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伊江島に移住する|移住支援金と移住体験、行政区に入るという条件

6分で読めます執筆: TownHub編集部
移住伊江村

伊江島への移住を伊江村の公式情報から整理します。最大100万円の移住支援金の要件、行政区への加入という条件、3泊からの移住体験プログラム、返還の決まりまで。

伊江島は沖縄本島北部の本部港から船で渡る島で、島全体が伊江村です。移住を考える人にとって、この島には他の沖縄の島に無い特徴があります。島外から移り住んでも移住支援金を受け取れる、沖縄で唯一の島だということです。もう一つ、支給の条件に「行政区に加入していること」が入っているという点も他に例がありません。伊江村と沖縄県の公表情報から整理します。

伊江島は本部港から船で通う島

伊江島へは、沖縄本島の本部港からカーフェリー(フェリーいえしま・フェリーぐすく)で渡ります。伊江村が公表している通常運航は1日4便で、伊江港発が8時・10時・13時・16時、本部港発が9時・11時・15時・17時です。乗船定員はフェリーぐすくが700名、フェリーいえしまが626名で、各便定員運航のため満船の場合は乗れません。

本部港には立体駐車場(85台)があります。悪天候による欠航や時刻変更があるため、村は事前に最新情報を確認するよう案内しています。

那覇市からは本部港まで車でおよそ2時間かかります。本島の医療機関や空港を使うには、船の便に生活を合わせることになります。1日4便という便数は、離島のなかでは多い部類ですが、最終便を逃せばその日は戻れません。

人口|5年で9.5%減った

沖縄県が令和8年5月29日に公表した令和7年国勢調査の速報によれば、伊江村の人口は3,727人で、令和2年から5年間で391人(9.5%)減りました

世帯数は1,813世帯で87世帯(4.6%)減っています。世帯の減少数は久米島町(204世帯減)に次いで県内2位でした。沖縄県内では人口が減っても世帯数は増える自治体が多いなか、伊江村は世帯そのものが減っています。

村が移住支援に力を入れているのは、この数字が背景にあります。

移住支援金|島外出身者が受け取れる沖縄唯一の島

沖縄県の移住支援金は、東京圏から移住した人に支給される制度です。令和8年度の実施市町村は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村(令和8年4月1日時点)で、41市町村のうち5つしかありません。

このうち島の自治体は石垣市と伊江村の2つです。ところが石垣市は市独自の要件で、対象を「市内の小中高に在籍していた」かつ「過去に継続1年以上、市に住民登録があった」石垣市出身者に限っています。

つまり、島外出身者が沖縄の島に移り住んで移住支援金を受け取れるのは、伊江島だけです。

支給額は次のとおりです。

区分金額
2人以上の世帯100万円
単身者60万円
18歳未満の世帯員を帯同1人につき100万円を加算

移住元の主な要件は次のとおりです。

  • 住民票を移す直前の10年間のうち通算5年以上、東京23区内に在住、または東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の条件不利地域以外に在住して東京23区内へ通勤していたこと
  • 住民票を移す直前に、連続して1年以上、東京23区内に在住または通勤していたこと

仕事の要件は就業・テレワーク・関係人口・起業の4つのいずれかです。就業の場合は、就業先が沖縄県のマッチングサイトに掲載されている求人であること、週20時間以上の無期雇用契約であること、新規雇用であること(転勤・出向・出張・研修による勤務地の変更は対象外)などが求められます。

関係人口の枠が独特です。転入時に50歳未満で、村が認定した事業者に新たに常用雇用されるか村内で新たに事業を営むこと、移住希望者として村内に宿泊し移住相談窓口で相談したことがあること、地域活動に今後5年以上積極的に参加することの3つをすべて満たし、さらに次のいずれかに該当することが条件です。

  • 伊江村の移住体験プログラム等に参加経験があること
  • 伊江村に2年以上ふるさと納税している者
  • 伊江村に以前住んだことがある、3親等以内の家族がいる、通学したことがある、のすべてに該当していること

「移住体験プログラムに参加した」「2年以上ふるさと納税していた」ことが支援金の入口になる設計は、全国的にも珍しいものです。

支給の条件に「行政区に加入していること」がある

伊江村の移住先要件には、他の自治体ではあまり見かけない項目が入っています。

「地域住民との親睦を図り、地域活動に参加するために行政区に加入していること」

行政区は自治会にあたる住民組織です。移住支援金の支給要件として加入を求めるということは、村が地域活動への参加を制度の前提に置いているということです。

このほかの移住先要件は次のとおりです。

  • 申請時に伊江村へ転入後1年以内であること(事業開始の令和5年11月8日以降に転入した人が対象)
  • 申請日から5年以上、伊江村に継続して居住する意思があること
  • 反社会的勢力に該当しないこと
  • 日本人であるか、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者・特別永住者のいずれかの在留資格を有すること

村は移住支援でも「島に住むことも仕事をみつけることも、島の人とうまく関わり合うことが重要」と説明しており、制度の設計と説明が一貫しています。地域との関わりを負担に感じる人には向きません。逆に、そこを望んで移る人には条件が明確です。

