宮城県の移住支援|移住支援金の要件と、課税されるという事実
宮城県の移住支援金について、金額と要件、年齢制限や就業地の扱い、起業支援補助金、そして支援金が一時所得として課税される点までまとめます。
宮城県の移住支援金のページには、他県があまり書いていないことが書かれています。この支援金は課税対象です。 100万円を受け取っても、そのまま100万円が手元に残るわけではありません。宮城県の公式情報をもとに整理します。
支給額
宮城県の移住支援金は、東京圏から県内へ移住し、対象求人へ就業するなど一定の要件を満たす場合に、移住先の市町村が予算の範囲内において支給するものです。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 世帯移住 | 100万円 |
| 単身移住 | 60万円 |
| 18歳未満の世帯員 | おひとりにつき100万円 |
18歳未満の加算については、申請日が属する年度の4月1日時点において18歳未満の方が対象になります。
「市町村が予算の範囲内において」という書き方に注意してください。予算が尽きれば年度途中でも受け付けが終わります。 県は「申請予定の方は移住先市町村の移住支援金担当窓口にお早めにご確認ください」と案内しています。市町村移住支援金担当窓口の一覧も公開されています。
制度そのもののしくみは移住支援金とはにまとめています。
移住支援金は課税対象です
宮城県のページには、次のように明記されています。
「移住支援金は課税対象か。」「所得税法第34条に規定する一時所得に該当するため、課税対象となります。」
県は国税庁の資料(地方公共団体の地方創生起業支援事業及び地方創生移住支援事業に基づき支給される各支援金の課税関係について)へのリンクも張っています。
これは宮城県だけの扱いではなく、移住支援金という制度そのものの性質です。 ただし、6県の公式ページを見比べると、課税されることをはっきり書いている県は多くありません。
一時所得には特別控除額50万円があり、課税されるのはそれを超えた部分の2分の1にあたる金額です。とはいえ世帯100万円に子ども1人の加算100万円が乗れば200万円になりますから、無視できる額ではなくなります。他に一時所得(生命保険の一時金など)がある年なら、なおさらです。
「100万円もらえる」と読んで手取りを計算していると、翌年の申告で誤算が出ます。 金額が大きくなりそうなら、申請の前に税務署か税理士に相談しておくと確実です。
移住元の要件
東京23区に在住していた、または東京圏のうち条件不利地域以外に在住して東京23区内へ通勤していたことが基本です。
宮城県が細かく書いているのが通学期間の扱いです。
「直前の10年間で東京23区内の大学等に通学し、23区内の企業へ就職した方については、通学期間も上記対象期間に加算することが可能です(ただし、加算年数は修業年限を上限とし、23区外のキャンパス等に通う期間は加算対象外となります)。」
2つの制限があります。
- 加算できる年数は修業年限が上限 … 留年した期間は数えられません
- 23区外のキャンパスに通っていた期間は加算対象外 … 1、2年生を郊外のキャンパスで過ごし、3、4年生で23区内のキャンパスに移った場合、前半は数えられません
大学時代を根拠に期間を満たそうとしている場合、キャンパスの所在地まで確かめる必要があります。 都内の大学でも、1、2年生を神奈川県や埼玉県のキャンパスで過ごす例は珍しくありません。入学から卒業まで一律に4年を数えられるとは限らない、ということです。
誰が対象になるかは移住支援金の対象になる人にも整理しています。
よくある疑問への県の回答
宮城県のページは、判断に迷いやすい点について回答を公開しています。
年齢制限はあるか
「ありません。」 ただし移住先要件の「関係人口」に年齢制限が設定されている場合があるため、市町村への確認が必要です。移住支援金そのものには年齢の上限がないというのは、中高年で移住を考えている人には重要な情報です。
移住地と就業地の市町村が異なっても対象になるか
「対象となります。」 申請は移住先の市町村に行います。
住む場所と働く場所を別の市町村にしても構わない、ということです。仙台市の企業に勤めながら近隣の市町に住む、といった形も想定されています。移住先市町村と就業先市町村を一致させなければならないと思い込んで選択肢を狭める必要はありません。
移住先の要件と起業支援
移住先の要件は、対象求人への就業のほか、専門人材、テレワーク、関係人口、起業の類型が用意されています。
専門人材については、プロフェッショナル人材事業(宮城県プロフェッショナル人材戦略拠点を利用したもの)または内閣府が行う先導的人材マッチング事業により移住・就業された方が対象です。
起業では、県が「みやぎUIJターン起業支援補助金」を持っています。
- 東京圏から宮城県内に移住し、地域の課題に対して社会性・事業性・必要性・デジタル技術の活用の観点をもって取り組む社会的事業の起業を支援
- 対象経費に対して最大100万円を補助(補助率2分の1)
補助率が2分の1なので、100万円の補助を受けるには200万円の対象経費が必要になります。
県の中小企業支援室のページによれば、対象者は東京圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)から宮城県内にUIJターンにより移住し、社会的事業において起業する方です。補助額は年100万円を上限とします。
