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与那国町の地域おこし協力隊|就農分野の募集要項と3年間の流れ

7分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊与那国町

日本最西端の与那国町の地域おこし協力隊について、就農分野の募集要項と3年間の活動の流れ、選考にかかる渡航費の扱いをまとめます。

与那国町の地域おこし協力隊は3人と多くはありませんが、公開されている情報は沖縄県内で最も厚い自治体です。募集要項に3年間の活動の流れと任期後の展望まで書かれ、最終選考で島へ渡る航空運賃は町が負担します。町が公開している資料をもとにまとめます。

隊員数は3人

総務省が令和8年4月24日に公表した「令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」によると、与那国町の隊員数は3人です。前年の令和6年度も3人で、人数は変わっていません。

沖縄県全体では19団体で89人ですから、人数だけ見れば与那国町は中位です。ただし募集要項が文書ファイルで全文公開されており、活動内容から3年間の流れ、任期後の展望まで書かれているという点では県内で群を抜いています。人数と情報量は比例しません。

与那国町は日本最西端に位置する島の町です。町の募集要項は島を「豊かな自然と独自の文化を有する島」と紹介しています。

募集は就農分野

令和8年度の募集は就農分野です。町が挙げる背景は次のとおりです。

温暖な気候と恵まれた土壌条件を活かし、サトウキビ、水稲、野菜、牧草などの農業が営まれており、地域の暮らしや産業を支える重要な役割を担っている。しかし高齢化や担い手不足の進行により、農業技術や地域資源の継承が課題となっている。一方で農業を通じた地域づくりや新たな担い手の確保への期待は高まっており、将来の農業を支える人材の育成が求められている。

そこで町内農家のもとで農業技術や農業経営を学びながら、地域とのつながりを深め、将来的な就農や地域定着を目指す意欲ある人材を募集する、という組み立てです。

活動場所は与那国町役場産業振興課を拠点とし、町内農業地域および受入農家において活動します。募集人数は若干名です。

活動内容は3つに整理されています

1. 農業研修・営農技術習得

  • 町内の先進農家(水稲、サトウキビ、野菜等)のもとで農作業を実践的に学ぶ
  • 耕起、植付け、栽培管理、収穫、出荷等の農業技術を習得する
  • 農業機械や農業資材の取扱いに関する研修を受ける
  • 地域農業者との交流を通じて営農知識を習得する

2. 就農準備・担い手育成

  • 農地制度や農業関係補助事業等について学ぶ
  • 新規就農に必要な知識や経営感覚を身につける
  • 農家や関係機関とのネットワークを構築する
  • 将来的な就農計画の作成に取り組む

3. 農業振興活動への参加

  • 農業イベントや品評会等の運営補助
  • 部会活動や集落活動への参加
  • 地域特産品づくりや販路開拓活動への協力

農業経験は不問と応募条件に明記されています。技術を教わりながら働き、任期の終わりまでに就農計画を作るという設計です。

3年間の流れが示されています

募集要項には3年間の活動イメージが年次で書かれています。

  • 1年目 基礎研修期 … 農業技術の基礎習得、地域や農家との関係づくり、農業制度や補助事業の学習
  • 2年目 実践期 … 担当作物の栽培管理を実践、農業経営や販売手法について学習、部会活動や地域活動へ参加
  • 3年目 自立準備期 … 就農計画の具体化、農地や農業機械等の情報収集、地域内での営農体制構築

さらに任期後の展望まで挙げられています。

  • 与那国町での新規就農
  • 農業法人や農業関連団体への就職
  • 地域農業の担い手としての定着
  • 農業と観光、加工、教育等を組み合わせた新たな事業展開

町が挙げる「活動のねらい」は、町内農業の担い手育成、農業技術の継承、新規就農者の確保及び定着促進、地域農業の維持及び発展の4つです。

任期後に何をするかが募集の段階で複数示されているのは、県内では竹富町と与那国町くらいです。就農一本に絞るのではなく、法人就職や複合的な事業まで幅を持たせている点は、応募する側にとって現実的です。

報酬と待遇

雇用形態は与那国町地域おこし協力隊として町が会計年度任用職員として任用します。

  • 月額報酬 210,000円
  • 活動に必要な経費(作業着、消耗品、研修旅費等)は予算の範囲内で負担
  • 住宅は町が用意し、家賃補助

活動期間は委嘱の日から1年間とし、活動状況等により更新(最長3年)です。

作業着が活動経費に明記されているのは農業の募集ならではです。

町が持つ移住者向け住宅

募集要項の「住宅は町が用意し、家賃補助」という一文の中身は、町の募集ページを見ると具体的に分かります。与那国町は移住者向けの住宅を複数持っており、それぞれ担当課と家賃が公開されています。

農林水産業新規就業者用定住型住宅(祖納地区)

  • 家賃 15,000円
  • 募集戸数 1戸
  • 申込みは産業振興課へ。担当は「農林水産業新規就業者用住宅担当」(電話0980-87-3582)
  • 資格審査後、入居者の選考を行って決定

就農分野の協力隊は産業振興課を拠点に活動しますから、この住宅が実際の受け皿になりうる位置づけです。家賃15,000円という水準は、月額報酬210,000円に対して負担がかなり軽いことを意味します。

与那国町移住定住促進住宅(家族型)

  • 家賃 3LDK 40,000円/月
  • 契約期間 2年間
  • 申込みは企画財政課へ郵送。移住相談が必須
  • 入居決定の通知があった日から14日以内に、連帯保証人の連署する請書の提出等の手続きが必要
  • 契約時には入居者の負担による火災保険加入が必要
  • 本町に定住するために住宅を必要とし、住民基本台帳法に基づく住所を町に登録して生活の本拠地とする者であることが条件