返還の決まり

支援金は受け取って終わりではありません。伊江村は返還の条件を明記しています。

状況返還額
申請日から3年未満で伊江村から転出全額
申請日から3年以上5年以内で転出半額
申請日から1年以内に支援金対象の職を辞した(就業要件の場合)全額
起業支援事業の交付決定を取り消された(起業要件の場合)全額
虚偽の申請等をした場合全額

最低5年間の居住が実質的な条件だと考えてください。3年未満で島を離れれば全額を返すことになります。

なお移住支援金は所得税法第34条に規定される一時所得に該当し、課税対象です。

移住体験プログラム|3泊から13泊

伊江村は、移住を検討している人向けに移住体験プログラムを用意しています。関係人口枠で移住支援金を申請する場合の入口にもなります。

項目内容
滞在期間1回の申請につき原則3泊から13泊
体験料(大人)1名1泊につき1,500円
体験料(小人・6歳から12歳)1名1泊につき500円
宿泊先移住体験施設
手続き事前相談のうえ申請書・誓約書・事前アンケートを提出し、村長の許可を得る
支払い事前入金

参加資格は、伊江島の移住・定住相談窓口等で事前に移住相談を受けた方、伊江村外に住所を有する移住検討者とその家族、滞在中の地域コミュニティ活動や村が提供する行程に積極的に参加する意思がある方の3つです。

村はこのプログラムの目的を「伊江島滞在中にたくさんの島の方々と出会ってもらい、島との相性を感じてもらうこと」と説明しています。行程は参加希望者から事前に聞き取り、関わりのありそうな島の方や先輩移住者と会えるように組まれます。観光ではなく暮らしの体験という位置づけです。

滞在が日帰りから2泊と短い場合も、事前に連絡すれば移住担当が島の生活を案内し、地域の方とのマッチングを行うとしています。

相談先と進め方

伊江村は移住定住のワンストップ相談窓口を設けており、ウェブ会議を使ったオンラインの個別移住相談も行っています。予約は村の移住問い合わせフォームから申し込みます。移住定住ガイドブック(先輩移住者へのインタビュー、地域活動、子育て支援、暮らしをまとめたもの)も公開されています。

進め方は次の順が確実です。

  1. オンライン相談を受ける。移住体験プログラムの参加資格が「事前に移住相談を受けた方」なので、ここが起点になる
  2. 移住体験プログラムで3泊以上滞在する。関係人口枠の要件にもなる
  3. 仕事の要件をどれで満たすか決める。就業なら沖縄県のマッチングサイト掲載求人であることが必要
  4. 行政区への加入を前提に考える。支給要件に入っている
  5. 5年住む前提で判断する。3年未満の転出は全額返還

申請書類は伊江村企画課へ直接提出します。

沖縄の他の島との比較は沖縄の島の移住を比べるに、制度の全体像は沖縄県の移住支援金にまとめています。

本記事の数字は、伊江村・沖縄県が公表している資料によります。時点を本文に記していますので、判断するときは最新の公表値で確かめてください。

よくある質問

Q.伊江島に移住すると支援金がもらえますか。

A.東京圏からの移住であれば対象になります。2人以上の世帯100万円、単身60万円、18歳未満の世帯員1人につき100万円加算です。沖縄県の移住支援金の実施5市町村のうち、島外出身者でも受け取れる島は伊江島だけです。

Q.なぜ石垣島ではなく伊江島だけなのですか。

A.令和8年度の実施市町村は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5つですが、石垣市は市独自の要件で対象を石垣市出身者に限っています。島の自治体で島外出身者も対象になるのは伊江村だけです。

Q.行政区への加入は必須ですか。

A.伊江村の移住支援金の要件に「地域住民との親睦を図り、地域活動に参加するために行政区に加入していること」が入っています。行政区は自治会にあたる住民組織です。

Q.途中で島を離れたら支援金はどうなりますか。

A.申請日から3年未満で転出した場合は全額、3年以上5年以内で転出した場合は半額の返還になります。就業要件で申請し、1年以内に対象の職を辞した場合も全額返還です。

Q.伊江島の移住体験プログラムとは何ですか。

A.3泊から13泊で島の暮らしを試す制度です。体験料は大人1名1泊1,500円、小人(6歳から12歳)500円で、移住体験施設に宿泊します。事前に移住相談を受けたうえで申請書・誓約書・事前アンケートを提出し、村長の許可を得て参加します。

Q.伊江島へはどうやって行きますか。

A.沖縄本島の本部港からカーフェリーで渡ります。通常運航は1日4便で、伊江港発が8時・10時・13時・16時、本部港発が9時・11時・15時・17時です。各便定員運航のため満船の場合は乗れません。

Q.伊江島の人口はどれくらいですか。

A.令和7年国勢調査の速報で3,727人です。令和2年から5年間で391人(9.5%)減りました。世帯数は1,813世帯で87世帯減っており、世帯の減少数は沖縄県内で2番目です。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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