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移住して見積もりが狂うところ|光熱費・車・服の3つ

4分で読めます執筆: TownHub編集部
移住と二拠点生活の違いを比べた表の図。暮らし方、働き方、お金の面、利用できる制度、向いている人の5つの観点で並べ、移住は生活の拠点を移して働き方を変えることが多く、コストを抑えやすく支援制度が充実していること、二拠点生活は2つの拠点を行き来して今の仕事を続けやすい一方、費用が二重になることがあり制度は限定的であることを対比している。選び方のポイントとして、人生の優先順位を考える、お金と時間のバランスを確認、まずは小さく始めてみる、の3つを添えている

地方へ移住したときに見落としやすい出費を、総務省の物価統計から整理します。光熱費が全国でどれだけ違うか、車が要るか、服にいくらかかるのかをまとめます。

地方へ移住すると、家賃は下がるのに生活費が思ったより下がらないということが起きます。原因のほとんどは光熱費・車・服の3つです。総務省の統計から、どれくらい違うのかを整理します。

家賃が下がっても総額は下がらない

移住の見積もりでは、家賃の差に目が行きます。都市の家賃と地方の家賃を比べれば、確かに大きく下がります。

問題は、下がった分を別の項目が食うことです。

総務省の消費者物価地域差指数(2024年結果)は、都道府県ごとの物価を全国平均を100として示しています。項目ごとに見ると、地方が高い費目があります。

とくに差が出るのが光熱・水道です。

光熱費は北海道が全国1位

総務省の消費者物価地域差指数(2024年結果)で、光熱・水道が最も高いのは北海道の119.6でした。全国平均を約2割上回ります。

なぜ高くなるのか。

暖房の期間が長くなります。 北海道の場合、暖房を使う時期は10月から翌年3月ごろまで続きます。

気温が低いほど燃料を使います。 陸別町のように早朝にマイナス30度を下回る地域もあります。

建物を通して熱が逃げます。 断熱の性能が低い古い家では、同じ暖房でも費用が変わります。

移住してから驚く費目の代表です。 家賃が月3万円下がっても、冬の光熱費が月3万円上がれば差し引きゼロになります。

自治体によっては手当があります。 地域おこし協力隊では、占冠村が冬季暖房手当を、滝上町が10月から3月の暖房用燃料費補助(月額10,000円)を出しています。中頓別町は寒冷地手当を挙げています。募集要項で確かめる価値があります。

車が要るかどうかで数万円変わる

地方では車が生活の前提になる地域が多くあります。

項目目安
車両本体中古でも数十万円から
自動車税排気量による
任意保険年額数万円から
車検2年ごと
燃料代走る距離による
タイヤ冬用タイヤが別に要る

冬用タイヤは寒冷地では必須です。 夏用と冬用の2組を持ち、季節ごとに履き替えることになります。保管の場所も要ります。

世帯で2台要る地域もあります。 公共交通が細く、夫婦それぞれが通勤する場合です。

協力隊の枠では車の扱いが分かれます。 業務用の車両と燃料を用意する自治体(芽室町)、車両使用料を月額15,000円支給する自治体(共和町)、自家用車の借り上げ料を月額15,000円出す自治体(芦別市)、自分で用意することを条件にする自治体(島牧村)があります。

服にかかるお金は減らない

3つ目が服です。移住すると服の出費は減りそうに思えますが、実際には項目が入れ替わるだけのことがあります。

寒冷地では防寒具が要ります。 手持ちの上着では足りず、買い足すことになります。移住した年の冬に集中して出ていきます。

クリーニングの選択肢が減ります。 地方では店の数が限られ、営業日も都市部とは違います。近くに店がなければ、宅配を使うか自分で洗うかになります。 宅配には向き不向きがあり(宅配クリーニングのデメリットと向いていない人(外部サイト))、自分で洗う線引きも整理しておくと迷いません(クリーニング代が高いと感じたら(外部サイト))。