このほか町の募集一覧には、単身者向けの移住定住促進住宅古民家活用型定住促進住宅(家族型)の入居者募集も掲載されています。世帯の形と目的に応じて複数の選択肢があるという点は、離島への移住を考えるうえで大きな材料です。

いずれも協力隊専用の住宅ではないため、着任時にどの住宅に入れるかは町との調整になります。家賃補助の具体的な額とあわせて、応募の段階で確かめておくとよいでしょう。

最終選考の渡航費を町が負担します

選考は3段階です。

  • 第1次選考(書類選考) … 応募書類による選考。選考結果は応募者全員にメールで通知
  • 第2次選考(ウェブ面接) … 第1次選考合格者を対象に実施
  • 最終選考(現地確認) … 第2次選考合格者は与那国町に来島し、受入農家や関係者との面談、農業現場の見学等を実施。その後、本人の最終意思を確認したうえで合否を決定

そして「最終選考に係る航空運賃及び町内宿泊費は町が負担する予定です」と明記されています。

日本最西端の島まで本土から往復すると航空運賃だけで相応の額になります。採用が決まっていない段階でその費用を町が持つというのは、応募のハードルを実際に下げる措置です。同じ沖縄県では渡名喜村が面接会場までの交通費を上限5万円まで助成しており、離島の自治体がとる工夫として共通しています。

現地確認を選考に組み込んでいるのも重要です。受入農家と実際に会い、農業現場を見てから最終意思を確認する流れなので、着任してから「思っていたのと違う」となる事態を減らす設計になっています。

応募の条件と手続き

応募条件

  • 応募時点で、都市地域等(総務省が定める地域要件を満たす地域)から与那国町へ住民票を異動し、居住できる方
  • 普通自動車運転免許を有する方
  • 基本的なパソコン操作(文書作成、表計算等)ができる方
  • 農業に関心があり、地域住民や農業者と協調して活動できる方
  • 将来的に就農又は地域定着への意欲を有する方
  • 農業経験不問

応募書類は与那国町地域おこし協力隊申込書(写真添付)、住民票の写し、運転免許証の写しの3点です。応募用紙は町のホームページからダウンロードします。合否通知等に使用するため、メールアドレスおよび電話番号は必ず記載するよう求められています。選考結果に関わらず応募書類は返却されません。

町の募集案内のページには、応募時点で総務省の「特別交付税措置に係る地域要件確認表」を参照し、地域おこし協力隊員として都市地域等から与那国町へ住民票を異動して居住できる方が要件になると案内されています。

令和8年度の募集では、応募受付期間は令和8年6月22日から8月28日17時まで採用者の着任は令和8年10月1日を予定とされていました。

総務省の事例集に掲載されています

与那国町は総務省が令和7年8月に公表した「地域おこし協力隊事例集」に、沖縄県から唯一掲載されている自治体です。移住・定住促進の分野で、令和2年5月から活動している隊員の事例が紹介されています。

事例集に載っている活動は次のようなものです。

  • 空き家改修の体験型ワークショップを開催し、改修した空き家を交流拠点として整備。移住者・地域の人で行うことで、愛着を持ち気軽に立ち寄れる場や移住相談窓口、地域のハブとしての利活用を目指す
  • 使用されていない国有財産の宿舎を改修し、移住促進住宅・移住体験施設として活用。旅行とは違い実際に暮らすイメージを膨らませられる移住体験ツアーのプログラムを目指す
  • 空地を活用した交流シェア畑を整備し、収穫祭を開催。移住者や移住を検討している人が畑仕事や収穫祭を通じて地域の人と交流し、与那国の暮らしや文化への理解を深めることで、ミスマッチの少ない移住定住の促進を目指す

任期後の目標として、移住定住の中間支援組織の立ち上げ、交流拠点でのイベント開催、特産品開発、遊休施設の利活用が挙げられています。

就農分野の募集とは別に、移住定住の分野でも隊員が活動してきたことがここから分かります。募集のたびに分野が変わるため、過去にどんな活動があったかを知る手がかりとして事例集は役に立ちます。

問い合わせ先

問い合わせ先が内容によって分かれています。

  • 活動内容に関すること … 与那国町役場産業振興課(電話0980-87-3582)
  • 応募手続に関すること … 与那国町企画財政課(電話0980-87-3577)

応募書類の送付先は〒907-1801 沖縄県八重山郡与那国町字与那国129 与那国町企画財政課「与那国町地域おこし協力隊担当」宛です。

募集の内容と金額は年度ごとに改定されます。本記事は令和8年度10月採用の募集要項によるものです。分野も年度ごとに変わりますので、応募の前に町のホームページで最新の募集を確かめてください。

よくある質問

Q.与那国町の地域おこし協力隊は何人いますか。

A.総務省の令和7年度の公表では3人です。前年の令和6年度も3人でした。

Q.報酬はいくらですか。

A.会計年度任用職員として月額報酬210,000円です。活動に必要な作業着、消耗品、研修旅費等は予算の範囲内で負担されます。

Q.農業の経験がなくても応募できますか。

A.できます。募集要項に農業経験不問と明記されており、町内の先進農家のもとで実践的に学ぶ流れになっています。

Q.選考で島へ行く費用はどうなりますか。

A.最終選考は与那国町に来島して受入農家や関係者と面談し農業現場を見学しますが、これに係る航空運賃および町内宿泊費は町が負担する予定と明記されています。

Q.住居はどうなりますか。

A.住宅は町が用意し、家賃補助があります。

Q.任期が終わったあとはどうなりますか。

A.募集要項には任期後の展望として、町での新規就農、農業法人や農業関連団体への就職、地域農業の担い手としての定着、農業と観光・加工・教育等を組み合わせた新たな事業展開が挙げられています。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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