沖縄の島の移住を比べる|5年で増えた島と、3割減った島

沖縄の島ごとの移住条件を、令和7年国勢調査速報の人口増減で並べて比べます。増えたのは石垣島と竹富町だけで、渡名喜村は32.4%減りました。
「沖縄の島に移住したい」と考えたとき、候補は宮古島と石垣島だけではありません。沖縄県には人が住む島が数多くあり、島だけで構成される市町村が15あります。同じ「沖縄の島」でも、人口の増減も、支援制度の有無も、住まいの探し方もまったく違います。令和7年国勢調査の速報(沖縄県が令和8年5月29日公表)を軸に、1枚で見渡せるようにまとめます。
増えたのは2つだけ、減ったのは13
沖縄県内で島だけからなる市町村15について、令和2年から令和7年までの5年間の人口と世帯数の増減は次のとおりです。
| 市町村 | 人口(令和7年) | 人口増減率 | 世帯数 | 世帯増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 竹富町 | 3,963人 | +0.5% | 2,317世帯 | +10.7% |
| 石垣市 | 47,735人 | +0.2% | 23,734世帯 | +7.7% |
| 宮古島市 | 52,012人 | △1.7% | 25,737世帯 | +6.2% |
| 北大東村 | 560人 | △5.1% | 345世帯 | +5.8% |
| 伊平屋村 | 1,050人 | △6.7% | 505世帯 | △2.5% |
| 座間味村 | 830人 | △7.0% | 477世帯 | △4.8% |
| 南大東村 | 1,172人 | △8.8% | 676世帯 | △0.6% |
| 伊江村 | 3,727人 | △9.5% | 1,813世帯 | △4.6% |
| 与那国町 | 1,510人 | △9.9% | 755世帯 | △0.7% |
| 粟国村 | 612人 | △10.4% | 364世帯 | △3.7% |
| 久米島町 | 6,417人 | △10.8% | 3,134世帯 | △6.1% |
| 多良間村 | 938人 | △11.3% | 479世帯 | +2.8% |
| 渡嘉敷村 | 621人 | △13.5% | 383世帯 | △1.5% |
| 伊是名村 | 1,130人 | △14.5% | 626世帯 | △1.7% |
| 渡名喜村 | 234人 | △32.4% | 150世帯 | △33.0% |
5年で人口が増えたのは竹富町と石垣市の2つだけです。残る13の市町村はすべて減りました。最も減ったのは渡名喜村で32.4%、沖縄県内41市町村で減少率1位でした。人口234人、世帯150という規模になっています。
沖縄県全体の人口は1,468,220人で、5年間で740人(0.1%)の増加でした。県としてはほぼ横ばいですが、その中身は本島の一部が増え、島が減るという形です。
もう一つ読み取れることがあります。竹富町は人口が横ばいなのに世帯数が10.7%増えています。宮古島市も人口は1.7%減ったのに世帯は6.2%増えました。単身世帯が増えているということで、必要な住戸の数は人口の増減とは別に増え続けています。どの島でも住まいが最大の壁になる理由がここにあります。
移住支援金が使える島は2つ、実質は1つ
東京圏から移住した人に最大100万円が支給される移住支援金は、沖縄県では41市町村のうち5市町村でしか実施されていません。令和8年度は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村です(令和8年4月1日時点)。国頭村・東村・本部町は沖縄本島にあるため、島の市町村は石垣市と伊江村の2つだけになります。
しかも石垣市は市独自の要件を設けており、対象は「市内の小中高に在籍していた」かつ「過去に継続して1年以上、市に住民登録があった」石垣市出身者に限られます。事業名も「石垣市Uターン支援事業」です。
したがって、島外出身者が沖縄の島に移り住んで移住支援金を受け取れるのは、伊江島だけということになります。宮古島市も久米島町も竹富町も対象外です。
| 島 | 移住支援金 |
|---|---|
| 伊江島(伊江村) | 対象。島外出身者も可 |
| 石垣島(石垣市) | 対象。ただし石垣市出身者に限る |
| 宮古島・久米島・竹富町・与那国島・大東諸島ほか | 対象外 |
「沖縄の島に移住すると100万円もらえる」という説明を見かけたら、どの島の話かを確かめてください。伊江村の制度は支給要件に「行政区に加入していること」が入っているという特徴もあります。詳しくは伊江島に移住するにまとめました。
住まいの探し方は島ごとに違う
移住の実務で最も詰まるのが住まいです。自治体の対応は分かれています。
| 市町村 | 住まいの窓口 |
|---|---|
| 石垣市 | 石垣市空き家バンクを運営 |
| 久米島町 | 空き家・空き地バンクを運営(累計成約21件・令和8年6月末) |
| 竹富町 | 空き家等掲示板で情報発信。町内に不動産会社は無い |
| 宮古島市 | 市営の空き家バンクは無く、民間3法人を案内 |
久米島町の空き家バンクは実績を公表しており、令和2年度から令和8年6月末までの累計で登録24件・成約21件です。令和7年度は登録も成約もゼロでした。制度があることと、いつでも物件が出ていることは別だと分かります。
