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うるま市の地域おこし協力隊|委託型という契約と起業支援補助金

7分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊うるま市

うるま市の地域おこし協力隊について、雇用関係のない委託型隊員という契約の形と、任期前後に使える起業支援補助金をまとめます。

うるま市の地域おこし協力隊には、市と雇用関係を結ばない働き方があります。設置要綱に「委託型隊員」という区分があり、業務委託契約で活動する形が正面から認められています。市の例規集で読める2つの要綱をもとにまとめます。

令和7年度から受入を始めました

総務省が令和8年4月24日に公表した「令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」によると、うるま市の隊員数は3人です。

令和6年度の総務省の表にうるま市は載っていません。 令和7年度から新たに受入を始めた自治体で、同じ年に始めたのは南城市(4人)と東村(3人)だけでした。

うるま市は沖縄本島中部の東海岸に位置し、平成17年に具志川市・石川市・与那城町・勝連町が合併してできた市です。海中道路でつながる平安座島、宮城島、伊計島、浜比嘉島といった離島部を抱えており、市域の中に本島部と島しょ部の両方があります。

設置要綱が定める活動分野

うるま市地域おこし協力隊設置要綱は、告示の趣旨を次のように述べています。人口減少及び少子高齢化が進行するなか、特にその進行が著しい地域において、市外の人材を積極的に誘致し、当該地域とともに地域の活性化に必要な施策の推進及び定住・定着の促進を図る、というものです。

隊員が行う地域おこし活動として、要綱は6つを挙げています。

  1. 農林水産業、商工業及び観光業の振興に関する活動
  2. 地域資源及び特産品の発掘、開発及び販売促進に関する活動
  3. 住民の生活支援に関する活動
  4. 地域の活性化に関する活動
  5. 地域の情報の収集及び発信に関する活動
  6. その他市長が地域の活性化に資すると認める活動

分野を広くとってあるため、募集ごとにテーマが変わりうる作りです。農林水産業から商工業、観光業、住民の生活支援まで並んでおり、市域に本島部と島しょ部の両方を抱えるうるま市の事情に合わせた書き方になっています。

隊員になれる人の要件

要綱が定める隊員の要件は次のとおりです。

  • 総務省が公表する「地域おこし協力隊及び地域プロジェクトマネージャーの特別交付税措置に係る地域要件確認表」において定める条件不利地域を除く三大都市圏内の都市地域又は政令指定都市に住所を有し、委嘱後は市へ生活の拠点を移し、住民票を市に異動させることができる者
  • 自らの意思及び責任において地域おこし活動を実施できる者
  • 心身ともに健康で、地域力の維持・強化に資する地域おこし活動に意欲と情熱があり、地域住民と協力して活動できる者
  • 協力隊としての活動終了後も市内に定住・定着し、就業又は起業しようとする意欲のある者
  • 普通自動車免許を有している者

「自らの意思及び責任において」という一文は、後述する委託型の働き方と対応しています。指示待ちではなく自分で動くことが要件として明記されているわけです。

隊員の責務としては、積極的に地域おこし活動に取り組むこと委嘱後、速やかに市に生活拠点を移し、住民票を異動することが定められています。

要件のうち居住地の条件は、他の自治体より狭く書かれている点に注意が必要です。多くの自治体が「三大都市圏をはじめとする都市地域等」としているのに対し、うるま市の要綱は「条件不利地域を除く三大都市圏内の都市地域又は政令指定都市に住所を有し」としています。三大都市圏の外に住んでいる場合でも政令指定都市であれば対象になりますが、それ以外の地方都市に住んでいる人は要綱の文言では読みにくくなります。実際の運用は募集要項によりますので、該当しそうな場合は市に確認してください。

「委託型隊員」という契約の形

うるま市の要綱で最も特徴的なのがここです。

要綱によれば、市長は委嘱した隊員と業務委託契約を締結し、地域おこし活動を委託することができるとされています。そして市長と業務委託契約を締結した隊員を「委託型隊員」と呼び、「雇用契約及び雇用関係は存在しないものとする」と明記しています。

委託型隊員の扱いは次のとおりです。

  • 委託内容については、市長と委託型隊員の協議により決定する
  • 市長は委託型隊員に対し、地域おこし活動の対価として、活動内容等に応じた委託料を予算の範囲内で支払う

給与ではなく委託料である点が重要です。雇用関係がないということは、社会保険(健康保険・厚生年金)や雇用保険の対象にならないということでもあります。国民健康保険と国民年金に自分で加入し、確定申告も自分で行うことになります。

会計年度任用職員として任用される久米島町や竹富町、伊平屋村の隊員とは、手取りの計算も任期後の扱いも前提が変わります。同じ「地域おこし協力隊」という言葉でも中身が違うことの、県内でいちばんはっきりした例です。

要綱はさらに、協力隊設置業務を支援団体に委託する場合についても定めており、その場合は受託した支援団体が地域おこし活動を行う者として採用した者が隊員になる、としています。市が直接抱えるのではなく、間に団体を挟む形も想定されています。

委嘱期間

要綱によれば、隊員の委嘱期間は原則1年以内とし、当該年度を超えないものとされています。ただし市長が特に必要と認めるときは、1年を超えない範囲でこれを延長し、3年を限度として委嘱できます。