対象経費のうち人件費については、交付決定を受けた事業に直接従事する従業員に対して支払う給与・賃金に限られ、代表者や役員等の人件費は除かれます。自分の給与を補助でまかなうことはできない、ということです。
窓口は宮城県中小企業支援室(電話022-211-2745)です。県は募集開始のお知らせと補助事業の内容を公開しており、交付決定者の情報も掲載しています。
移住支援金と起業支援金の関係
移住先要件の「起業」の枠で移住支援金を受け取る場合、起業支援金の交付決定を受けていることが前提になります。つまり2つの制度は連動しています。
そして返還要件には「起業支援事業に係る交付決定を取り消された場合」が含まれています。起業支援金が取り消されれば、移住支援金も返さなければなりません。2つをセットで考えておく必要があります。
起業ではなく就職で移る場合は、この連動は関係ありません。対象求人への就業か、プロフェッショナル人材事業・先導的人材マッチング事業を利用した専門人材の枠になります。
返還が必要になる場合
県は主な返還要件として次を挙げています。
- 移住支援金の申請日から1年以内に対象企業を退職した場合(移住先要件が一般就業・専門人材の者に限る)
- 起業支援事業に係る交付決定を取り消された場合
このほかにも要件があります。1年以内の退職で返還になるという点は、就業の枠で受け取る人にとって重い縛りです。移り先の仕事が続けられるかを、支援金の額より先に考えてください。
予算の範囲内という前提
宮城県のページは、移住支援金を「移住先の市町村が予算の範囲内において」支給するものだと説明しています。この一文は制度の性格を表しています。
要件を満たしていても、市町村の予算が尽きていれば受け取れません。 県が「申請予定の方は移住先市町村の移住支援金担当窓口にお早めにご確認ください」と促しているのはこのためです。
年度の後半に転入する場合はとくに注意が必要です。移住の時期をある程度動かせるなら、年度替わりに近いタイミングのほうが枠が残っている可能性は高くなります。ただし枠の状況は市町村ごとに違うので、一般論で判断せず個別に確認してください。
県は市町村移住支援金担当窓口の一覧を公開しているので、候補が複数あるなら、それぞれに予算の状況を聞いておくとよいでしょう。
相談窓口
- 県の担当 … 宮城県 地域振興課 移住定住推進班(電話022-211-2454)
- 申請・個別の要件 … 移住先の市町村。県が市町村移住支援金担当窓口の一覧を公開しています
- 起業支援補助金 … 宮城県中小企業支援室(電話022-211-2745)
県は移住定住総合ポータルサイト「みやぎ移住・交流ガイド」を運営しており、移住定住ハンドブックも公開しています。「みやぎ移住・定住推進県民会議」という枠組みもあります。
当サイトでは宮城県の地域おこし協力隊についてもまとめています。移住支援金とは別の制度ですが、受入先が決まった状態で移り住む方法として選択肢になります。宮城県の地域おこし協力隊をご覧ください。東北6県を横に並べた東北6県の移住支援を比べるもあわせてどうぞ。金額は6県とも同じで、差が出るのは条件のほうです。
なお宮城県が公表している運用のうち、年齢制限がないことと移住地と就業地の市町村が異なっても対象になることの2点は、他県のページでは明示されていないことが多い情報です。中高年での移住や、仙台市の企業に勤めながら周辺の市町に住むといった形を考えている場合は、移住先の候補として検討する材料になります。ただし関係人口の枠には年齢制限が設定されている場合があるため、その枠を使うなら市町村への確認が必要です。
本記事は宮城県が公開している情報によるものです。要件と金額は年度ごとに改定されます。申請の前に、県と移住先市町村の最新の案内を確かめてください。
よくある質問
Q.宮城県の移住支援金は課税されますか。
A.されます。宮城県は「所得税法第34条に規定する一時所得に該当するため、課税対象となります」と明記しており、国税庁の資料へのリンクも張っています。一時所得には特別控除額50万円があり、それを超えた部分の2分の1が課税の対象になります。
Q.年齢制限はありますか。
A.移住支援金そのものにはありません。ただし移住先要件の「関係人口」に年齢制限が設定されている場合があるため、市町村への確認が必要です。
Q.住む市町村と働く市町村が違っても対象になりますか。
A.対象になります。申請は移住先の市町村に行います。
Q.大学の通学期間も要件の年数に数えられますか。
A.直前の10年間で東京23区内の大学等に通学し23区内の企業へ就職した場合は加算できます。ただし加算年数は修業年限が上限で、23区外のキャンパス等に通っていた期間は加算対象外です。
Q.起業する場合の支援はありますか。
A.みやぎUIJターン起業支援補助金があります。東京圏から宮城県内に移住し、社会性・事業性・必要性・デジタル技術の活用の観点をもって取り組む社会的事業の起業に対し、対象経費の最大100万円(補助率2分の1)を補助します。
Q.受け取ったあとに退職するとどうなりますか。
A.移住支援金の申請日から1年以内に対象企業を退職した場合(移住先要件が一般就業・専門人材の者に限る)は返還が必要です。
参考にした公式ページ
- 移住支援金|宮城県公式ウェブサイト
- みやぎ移住・交流ガイド|宮城県
- みやぎUIJターン起業支援事業について|宮城県中小企業支援室
- 別紙 地方公共団体の地方創生起業支援事業及び地方創生移住支援事業に基づき支給される各支援金の課税関係について|国税庁
- 移住支援金|内閣官房・内閣府 地方創生
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。