竹富町は公式サイトで「町内に不動産会社はありません」「賃貸物件もほぼ満室の状態で、町内は慢性的な住居不足です」「すぐに住居を見つけるのは難しいかもしれません」と明記しています。自治体がここまで書く例は多くありません。
宮古島市は市営の空き家バンクを持たず、建設部建築課がリノベーション、売買・賃貸、活用・相続の相談先として3つの法人を案内しています。
どの島でも共通するのは、住まいと仕事を同時に決めるという進め方です。寮のある求人を軸にすると解決しやすくなります。
仕事|求人倍率は高い、正社員は少ない
「島には仕事が無い」という前提は、数字の上では正確ではありません。
沖縄労働局が公表した令和8年6月の安定所別データでは、有効求人倍率(就業地別)はハローワーク宮古が2.70倍、ハローワーク八重山が2.40倍でした。同じ月の沖縄県全体は1.09倍(季節調整値)です。求職者1人あたりの求人数でいえば、離島のほうが多い状態です。
問題は条件です。沖縄県全体の正社員有効求人倍率は0.75倍(令和8年6月・原数値)で1倍を下回ります。石垣市が転出者に行った調査でも「仕事が少ない・収入が低い」を転出理由に挙げた人が19%いました。
規模の小さい島では、そもそも求人の絶対数が限られます。地域おこし協力隊が現実的な入口になるのはこのためです。総務省の資料では沖縄県の協力隊は19団体・89人で、うち島だけの自治体が8団体37人と全体の約42%を占めます。県内の受入状況は沖縄県の地域おこし協力隊にまとめています。
島を選ぶときに確かめること
以上をふまえると、確かめる順番は次のようになります。
- 人口がどちらに動いているか。竹富町・石垣市は増、他の13市町村は減
- 移住支援金の対象か。島外出身者が使えるのは伊江島だけ
- 住まいの窓口があるか。空き家バンクの有無と、実際に物件が出ているか
- 仕事の入口をどれにするか。就職、協力隊、持ち込みの3通り
- 本島や拠点の島まで何分か。竹富町なら石垣島まで10分から80分、伊江島なら本部港へ1日4便
- 生活費が上がることを織り込めるか。沖縄県の食料の物価指数は全国1位(106.7)
島ごとの詳しい条件は次にまとめています。
沖縄県全体の条件は沖縄移住の始め方にまとめています。
本記事の数字は、沖縄県・総務省・沖縄労働局・各市町村が公表している資料によります。時点を本文に記していますので、判断するときは最新の公表値で確かめてください。
よくある質問
Q.沖縄の島で人口が増えているのはどこですか。
A.令和7年国勢調査の速報では、島だけからなる15市町村のうち増えたのは竹富町(+0.5%)と石垣市(+0.2%)の2つだけです。残る13市町村は減少し、最も減ったのは渡名喜村で32.4%減でした。
Q.沖縄の島に移住すると100万円もらえますか。
A.島によります。移住支援金の令和8年度の実施市町村は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5つで、このうち島は石垣市と伊江村です。石垣市は対象を石垣市出身者に限っているため、島外出身者が受け取れるのは伊江島だけです。
Q.宮古島や久米島には移住支援金はありませんか。
A.ありません。宮古島市、久米島町、竹富町、与那国町、南大東村などはいずれも令和8年度の実施市町村に含まれていません。
Q.島で家はどうやって探しますか。
A.石垣市と久米島町は自治体の空き家バンクがあります。竹富町は空き家等掲示板で情報発信していますが、町内に不動産会社はありません。宮古島市は市営の空き家バンクを持たず、民間3法人を案内しています。寮のある求人を軸に探す方法が現実的です。
Q.島に仕事はありますか。
A.求人倍率だけを見れば県平均を上回ります。令和8年6月の有効求人倍率(就業地別)はハローワーク宮古が2.70倍、八重山が2.40倍で、沖縄県全体の1.09倍より高い水準です。ただし沖縄県全体の正社員有効求人倍率は0.75倍で、正社員の枠は限られます。
Q.小さい島に移住する方法はありますか。
A.地域おこし協力隊が現実的な入口です。総務省の資料では沖縄県の協力隊89人のうち、島だけの自治体が8団体37人と全体の約42%を占めます。任期は最長3年で、報酬と住居の支援があります。
Q.世帯数が増えている島があるのはなぜですか。
A.単身世帯が増えているためです。竹富町は人口がほぼ横ばい(+0.5%)なのに世帯数が10.7%増え、宮古島市は人口が1.7%減っても世帯数は6.2%増えました。必要な住戸の数は人口の増減とは別に増え続けています。
参考にした公式ページ
- 令和7年国勢調査速報(要計表による市町村別人口・世帯数)|沖縄県
- 推計人口|沖縄県公式ホームページ
- 【東京圏から移住をお考えの皆様へ】移住支援金制度のご案内|沖縄県
- 石垣市Uターン支援事業(移住支援金)について|石垣市
- 移住支援|伊江村公式ホームページ
- 空き家バンク実績報告(令和8年6月末時点)|久米島町
- 竹富町への移住・定住について|竹富町
- 空き家に関する各種ご相談について|宮古島市
- 労働市場の動き 令和8年6月(資料)|厚生労働省沖縄労働局
- 「労働市場の動き」令和8(2026)年6月|厚生労働省沖縄労働局
- 石垣市転出者アンケート調査報告書|石垣市
- 令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について(総務省)
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。





