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沖縄県の地域おこし協力隊|受入状況・活動分野・任期後の定住

7分で読めます執筆: TownHub編集部
地域おこし協力隊那覇市

沖縄県で地域おこし協力隊を受け入れている市町村と隊員数、活動分野、任期が終わったあとの定住状況をまとめます。

沖縄県の地域おこし協力隊は89人です。41市町村のうち受け入れているのは18市町村で、半分以上の市町村には隊員がいません。そして隊員の4割は、島だけでできた自治体で活動しています。総務省が公表した資料と沖縄県の公式情報をもとにまとめます。

隊員数は89人、受入は19団体

総務省が令和8年4月24日に公表した「令和7年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」によると、沖縄県の隊員数は89人、受入自治体数は19団体です。全国では8,196人・1,187団体ですから、沖縄県は人数で全国の約1.1%にあたります。

19団体のうち1つは沖縄県そのものです。総務省の表では県が直接実施する分に印がつけられており、沖縄県は2人を直接受け入れています。残る18が市町村です。

沖縄県には41の市町村がありますから、受入があるのは18市町村、23市町村は受入ゼロという計算になります。那覇市、浦添市、宜野湾市といった本島中南部の都市部は総務省の表に一度も出てきません。地域おこし協力隊は都市地域から条件不利地域へ移り住むことが前提の制度なので、制度の性質上そうなります。

市町村別の隊員数

令和7年度の内訳は次のとおりです。総務省の表から沖縄県の欄を抜き出して並べました。

  • 本部町 19人
  • 久米島町 13人
  • 竹富町 9人
  • 国頭村 8人
  • 粟国村 5人
  • 南城市 4人/伊平屋村 4人/渡名喜村 4人
  • うるま市 3人/東村 3人/今帰仁村 3人/与那国町 3人
  • 石垣市 2人/北大東村 2人/八重瀬町 2人/沖縄県(直接実施)2人
  • 宮古島市 1人/恩納村 1人/渡嘉敷村 1人

合計すると89人になり、県計と一致します。

自治体の種類で分けると、市は4団体で10人、町は5団体で46人、村は9団体で31人です。人数の多い上位2つが本部町と久米島町という町であることも含め、県内の隊員の半分以上は町に集まっています

隊員の4割は離島の自治体にいます

沖縄県の協力隊を読むうえで外せないのが離島です。受入19団体のうち、島だけで構成される自治体は8団体あります。久米島町、竹富町、粟国村、渡名喜村、伊平屋村、北大東村、与那国町、渡嘉敷村です。

この8団体を足すと37人になり、県全体89人の約42%を占めます。石垣市(2人)と宮古島市(1人)も島ですから、これらを含めれば40人で45%です。

東北6県の協力隊が中山間地の集落維持を中心に据えているのに対して、沖縄県では有人離島をどう維持するかが協力隊の中心にあります。県の担当部署の名前がそれを表していて、窓口は沖縄県 企画部 地域・離島課です。課の名称に「離島」が入っています。

離島であることは待遇にも影響します。たとえば与那国町は、最終選考で来島してもらう際の航空運賃と町内宿泊費を町が負担する予定だと募集要項に書いています。渡名喜村は引っ越し費用の助成に上限10万円を設けています。本土の自治体では見ない項目です。

1年でどう変わったか

前年と比べると動きが大きい年でした。総務省が令和7年4月4日に公表した「令和6年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」では、沖縄県は77人・20団体でした。令和7年度は89人・19団体ですから、人数は12人増え、団体は1つ減っています

市町村別に前年と突き合わせると、増減の中身が見えます。

増えたところ

  • 本部町 14人 → 19人(5人増)
  • 国頭村 3人 → 8人(5人増)
  • 渡名喜村 2人 → 4人(2人増)
  • 粟国村 4人 → 5人(1人増)
  • 北大東村 1人 → 2人(1人増)

減ったところ

  • 竹富町 14人 → 9人(5人減)
  • 石垣市 4人 → 2人(2人減)

