沖縄県の移住支援金|対象は5市町村だけ。金額・条件・返還の決まり
沖縄県の移住支援金について、対象になる市町村と金額、東京23区からの要件、就業・起業・テレワークの条件、返還が必要になる場合をまとめます。
沖縄県の移住支援金でいちばん大事なのは金額ではありません。どの市町村に移れば対象になるのかです。令和8年度に実施しているのは、41市町村のうち5つだけです。沖縄県が公表している情報をもとにまとめます。
対象は5市町村だけ
沖縄県のページによれば、令和8年度に移住支援金事業を実施する市町村は次の5つです(令和8年4月1日時点)。
| 市町村 | 担当課 | 電話 |
|---|---|---|
| 石垣市 | 企画部ふるさと創生課 | 0980-87-9000 |
| 国頭村 | 企画政策課 | 0980-41-2621 |
| 東村 | 企画観光課 | 0980-43-2265 |
| 本部町 | 企画商工観光課 | 0980-47-2702 |
| 伊江村 | 企画課 | 0980-49-5812 |
沖縄県には41市町村がありますから、対象になるのは5つ、およそ8分の1です。那覇市も宮古島市も浦添市も入っていません。5つのうち4つは沖縄本島北部(国頭村・東村・本部町・伊江村)で、残る1つが八重山の石垣市です。
「沖縄に移住すると最大100万円」とだけ書いているページは珍しくありませんが、移り先がこの5市町村でなければ1円も出ません。ここを最初に確かめてください。
なお県は「移住先の市町村において本事業の詳細が公表された後に転入した方が対象となります」とも書いています。対象市町村であっても、その年度の詳細が公表される前に転入すると対象外になります。
さらに「市町村によって年度内に受付できる申請数の上限数は異なります」「本事業は、予算の範囲内で実施するため、申請の状況により年度途中で終了する場合があります」という注記もあります。枠が埋まれば締め切られます。
金額
支給額は次のとおりです。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 単身で移住 | 60万円 |
| 2人以上の家族・世帯で移住 | 100万円 |
| 18歳未満の世帯員を帯同して移住 | 18歳未満の者1人につき最大100万円を加算 |
国の制度に沿った額です。ただし県は「各要件は、本事業実施市町村によって異なる場合があります」と繰り返し注意しており、加算の扱いを含めて市町村ごとに違う可能性があります。制度そのもののしくみは移住支援金とはにまとめています。
移住元の要件|東京23区が基準
対象になるには、移る前と移った後の両方で要件を満たす必要があります。まず移住元です。
住民票を移す直前の10年間のうち、通算5年以上、次のいずれかに当てはまることが必要です。
- 東京23区内に在住していた
- 東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)のうち条件不利地域以外に在住し、東京23区内に通勤していた(雇用者としての通勤の場合は、雇用保険の被保険者としての通勤に限る)
- 東京圏のうち条件不利地域以外に在住しつつ、東京23区内の大学等へ通学し、東京23区内の企業等へ就職した場合は、通学期間も対象期間に算入できる
加えて、住民票を移す直前に連続して1年以上、東京23区内に在住、または東京圏のうち条件不利地域以外に在住して東京23区内へ通勤していたことが必要です。
そして移住支援金の募集開始以降に対象市町村へ移住し、5年以上継続して居住する意思があることも条件です。
大阪や名古屋、福岡から沖縄へ移る場合は対象になりません。 この制度は「東京23区への一極集中を緩める」ことが目的なので、出発点が東京23区(またはそこへ通勤・通学していた東京圏)に限られます。誰が対象になるかは移住支援金の対象になる人にも整理しています。
移住先の要件|4つのうちどれかを満たす
移住先では、次の4つの類型のいずれかを満たす必要があります。
1. 就業
沖縄県が移住支援金対象法人として登録した法人の求人に応募して就職する形です。要件は次のとおりです。
- 沖縄県が対象とする就業先として、移住支援金対象求人一覧に掲載されている求人であること
- 週20時間以上の無期雇用契約に基づいて就業していること
- 応募日が、その求人が移住支援金の対象として掲載された日以降であること
- 当該法人に、申請日から5年以上継続して勤務する意思を有していること
