由仁町の地域おこし協力隊|7人が任期を終え3人が起業した町
由仁町の地域おこし協力隊について、月額260,000円という報酬と住居費の上限50,000円、5つのテーマで各1名という募集、これまでの隊員の任期後をまとめます。
由仁町はこれまで7人の隊員が任期を終え、うち3人が町内で起業しています。数字を出している町は道内でも数少なく、受け入れの姿勢が読めます。報酬は月額260,000円です。町が公表している募集要領から整理します。
隊員1人、都会に近い田舎
総務省が令和8年4月24日に公表した資料によれば、由仁町の隊員数は1人でした。北海道の受入166市町村のなかで155位です。ただし町は5名(テーマごとに各1名)を募集しており、これから増える段階とみられます。
町は自らを次のように説明しています。
由仁町は、道都札幌市、空の玄関新千歳空港、海の玄関苫小牧港へのアクセスが便利な人口約4,500人の「都会に近い田舎」です。北海道空知管内の最南端に位置し、どこまでも見渡せる田園や、色分けされたじゅうたんを敷き詰めたような畑など、のどかな農村風景が広がります。
特産品はお米、原木しいたけ、いちご、切花などです。町は「やっぱり由仁のものがいい推進事業」を町全体で進めています。北海道全体の状況は北海道の地域おこし協力隊にまとめました。
7人のうち3人が起業した
町は募集要領に次のように書いています。
これまで7人の隊員が活動を終え(うち3人は町内で起業)、町職員・地域住民・地域の団体等とともに、移住定住促進や地域振興に向けた取り組みなどを行ってきました。
任期後の実績を数字で出している自治体は道内でも数少なくなります。 遠別町(修了者が地元企業や団体で活躍)、利尻町(任期終了後に定住した隊員もいる)、天塩町(定住率が高い)はいずれも文章での説明にとどまります。
7人中3人という割合は4割強です。 起業した人だけの数なので、就職して残った人を含めればさらに増える可能性があります。
町はサポート体制も明記しています。先輩協力隊員や担当課の職員によるサポート体制を構築して、活動や日常生活の中での困りごとなどについて、気軽に相談できる体制を整えていきますという書き方です。
起業したOBが町内にいるということは、相談できる先輩がいるということでもあります。
待遇
町が公表している条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 身分 | 由仁町会計年度任用職員として町長が任用 |
| 報酬 | 月額260,000円(毎月21日支給、支給日が休日の場合は前日) |
| 任期 | 最長3年間(令和10年3月末)まで延長 |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金・雇用保険等に加入 |
| 休日 | 原則週休2日、年末年始(土日、時間の変則勤務もあり) |
| 住居費 | 活動期間中、月50,000円を上限に交付 |
| 自家用車使用料 | 活動で使用の場合に支給 |
| 研修・起業の費用 | 自己研鑽に係る研修費用や起業に係る費用を交付(事前申請が必要) |
| 兼業 | 自主的な活動に必要と認められる場合は可能 |
月額260,000円は道内で上位の水準です。芦別市300,000円、赤平市295,600円、剣淵町290,000円、えりも町291,000円に続きます。
住居費の上限50,000円も高い部類で、ニセコ町85,000円、名寄市65,000円、江別市55,000円に次ぎます。契約の型ごとの比べ方は北海道の地域おこし協力隊 待遇比較にまとめました。
研修費用と起業費用を交付するという点は、7人中3人が起業したという実績と結びついています。制度として用意されているから起業が続いていると読めます。
5つのテーマ
町は5名をテーマごとに各1名募集しています。
- 地域の足(公共交通)の課題解決
- 地域プロモーション
- ダンスインストラクター(スポーツ推進員)
- 過疎地区の見守り・生活サポート
- 「由仁のもの」(地場農産物、特産品)の推進