受入がなくなったところ

  • 糸満市(1人)、宜野座村(1人)、伊江村(2人)、多良間村(1人)

新たに受け入れたところ

  • 南城市(4人)、うるま市(3人)、東村(3人)

団体数が20から19に減ったのは、4団体が抜けて3団体が加わったためです。人数が12人増えたのは、本部町と国頭村がそれぞれ5人ずつ積み増した分が大きく効いています。

見落としやすいのは、竹富町が14人から9人へ5人減っている点です。県内2位だった町が3位に下がりました。任期を終えた隊員が抜けた年だったのか、募集を絞ったのかは総務省の表からは読めません。協力隊は任期が最長3年の制度なので、受入が数年続いた自治体では卒業と採用のタイミングで人数が上下します。単年の人数だけを見て「増えている自治体は勢いがある」と決めつけないほうが正確です。

任期後の定住率は61.2%、全国42位

総務省は都道府県別の定住率も公表しています。直近5年(令和2年4月1日から令和7年3月31日)に任期を終えた隊員のうち、同じ地域に定住した人の割合です。

沖縄県は任期終了者98人、うち同じ地域に定住した者60人で、定住率61.2%です。全国平均は70.3%(8,762人中6,163人)ですから、9.1ポイント下回っています

47都道府県の表を全件抜き出して並べ替えると、沖縄県は全国42位にあたります。下位には島根県(60.3%)、大阪府(60.0%)、秋田県(55.9%)、宮崎県(55.6%)が並びます。上位は神奈川県(100.0%、ただし任期終了者3人)、広島県(79.6%)、北海道(78.3%)です。

ただし、前年よりは改善しています。令和6年度の公表では沖縄県の定住率は57.8%(任期終了102人・定住59人)でしたから、1年で3.4ポイント上がりました

定住率が全国平均を下回る理由は総務省の資料には書かれていません。ただ沖縄県の場合、任期を終えた隊員が同じ市町村に残らなくても、那覇市など県内の別の市町村に移れば「同じ地域に定住」には数えられないという事情はあります。総務省の集計は活動した地域への定住を見るものだからです。離島から本島へ移った場合も同様です。

国の制度としての枠組み

地域おこし協力隊は総務省の制度で、都市部の人材を自治体が委嘱し、一定期間その地域に住んで地域協力活動を行いながら定住・定着を図るものです。沖縄県は制度の要点を次のように説明しています。

活動期間は概ね1年以上3年以下です。

自治体には特別交付税措置があります。沖縄県のまとめによれば、令和7年度の措置は次のとおりです。

  • 活動に要する経費 … 隊員1人あたり550万円上限。うち報償費等350万円、その他の経費200万円(その他の経費は活動旅費、作業道具などの消耗品費、事務的経費、定住に向けた研修等の経費など)
  • 起業、事業承継に要する経費 … 最終年次または任期終了翌年に起業する者、事業を引き継ぐ者に1人につき100万円上限
  • 募集等に要する経費 … 自治体1団体あたり200万円上限

報償費の350万円という枠が、各自治体の月額報酬の上限を事実上決めています。沖縄県内の募集要項に並ぶ月額19万円台から21万円台という水準は、この枠の中に収まる金額です。

沖縄県が独自に行っている支援

沖縄県は市町村の受入を支える取り組みを持っています。県のページによれば、次の4つです。

1. 県内の隊員向け研修会

  • 初任者研修 … 着任1年目の隊員を対象に、協力隊の心構えや地域との関わり方、活動の進め方、予算や活動費などを扱う
  • 協力隊・担当職員合同研修 … 隊員と担当職員が一緒に参加し、相互の理解を深める
  • 起業支援研修 … 任期後の起業を目指す隊員向けに、起業の準備や事業運営の仕方、先輩起業家の講義など
  • 現地視察研修 … 隊員が活動する地域を訪ね、活動内容や進め方を学ぶ