隊員は最大3年まで委嘱期間の更新ができ、市長は更新にあたって隊員の活動実績等を考慮して決定します。

市の側の業務としては、隊員の採用、年間活動計画の作成、地域おこし活動に関する総合調整、隊員の研修及び隊員相互の交流、活動に関する住民への周知、そして活動終了後の定住支援が要綱に列挙されています。定住支援が市の業務として明記されているのは、次の補助金と対応しています。

市の側の責務も要綱に書かれています

要綱は隊員の責務だけでなく、市の側が行う業務も列挙しています。

  • 隊員の採用に関すること
  • 隊員の年間活動計画の作成に関すること
  • 隊員の地域おこし活動に関する総合調整に関すること
  • 隊員の研修及び隊員相互の交流に関すること
  • 隊員の地域おこし活動に関する住民への周知に関すること
  • 隊員の活動終了後の定住支援に関すること
  • その他隊員が行う活動に関して必要な業務に関すること

協力隊の制度でよく問題になるのが、受入側の準備不足です。年間活動計画を市がつくること、住民に活動を周知すること、任期終了後の定住を支援することが要綱に書き込まれているのは、応募する側から見れば確かめやすい約束になります。

とくに「活動終了後の定住支援」は、次に述べる起業支援補助金として具体化されています。要綱に書いただけで終わらせず、補助金の交付要綱まで用意している点は評価できる作りです。

なお隊員相互の交流も市の業務に入っています。うるま市の隊員は令和7年度で3人ですから、県が用意している県内隊員向けの研修や非公開の交流グループとあわせて使うことになります。

起業支援補助金は上限100万円・補助率10分の10

うるま市は協力隊とは別に、うるま市地域おこし協力隊起業支援補助金交付要綱を整備しています。沖縄県内で起業支援の要綱を単独で持っている自治体は多くありません。

内容は次のとおりです。

対象になる人

  • 市内に住所を有する者のうち、協力隊員の任期終了の日前1年以内の者
  • または任期終了の日後1年以内の者
  • ただし協力隊員の任期途中で退任した者は対象外

交付要件

  • 市内で起業すること

補助の額

  • 対象経費を合算した額の10分の10以内
  • その額が100万円を超えるときは100万円が限度
  • 補助金の額に1,000円未満の端数があるときは切り捨て
  • 交付対象となる者1人につき、一の年度に限り交付

補助率10分の10というのは、対象経費であれば全額が補助されるということです。国の特別交付税措置にも起業・事業承継に1人100万円上限の枠がありますが、うるま市はそれを市の要綱として具体化しています。

手続きは、起業支援補助金交付申請書と起業計画書を提出し、市が内容の審査と必要に応じた現地調査等を行って交付の可否を決める流れです。交付決定後に計画を変更する場合は変更承認申請が必要で、中止・廃止の場合も届け出ます。補助事業が完了したときは、完了した日から10日以内または補助事業実施年度の3月末日のいずれか早い日までに実績報告書を提出します。実績報告書の写しと必要書類の写しは、完了年度の翌年度から5年間保管しなければなりません。

任期途中で退任した人が対象外という条件は見落としやすい点です。任期を最後まで務めることが、この補助金を使う前提になっています。

問い合わせ先

うるま市の協力隊に関する2つの要綱は、市の例規集で全文を読めます。募集の有無や条件は年度ごとに変わるため、うるま市公式ホームページの募集情報を確認してください。

要綱を読むときに押さえておきたいのは、自分が応募しようとしている枠が委託型なのかどうかです。委託型であれば社会保険は自分で手当てすることになり、月々の手取りの計算が変わります。募集要項に雇用形態の記載がない場合は、応募の前に市へ直接確かめてください。

本記事はうるま市地域おこし協力隊設置要綱およびうるま市地域おこし協力隊起業支援補助金交付要綱によるものです。要綱は改正されることがあります。

よくある質問

Q.うるま市の地域おこし協力隊は何人いますか。

A.総務省の令和7年度の公表では3人です。令和6年度の表にうるま市は載っておらず、令和7年度から新たに受入を始めた自治体です。

Q.委託型隊員とは何ですか。

A.市長が委嘱した隊員と市が業務委託契約を締結する形です。設置要綱に「雇用契約及び雇用関係は存在しないものとする」と明記されており、報酬は給与ではなく活動内容等に応じた委託料として支払われます。

Q.委託型だと社会保険はどうなりますか。

A.雇用関係がないため、健康保険・厚生年金・雇用保険の対象になりません。国民健康保険と国民年金に自分で加入することになります。応募前に雇用形態を確かめてください。

Q.委嘱期間は何年ですか。

A.原則1年以内で当該年度を超えないものとされ、市長が特に必要と認めるときは延長して3年を限度に委嘱できます。

Q.任期後に起業するときの支援はありますか。

A.うるま市地域おこし協力隊起業支援補助金交付要綱があり、対象経費の10分の10以内・上限100万円を1人につき一の年度に限り交付します。市内で起業することが要件です。

Q.補助金は誰でも使えますか。

A.任期終了の日前1年以内または後1年以内で市内に住所がある人が対象です。任期途中で退任した人は対象外と要綱に明記されています。

TownHub編集部

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全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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