という言い方をしています。
「二拠点生活」と「二地域居住」は同じものを指します。 一般には二拠点生活、行政の文書では二地域居住という語が使われます。
令和6年に法律が変わった
広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律が、令和6年5月22日に公布され、令和6年11月1日から施行されました。
国土交通省が挙げている主な仕組みは次のとおりです。
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 特定居住支援法人制度 | 地域と二地域居住者の橋渡しを担う中間支援組織を指定する |
| 官民連携プラットフォーム | 全国二地域居住等促進協議会を改組し、令和6年10月29日に設立 |
| 事業支援 | 先導的な取組への実証調査、プロジェクト実装事業 |
国が整備を進めるとしているのは住まい・なりわい・地域住民との交流のための環境です。
法律ができたということは、自治体が予算を使いやすくなったということです。 空き家の活用、交通、シェアオフィスの整備といった動きが各地で出ています。
応募や相談の窓口は自治体にあります。 制度の枠組みは国が決めますが、実際に何をやるかは自治体ごとに違います。移住支援金と同じ構造で、詳しくは移住支援金とはにまとめました。
増えるのは家賃だけではない
二拠点生活で見落とされやすいのが、家を2つ持つと固定費が二重になるという点です。
| 項目 | 二重になるか |
|---|---|
| 家賃または住宅ローン | 二重になる |
| 電気・ガス・水道の基本料金 | 二重になる(使わない月も出ていく) |
| 通信費 | 契約の仕方による |
| 火災保険 | 二重になる |
| 移動費 | 新たに発生する(往復の回数だけ増える) |
| 車の維持費 | 拠点ごとに要る場合がある |
基本料金は使わなくてもかかります。 月に数日しか行かない拠点でも、電気とガスと水道の基本料金は毎月引き落とされます。
冬の光熱費には地域差があります。 総務省の消費者物価地域差指数(2024年結果)では、光熱・水道が最も高いのは北海道の119.6で、全国平均を約2割上回ります。寒い地域に拠点を持つなら、行かない月も暖房の最低限は要ることがあります。 水道管の凍結を防ぐためです。
出費の見積もりについては移住して見積もりが狂うところにまとめました。
持ち物を2か所に分ける
二拠点生活で実務的に効いてくるのが、何をどちらに置くかという問題です。
毎回運ぶものが多いほど、移動が重くなります。 往復のたびに大きな荷物を持つことになると、行く回数そのものが減ります。
とくに服はかさばります。 両方に一式そろえれば運ばずに済みますが、そのぶん服の総量は増えます。片方に寄せれば運ぶ手間が残ります。
考え方は2つに分かれます。
両方に置く。 日常着と部屋着を各拠点にそろえ、手ぶらで行き来する。服は増えるが移動は軽い。
片方に寄せる。 主な拠点に集約し、行くときに持っていく。服は増えないが毎回の荷造りが要る。
どちらを選ぶにしても、まず総量を決めるのが先です。 服の減らし方は服が捨てられないときの決め方(外部サイト)に、季節ものの入れ替えは衣替えをやりたくない(外部サイト)に、置き場の作り方は服の収納がめんどくさい(外部サイト)にまとまっています。
季節ものは片方に置いたままになりがちです。 冬に行かない拠点に厚手のコートを置いておくと、翌年に傷んでいることがあります。長期の保管には手当てが要ります(コートの保管方法(外部サイト))。
始める前に決めておくこと
- 住民票をどちらに置くか。1人につき1つが原則です(二拠点生活の住民票)
- 年に何回行くか。回数が決まらないと移動費が見積もれません
- 基本料金の合計を出す。行かない月にも出ていく額です
- 持ち物を分ける方針を決める。両方に置くか、寄せるか
- 自治体の支援を調べる。空き家バンクや補助金がある地域があります
- 仕事の形を確かめる。テレワークの可否は勤務先の規定によります
関わり方の選択肢は関係人口とはに、国の制度の全体像は地域活性化とはにまとめています。
本記事の内容は国土交通省と総務省が公表している資料によります。制度は改定されるため、最新の内容は各公式ページで確かめてください。
よくある質問
Q.二拠点生活と二地域居住は違うのですか。
A.同じものを指します。一般には二拠点生活、行政の文書では二地域居住という語が使われます。国土交通省は3拠点以上の形も含めて「二地域居住等」と呼んでいます。
Q.国の定義を教えてください。
A.国土交通省は「主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点(ホテル等も含む。)を設ける暮らし方」と説明しています。家を借りたり買ったりしなくても、繰り返し同じ地域に滞在していれば当てはまります。
Q.どんな法律ができたのですか。
A.「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律」が令和6年5月22日に公布され、令和6年11月1日から施行されました。地域と二地域居住者の橋渡しを担う特定居住支援法人制度などが設けられています。
Q.費用はどれくらい増えますか。
A.家賃または住宅ローン、電気・ガス・水道の基本料金、火災保険が二重になり、移動費が新たに発生します。基本料金は使わない月も引き落とされる点に注意してください。
Q.寒い地域に拠点を持つと何が変わりますか。
A.総務省の消費者物価地域差指数では光熱・水道が最も高いのは北海道の119.6で、全国平均を約2割上回ります。行かない月でも水道管の凍結を防ぐため暖房の最低限が要ることがあります。
Q.服はどう分ければよいですか。
A.両方に一式そろえて手ぶらで行き来するか、主な拠点に寄せて行くときに持っていくかの2つです。前者は服が増え、後者は毎回の荷造りが残ります。どちらにしてもまず総量を決めるのが先になります。
Q.相談はどこにすればよいですか。
A.制度の枠組みは国が決めていますが、実際に何をやるかは自治体ごとに違います。関心のある地域の自治体に直接問い合わせてください。
参考にした公式ページ
- 地方振興:二地域居住の推進|国土交通省
- 二地域居住等の促進に向けた広域的地域活性化法の改正(参議院 立法と調査)
- 消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果(総務省統計局)
- 関係人口・ふるさと住民|総務省
- 地方創生|内閣官房・内閣府
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。