担当職員と隊員が同じ場で研修を受ける「合同研修」を県が用意しているのは、受入側の理解不足が離職の原因になりやすいことへの対応と読めます。

2. 活動やメディア掲載情報の発信

各市町村の隊員の活動を県がまとめて発信しています。

3. 県内隊員限定の非公開グループ

隊員相互の情報交換や交流、イベントの告知や連携推進、相談に使われています。離島に1人だけ配置されている隊員にとって、横のつながりを持てる場は貴重です。

4. 募集情報の案内

県は、県内の募集情報について沖縄県地域おこし協力隊のページ、移住・交流推進機構の地域おこし協力隊ページ、各市町村の公式サイトを参照するよう案内しています。裏を返せば、募集情報が県のサイトに一本化されているわけではないということです。

なお国の側にも、初任者研修、ステップアップ研修、起業・事業化研修といった研修や、隊員・自治体職員からの電話やメールの相談対応、ビジネスプランへの専門家の現地指導といった支援があります。

探すときに気をつけたいこと

沖縄県の協力隊を調べるときに引っかかりやすい点が2つあります。

1つ目は、隊員数が多い自治体ほど情報が多いとは限らないことです。県内最多の本部町(19人)は、町の公式サイトに協力隊の常設ページが見当たりません。トップページ、お知らせ、企画商工観光課のページを見ても該当する項目がなく、募集は移住・交流推進機構のサイトや交流サイトで行われています。粟国村(5人)も、村の経済課のページにある協力隊の募集情報が令和4年度のもので止まっています。

一方で、隊員数が3人の与那国町は募集要項を文書ファイルで全文公開しており、活動内容から3年間の流れ、任期後の展望まで書かれています。人数と情報量は比例しません

2つ目は、集落支援員という別の制度と混ざりやすいことです。沖縄県のページでは協力隊と集落支援員が同じページで説明されています。集落支援員は、地域の実情に詳しく集落対策のノウハウを持つ人材が自治体の委嘱を受け、市町村職員と連携して集落の巡回や状況把握を行う制度です。都市部からの移住が前提の協力隊とは、対象になる人がそもそも違います。募集を見るときは、どちらの制度かを確かめてください。

問い合わせ先

制度全般については沖縄県 企画部 地域・離島課(電話098-866-2370、ファクス098-866-2068)が窓口です。

個別の募集条件、報酬、住居の扱いは市町村ごとに決められています。応募を考えている自治体が決まっているなら、その市町村の担当課に直接確かめるのが確実です。県内の担当課は自治体によって企画財政課、企画政策課、総務課、ふるさと創生課などに分かれています。

総務省の公表資料は毎年度更新されます。本記事の人数は令和7年度(令和8年4月24日公表)のもので、翌年度には変わります。

よくある質問

Q.沖縄県の地域おこし協力隊は何人いますか。

A.総務省の令和7年度の公表では89人です。受入自治体数は19団体で、うち1つは沖縄県による直接実施です。

Q.沖縄県のどの市町村で受け入れていますか。

A.本部町19人、久米島町13人、竹富町9人、国頭村8人、粟国村5人、南城市・伊平屋村・渡名喜村が各4人、うるま市・東村・今帰仁村・与那国町が各3人、石垣市・北大東村・八重瀬町が各2人、宮古島市・恩納村・渡嘉敷村が各1人です。

Q.任期が終わったあと、どれくらいの人が定住していますか。

A.直近5年で任期を終えた98人のうち60人が同じ地域に定住し、定住率は61.2%です。全国平均70.3%を9.1ポイント下回り、全国42位にあたります。

Q.沖縄県の協力隊は離島が多いのですか。

A.受入19団体のうち8団体が島だけで構成される自治体で、その8団体だけで37人、県全体の約42%を占めます。

Q.募集情報はどこで探せますか。

A.沖縄県は、県の地域おこし協力隊のページ、移住・交流推進機構の地域おこし協力隊ページ、各市町村の公式サイトを参照するよう案内しています。県のサイトに一本化はされていません。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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