地域の行事に呼ばれる回数が増えます。 都市部より人の距離が近いぶん、集まりや冠婚葬祭に声がかかります。急に必要になったときにどうするかは、先に知っておくほうが落ち着きます冠婚葬祭の服を持ってない(外部サイト))。喪服を買うか借りるかは回数で決まります(喪服はレンタルと買うのどっちが得か(外部サイト))。

逆に減る費目もあります。 通勤で人に会う機会が減れば、スーツの手入れの頻度は下がります(スーツのクリーニング頻度(外部サイト))。協力隊のように服装の自由な仕事に就けば、この項目はほぼ消えます。

引っ越しの前に総量を決めておくと、荷造りが軽くなります。 服は体積を食うので、運ぶ量がそのまま引っ越し費用に効きます(服が捨てられないときの決め方(外部サイト))。

見積もりの作り方

数字を並べるときは、1年分で作ってください。

月額で比べると冬が抜けます。 光熱費も冬用タイヤも、特定の季節に集中します。

移住した年だけの出費を分ける。 引っ越し費用、防寒具、車の購入は初年度に固まります。2年目以降の姿とは違います。

支援金と手当を足す。 移住支援金は世帯100万円・単身60万円が上限で、実際の額は市町村が決めます。協力隊なら住宅手当や燃料費の補助がある自治体もあります。

移住支援金の対象になるかは条件があります。 詳しくは移住支援金の対象になる人にまとめました。

まとめ

  1. 家賃が下がっても総額は下がらないことがあります
  2. 光熱・水道は北海道が119.6で全国1位。全国平均を約2割上回ります
  3. 車は本体・保険・車検・燃料・冬用タイヤまで見込んでください
  4. 服は減るのではなく項目が入れ替わります。防寒具が増え、手入れの場所が変わります
  5. 見積もりは1年分で作る。冬に集中する費目があります
  6. 初年度だけの出費を分ける。2年目以降とは姿が違います

制度の全体像は地域活性化とはに、二拠点生活の費用は二拠点生活とはにまとめています。

本記事の内容は総務省が公表している統計と、各自治体が公表している募集要項によります。数字は調査の時点のもので、最新の内容は各公式ページで確かめてください。

よくある質問

Q.地方へ移住すると生活費は下がりますか。

A.家賃は下がりますが、総額が同じだけ下がるとは限りません。光熱費・車・服の3つが、下がった分を食うことがあります。

Q.光熱費はどれくらい違いますか。

A.総務省の消費者物価地域差指数(2024年結果)で光熱・水道が最も高いのは北海道の119.6で、全国平均を約2割上回ります。暖房の期間が長く、気温が低いほど燃料を使うためです。

Q.光熱費の手当がある自治体はありますか。

A.地域おこし協力隊では、占冠村が冬季暖房手当を、滝上町が10月から3月の暖房用燃料費補助(月額10,000円)を出しています。中頓別町は寒冷地手当を挙げています。募集要項で確かめてください。

Q.車は必ず要りますか。

A.地域によります。公共交通が細い地域では生活の前提になり、世帯で2台要ることもあります。寒冷地では夏用と冬用のタイヤを2組持ち、季節ごとに履き替えることになります。

Q.服の出費は減りますか。

A.減るというより項目が入れ替わります。寒冷地では防寒具が要り、クリーニングの選択肢が減り、地域の行事に呼ばれる回数が増えます。一方で通勤でスーツを着る機会が減れば、その手入れの費用は下がります。

Q.見積もりはどう作ればよいですか。

A.1年分で作ってください。月額で比べると冬に集中する費目が抜けます。引っ越し費用、防寒具、車の購入といった初年度だけの出費は分けて考えてください。

Q.支援金はいくらもらえますか。

A.移住支援金は世帯100万円・単身60万円が上限で、実際の額は市町村が決めます。対象になるかどうかにも条件があります。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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