ダンスインストラクターという枠は道内でも珍しい形です。東神楽町(部活動の地域移行・7競技9名)、美唄市(体幹、水泳、クライミング教室など2名)と並ぶ、技能をそのまま使う枠にあたります。
注意事項も率直に書かれています。
採用内示後の辞退が想定される方、概ね1年未満で退職を考えている方は、応募をご遠慮ください。辞退した場合、面接時に発生した経費を返還請求する場合があります。
地域おこし協力隊は、町の職員として地域で求められる地域協力活動を行う制度です。個人が希望する活動のみを行うものではありません。
ここまで書く自治体は道内でも数少なくなります。 期待と実態のずれを先に潰しておこうという姿勢です。
応募資格
主な条件は次のとおりです。
- 20歳以上(応募時現在)。性別は問いません
- 3大都市圏や都市地域に居住し、採用された場合は由仁町に居住し住民票を異動できること
- 活動終了後も当町に定住する意思があること
- 広報・ホームページ・交流サイトなどに顔写真や経歴などの公表が可能なこと
- 普通自動車運転免許を取得しているか、活動開始までに取得できること
- 基本的なパソコン操作やタブレット端末の操作ができること
- 地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しないこと
顔写真や経歴の公表を条件に挙げるのは道内でも珍しい書き方です。発信が業務に含まれるためとみられます。
応募の前に確かめること
- 月額260,000円と住居費50,000円を合わせて考える。道内では上位です
- テーマを選ぶ。5つのテーマで仕事がまったく違います
- 起業費用の交付条件を聞く。7人中3人が起業した背景です
- 顔写真の公表に抵抗がないか確かめる。応募条件に入っています
- 注意事項を読む。1年未満での退職を考える人は対象外です
- 札幌市・新千歳空港・苫小牧港への距離を活かす
北海道全体の受入状況は北海道の地域おこし協力隊に、同じ空知の岩見沢市は岩見沢市の地域おこし協力隊にまとめています。
本記事の内容は由仁町が公表している募集要領によります。年度ごとに改定されるため、応募のときは最新の募集要項で確かめてください。
よくある質問
Q.由仁町の地域おこし協力隊の報酬はいくらですか。
A.月額260,000円で、毎月21日に支給されます(支給日が休日の場合は前日)。加えて活動期間中の住居費が月50,000円を上限に交付され、活動で使う自家用車の使用料も支給されます。
Q.任期が終わった人はどうなっていますか。
A.町は募集要領に「これまで7人の隊員が活動を終え(うち3人は町内で起業)」と書いています。任期後の実績を数字で出している自治体は道内でも数少なくなります。
Q.起業の支援はありますか。
A.自己研鑽に係る研修費用や起業に係る費用が交付されます(事前申請が必要)。7人中3人が起業したという実績は、この制度と結びついていると読めます。
Q.どんなテーマがありますか。
A.5名をテーマごとに各1名募集しています。地域の足(公共交通)の課題解決、地域プロモーション、ダンスインストラクター(スポーツ推進員)、過疎地区の見守り・生活サポート、「由仁のもの」(地場農産物、特産品)の推進です。
Q.応募資格を教えてください。
A.20歳以上で性別は問いません。3大都市圏や都市地域に居住し採用後に住民票を異動できること、活動終了後も定住する意思があること、顔写真や経歴の公表が可能なこと、普通自動車運転免許を取得しているか活動開始までに取得できることなどです。
Q.注意事項があると聞きました。
A.町は「採用内示後の辞退が想定される方、概ね1年未満で退職を考えている方は、応募をご遠慮ください」「個人が希望する活動のみを行うものではありません」と明記しています。期待と実態のずれを先に潰しておこうという姿勢です。
Q.由仁町はどんな町ですか。
A.札幌市、新千歳空港、苫小牧港へのアクセスが便利な人口約4,500人の「都会に近い田舎」です。北海道空知管内の最南端に位置し、お米、原木しいたけ、いちご、切花などが特産品になります。
参考にした公式ページ
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