伊平屋村の地域おこし協力隊|報酬・住居・任期後の就業先
伊平屋村の地域おこし協力隊について、報酬と村営住宅の扱い、任期終了後の就業先として示されている漁協の話をまとめます。
伊平屋村の地域おこし協力隊は、任期が終わったあとの就職先が募集の時点で決まっています。応募条件に「任期終了後も伊平屋村に定住し、漁協職員として就業しようとする意欲を持つ方」と書かれているためです。村が公開している募集要項をもとにまとめます。
隊員数は4人
総務省が令和8年4月24日に公表した「令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」によると、伊平屋村の隊員数は4人です。沖縄県全体では19団体で89人が活動しており、村の中では国頭村(8人)、粟国村(5人)に次ぐ規模です。南城市、渡名喜村と並びます。
前年の令和6年度も4人で、人数は変わっていません。県全体が77人から89人へ増えた年に横ばいだったことになります。
伊平屋村は沖縄本島北部の本部半島の北西、沖縄県内で最も北に位置する有人島の村です。
受入先は漁業協同組合です
伊平屋村の募集で最も特徴的なのが、受入先が明確に決まっていることです。募集要項の募集人数の欄には「伊平屋村漁業協同組合 1名」とだけ書かれています。
活動内容も一次産業に絞られています。水産物加工業務・鮮魚販売業務・モズク加工販売業務・陸上養殖業務の1名で、具体的には次の4つです。
- 水産物加工販売・新商品開発に関すること
- 鮮魚受入れから解体販売に関すること
- モズク一次加工・営業販売に関すること
- 魚の餌やり養殖場管理に関すること
つくる(陸上養殖)、さばく(解体販売)、加工する(モズク一次加工)、売る(営業販売・新商品開発)が一人の仕事の中に並んでいます。水産業を川上から川下まで一通り経験する構成です。
送付先も2か所が示されています。伊平屋村役場企画財政課(〒905-0793 沖縄県島尻郡伊平屋村字我喜屋251番地)と、伊平屋村漁業協同組合(〒905-0703 沖縄県島尻郡伊平屋村字我喜屋217番地の30)です。役場と漁協が並んで受け付ける形になっています。
任期後の就業先が先に決まっています
募集条件は次のとおりです。
- 年齢が18歳以上50歳以下の人
- 3大都市圏をはじめとする都市地域等(過疎、山村、離島、半島等の条件不利地域以外)に在住し、採用後に生活拠点を伊平屋村に移すとともに住民票を伊平屋村に異動できる人
- 任期終了後も伊平屋村に定住し、漁協職員として就業しようとする意欲を持つ方
- 地域住民と積極的にコミュニケーションを図り、地域活性化のために意欲的に行動できる人
- 普通自動車運転免許を有している人
- パソコン(文書作成・表計算・プレゼンテーション作成等)の基本的な操作ができる人
3つ目の条件が伊平屋村の設計を表しています。任期後の就業先として漁協が示されたうえで、そこで働く意欲があることを応募の要件にしているわけです。
地域おこし協力隊は「任期後に何をするか」が曖昧になりやすい制度で、それが定住率のばらつきにつながっています。沖縄県全体の定住率は61.2%で全国平均70.3%を下回りますが、伊平屋村のように出口を先に決める設計は、そこに対する一つの答えと読めます。
一方で、応募する側から見れば選択肢が狭いということでもあります。3年かけて別の道を探すという使い方は想定されていません。水産業で働き続けるつもりがあるかどうかが、応募の前に問われます。
年齢の上限が50歳と明記されている点も、県内では珍しい条件です。
募集は分野ごとに別々に出ます
伊平屋村の協力隊は、漁協の枠だけではありません。同じ令和7年度に、村はもう一つ別の募集を出しています。
そちらは企画財政課 移住定住促進室が担当で、応募条件の書き方が漁協の募集と違います。任期後については「任期終了後も伊平屋村に定住し、起業・就業しようとする意欲をもつ方」とされており、起業も選択肢に入っています。漁協の募集が「漁協職員として就業」と就業先を特定しているのに対し、こちらは出口の幅が広い設計です。
福利厚生の記載も少し違い、こちらの募集では厚生年金、健康保険に加えて雇用保険が挙げられています。雇用形態(フルタイム会計年度任用職員)、雇用期間(最長3年)、活動車(公務中は公用車の利用可)、住居(村内の村営住宅等に居住、家賃あり)は共通です。
応募の宛先も「伊平屋村役場 移住定住促進室『地域おこし協力隊』担当」宛で、漁協の募集とは窓口が分かれています。
同じ村の同じ年度でも、募集の枠によって条件と窓口が違うということです。村のページには募集ごとに要項・要件確認票・申込書が置かれているので、どの枠に応募するのかを最初に決めてから書類をそろえる必要があります。
報酬と勤務条件
雇用形態はフルタイム会計年度任用職員です。沖縄県内ではパートタイムの会計年度任用職員が多いなか、フルタイムと明記しているのは伊平屋村です。
報酬
- 月額 211,300円
- 期末手当 年2回(6月、12月)
- 退職金:なし
退職金なしを要項に明記しているのは県内では伊平屋村だけです。書かれていない自治体も同様の扱いである可能性は高いのですが、はっきり書いてあるほうが読む側は判断しやすくなります。
勤務時間は8時30分から17時30分です。久米島町の町営塾(13時から21時)や竹富町のつばさ寮(深夜帯を含む交代制)と違い、一般的な日勤の時間帯です。
休日・休暇は土曜日、日曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日から1月3日)で、年次休暇は15日です。
