厚沢部町の地域おこし協力隊|「素敵な過疎づくり」という呼び方
厚沢部町の地域おこし協力隊について、初年度の月額報酬と2年目以降の加算、住宅料支援と扶養手当、町が掲げる「素敵な過疎」という考え方をまとめます。
厚沢部町は協力隊を「素敵な過疎づくり(地域おこし)協力隊」と呼んでいます。過疎という言葉を避けずに、そこに「素敵な」を付けて掲げる町です。報酬は初年度月額214,200円で、2年目以降は加算があります。町が公表している情報から整理します。
隊員7人、檜山のまち
総務省が令和8年4月24日に公表した資料によれば、厚沢部町の隊員数は7人でした。北海道の受入166市町村のなかで21位です。
厚沢部町が属する檜山振興局は7市町村で35人。せたな町10人、今金町7人、厚沢部町7人と続きます。北海道全体の状況は北海道の地域おこし協力隊にまとめました。
厚沢部町は道の移住体験「ちょっと暮らし」でも存在感があります。令和6年度の利用者数は釧路市2,797人に次ぐ547人で全道2位、滞在日数も6,081日で4位でした。移住を検討する人が実際に訪れている町ということです。制度の詳細は北海道に夏だけ住むにまとめました。
「素敵な過疎」という掲げ方
町は自らを「素敵な過疎のまち」と称し、協力隊も「素敵な過疎づくり(地域おこし)協力隊」という名称で募集しています。
過疎は行政上の指定であり、多くの自治体にとっては課題を示す言葉です。それを打ち消すのではなく、「過疎のままで素敵にする」という方向を打ち出している点が、この町の姿勢を表しています。
人口減少そのものを止めるより、規模が小さいなかで暮らしの質を上げるという考え方です。応募する側にとっては、何を目指す活動なのかが名称から分かるという利点があります。
報酬と手当
素敵な過疎づくり株式会社での募集で公表されている条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬 | 初年度 月額214,200円(2年目以降加算あり) |
| 保険 | 健康保険、厚生年金、雇用保険、民間の傷害保険 |
| 休暇 | 年次有給休暇 |
| 住宅料支援 | 上限20,000円 |
| 扶養手当 | あり |
| 貸与 | パソコン、活動車両 |
| その他 | 活動に要する研修旅費等 |
| 委嘱 | 1年間(最大3年まで更新可能) |
2年目以降に加算があるという設計は、礼文町(1年目230,000円・2年目240,000円・3年目250,000円)と同じ考え方です。続けるほど条件がよくなる形になります。
扶養手当がある点は道内でも数少ない例です。家族を連れて移住する場合に効きます。名寄市が家賃補助を単身50,000円・世帯65,000円と分けているのと同じく、世帯での移住を想定した設計といえます。
民間の傷害保険まで挙げているのは、厚真町(傷害保険の加入を義務化)、北見市(傷害賠償保険を活動経費に含む)と同じ方向です。活動中のけがに備える仕組みになります。
一方、住宅料支援は上限20,000円と道内では低めです。ニセコ町85,000円、名寄市65,000円、岩内町60,000円、美唄市50,000円と比べると差があります。家賃の実勢と照らして判断してください。契約の型ごとの比べ方は北海道の地域おこし協力隊 待遇比較にまとめました。
受入先が株式会社
厚沢部町の募集で特徴的なのが、素敵な過疎づくり株式会社という受入先です。
町名や地域名を冠した会社が受入先になる例は道内に複数あります。
| 市町村 | 受入先 |
|---|---|
| 厚沢部町 | 素敵な過疎づくり株式会社 |
| 深川市 | 株式会社深川未来ファーム(農業支援員) |
| 大樹町 | スペースコタン株式会社(北海道スペースポート) |
| 置戸町 | 有馬農場(農業分野) |
| 知内町 | 一般社団法人しりうち観光推進機構 |
| 下川町 | 下川ハイヤー(任期後の採用予定先) |
受入先が明示されていると、どこで誰と働くかが応募の段階で分かります。町役場に配属される枠とは、任期後の道筋も変わります。
応募と問い合わせ
町は募集概要をPDFで公開しています。問い合わせ先は厚沢部町 政策推進課(電話 0139-64-3312)です。
町は「1年間の委嘱を受け(最大3年まで更新可能)、地域で生活しながら各種の地域活動に協力し、定住を目指して起業や新規就農などの研修を行う」と説明しています。任期中の活動が、そのまま任期後の準備になる設計です。
檜山振興局は「ひやま地域おこし協力隊総合案内所」というページを設けており、管内の募集をまとめて確認できます。
応募の前に確かめること
- 2年目以降の加算額を確認する。初年度は月額214,200円です
- 住宅料支援が上限20,000円であることを踏まえる。道内では低めの水準です
- 扶養手当の条件を確かめる。家族での移住を考えるなら重要です
- 受入先を確認する。素敵な過疎づくり株式会社での勤務になる枠があります
- 任期後の姿を考える。起業や新規就農の研修が前提です
- 移住体験を使う。町は「ちょっと暮らし」の利用者数が全道2位です
北海道全体の受入状況は北海道の地域おこし協力隊に、同じ檜山の今金町は今金町の地域おこし協力隊にまとめています。
本記事の内容は厚沢部町が公表している情報によります。年度ごとに改定されるため、応募のときは最新の募集要項で確かめてください。
よくある質問
Q.厚沢部町の地域おこし協力隊の報酬はいくらですか。
A.素敵な過疎づくり株式会社での募集では初年度が月額214,200円で、2年目以降は加算があります。続けるほど条件がよくなる設計は道内では礼文町にも見られます。
Q.どんな手当がありますか。
A.住宅料支援が上限20,000円、扶養手当があります。加えてパソコンと活動車両が貸与され、活動に要する研修旅費等も支給されます。
Q.保険はどうなりますか。
A.健康保険、厚生年金、雇用保険に加えて、民間の傷害保険にも加入できます。
Q.「素敵な過疎づくり協力隊」とは何ですか。
A.厚沢部町は自らを「素敵な過疎のまち」と称し、協力隊もこの名称で募集しています。人口減少そのものを止めるより、規模が小さいなかで暮らしの質を上げるという方向を打ち出しています。
Q.どこで働くのですか。
A.素敵な過疎づくり株式会社での募集が公表されています。町役場ではなく、町が関わる会社が受入先になる枠です。
Q.任期は何年ですか。
A.1年間の委嘱で、最大3年まで更新可能です。町は「定住を目指して起業や新規就農などの研修を行う」と説明しています。
Q.応募前に町を見ることはできますか。
A.厚沢部町は道の移住体験「ちょっと暮らし」で令和6年度の利用者数が547人と全道2位でした。移住を検討する人が実際に訪れている町です。
参考にした公式ページ
- 素敵な過疎のまち 北海道厚沢部町 公式ホームページ
- 厚沢部町|ほっかいどう地域おこし協力隊
- ひやま地域おこし協力隊総合案内所|檜山振興局地域創生部地域政策課
- 令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について(総務省)
- 令和7年度(2025年度)地域おこし協力隊導入状況|北海道
- 北海道体験移住「ちょっと暮らし」令和6年度実績|北海道
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。