雇用期間は令和7年6月(本人と調整のうえ決定)から令和8年3月31日までで、任用期間は最長3年までとされています。
待遇と生活
- 福利厚生 … 厚生年金、健康保険
- 活動車 … 公務中は公用車の利用は可能。ただし通勤や私用における移動手段は、自身で確保が必要
- 住居 … 村内の村営住宅に居住していただきます(家賃あり)
- 副業 … 業務に支障が出ない範囲内での副業は可能
注意したいのが車と住居です。公用車は公務中に限られ、通勤と私用の移動手段は自分で用意する必要があります。離島で車を持つには本土からの輸送か現地での調達が要るため、着任前に見込んでおくべき費用です。
住居も村営住宅が用意される代わりに家賃が発生します。渡名喜村のように住居費が全額負担される自治体と比べると、毎月の固定費が変わります。
一方で副業を可能と明記しているのは県内で伊平屋村だけです。協力隊の報酬だけでは足りない部分を補ったり、任期後の事業の準備を任期中から始めたりする余地があります。
応募と選考
提出書類は申込書、募集要件確認票、住民票の写し、運転免許証の写しの4点です。募集要件確認票という書式が別に用意されており、村のページからダウンロードできます。選考結果に関わらず応募書類は返却されません。
選考は次の流れです。
- 第1次選考(書類選考) … 選考結果は速やかに履歴書記載のメールアドレスに通知。メールアドレスの記載がない場合は履歴書記載の住所に文書で通知
- 最終選考(ウェブ面接) … 第1次選考合格者を対象に実施。所属団体関係者等との面談を実施したうえで、本人の最終意思を確認して合否を判断
「所属団体関係者等との面談」は漁協の関係者との面談を指すと読めます。受入先が決まっているからこそ、採用の段階で受入側と会う場が組まれています。
採用時期は本人および所属先と調整のうえ決定されます。令和7年度採用の募集では、令和7年6月から8月の期間内で本人および所属先と調整して決めるとされていました。
募集期間が短く、年に複数回出ます
伊平屋村の募集で見落としやすいのが受付期間の短さです。令和7年度の2つの募集は、それぞれ次の期間で受け付けられていました。
- 移住定住促進室の募集 … 令和7年2月25日から令和7年4月4日まで
- 漁業協同組合の募集 … 令和7年4月11日から令和7年4月25日まで
漁協の募集は受付期間が2週間しかありません。しかも前の募集が締め切られた1週間後に始まっています。年度替わりの前後に短い募集が続けて出るという出し方です。
久米島町のように「採用者が決定するまで募集期間を延長します」とする自治体や、渡名喜村のように「随時募集(採用者決定次第終了)」とする自治体と比べると、気づいたときには締め切られている可能性が高い募集です。伊平屋村に関心があるなら、村のホームページの「会計年度任用職員募集情報」を定期的に見ておくか、企画財政課に問い合わせて次の募集時期を確かめておくのが確実です。
なお申込書は表計算ファイル、募集要項と募集要件確認票はPDFで村のページに置かれています。要件確認票を先に開いて、自分が条件に当てはまるかを確かめてから書類の準備に入ると無駄がありません。
問い合わせ先
伊平屋村役場 企画財政課「地域おこし協力隊」担当(電話0980-46-2001(代表))が窓口です。募集ページも企画財政課が出しています。
村のページには募集要項のほか、募集要件確認票と申込書が文書ファイルで置かれています。応募の前に要件確認票で自分が条件に当てはまるかを確かめられる作りになっているので、まずそこから見るのが早道です。
募集の内容と金額は年度ごとに改定されます。本記事は令和7年度採用の募集要項によるものです。受入先や活動内容が水産業以外に広がる年度もありえますので、応募の前に最新の募集を確かめてください。
よくある質問
Q.伊平屋村の地域おこし協力隊は何人いますか。
A.総務省の令和7年度の公表では4人です。前年の令和6年度も4人でした。
Q.どんな仕事をしますか。
A.受入先は伊平屋村漁業協同組合で、水産物加工販売と新商品開発、鮮魚の受入れから解体販売、モズクの一次加工と営業販売、魚の餌やりと養殖場の管理です。
Q.報酬はいくらですか。
A.フルタイム会計年度任用職員として月額211,300円、期末手当が年2回(6月、12月)です。退職金はないと募集要項に明記されています。
Q.任期が終わったあとはどうなりますか。
A.募集条件に「任期終了後も伊平屋村に定住し、漁協職員として就業しようとする意欲を持つ方」と書かれており、漁協での就業が想定されています。
Q.住居や車の支援はありますか。
A.村内の村営住宅に居住しますが家賃が発生します。公用車は公務中のみ利用でき、通勤や私用の移動手段は自分で確保する必要があります。
Q.副業はできますか。
A.業務に支障が出ない範囲内での副業は可能と募集要項に明記されています。沖縄県内で副業可を明記しているのは伊平屋村だけです。
参考にした公式ページ
- 令和7年度 伊平屋村地域おこし協力隊募集|伊平屋村ホームページ
- 令和7年度採用 伊平屋村地域おこし協力隊募集要項
- 伊平屋村地域おこし協力隊の募集について(移住定住促進室)|伊平屋村ホームページ
- 令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について(総務省)
- 令和6年度 地域おこし協力隊の隊員数等について(総務省)
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。