- 転勤、出向、出張、研修等による勤務地の変更ではなく、新規の雇用であること
対象求人は沖縄県UIJターン就職サポートセンター(りっか沖縄)で確認します。県は、りっか沖縄のキーワード検索で「移住支援金対象」と検索するよう案内しています。
ここは順番を間違えやすい部分です。求人が対象として掲載された日より前に応募していると、対象になりません。 先に転職活動を始めていた場合は要注意です。
2. 起業
沖縄県の実施する起業支援事業にかかる交付決定を、移住支援金の申請日から1年以内に受けていることが条件です。県は「沖縄県スタートアップ起業支援金」の特設サイトを案内しています。
3. テレワーク
4. 関係人口
テレワークと関係人口については、県は詳細を該当市町村に問い合わせるよう案内しています。この2類型は市町村ごとの運用差が大きいとみておいたほうがよいでしょう。
世帯とその他の要件
- 申請者を含む2人以上の世帯員がいずれも、支給申請時において転入後1年以内であること
- 日本人である、または外国人であって永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、特別永住者のいずれかの在留資格を有すること
- 申請者が、過去10年以内に申請者を含む世帯員として移住支援金を受給していないこと(全額返還した場合などの例外あり)
- 県および居住する市町村が対象として不適当と認めた者でないこと
返還が必要になる場合
見落とされやすいのがここです。受給後の行動によっては返さなければなりません。
全額を返還する場合
- 虚偽の申請、その他不正の手段により給付を受けた場合
- 申請日から3年に満たない期間で、受給した市町村から転出した場合
- 就業要件で受給した場合に、申請日から1年以内に要件を満たす職を辞した場合
- 起業支援金の交付決定を取り消された場合
半額を返還する場合
- 申請日から3年以上5年以内に、受給した市町村から転出した場合
ただし、雇用企業や就業先の倒産、災害、病気等のやむを得ない事情があるものとして県および支給市町村が認めた場合はこの限りではありません。
実質的には5年間その市町村に住み続ける前提の制度です。3年未満の転出で全額、5年以内で半額。1年以内の離職でも全額返還という条件は、就業要件で受け取る人にとって重い縛りです。移り先の仕事が続けられるかを、支援金の額より先に考えてください。
市町村が独自に持っている支援もあります
移住支援金は国の枠組みに沿った制度ですが、市町村はそれとは別に独自の支援を持っていることがあります。移住支援金の対象外の市町村でも、その市町村独自の制度なら使える場合があります。
たとえば石垣市は、企画部ふるさと創生課が移住・定住支援をまとめて所管しており、次の制度を公開しています。
- 空き家バンク
- Uターン移住支援金
- 奨学金返還支援補助金
- 移住相談及び移住体験ツアー
- 石垣市移住・定住支援協議会
- 市の公式移住定住応援サイト「南ぬ島らいふ」
石垣市は国の移住支援金の対象市町村でもあるため、両方を調べる価値があります。
移住支援金だけを見て「沖縄は5市町村しか支援がない」と判断するのは早計です。 住みたい市町村が決まっているなら、その市町村のページで空き家バンクや住宅補助、子育て支援の有無を直接確かめてください。移住支援金の金額の決まり方については移住支援金はどこが手厚いのかにも整理しています。
よくある勘違い
「沖縄に移住すれば100万円」ではありません。 対象は令和8年度で5市町村、移住元は東京23区が基準、移住先では就業・起業・テレワーク・関係人口のいずれかを満たす必要があります。
地域おこし協力隊とは別の制度です。 協力隊は自治体が委嘱して報酬を払う仕組みで、移住支援金は要件を満たした移住者に一時金を給付する仕組みです。協力隊として着任することが、そのまま移住支援金の就業要件を満たすわけではありません。 どちらを使うかは分けて考えてください。
対象市町村は年度で変わります。 県も「対象となる移住先については、年度によって異なる場合や移住時期によって支援金が受けられない場合がございます」「対象の有無等については、必ず移住前に移住先(予定)の市町村へ確認をお願いいたします」と明記しています。
申請の流れと問い合わせ
申請は移住先の市町村に対して行います。「対象要件や必要書類等は市町村によって異なる場合がありますので、移住先の市町村へお問い合わせください」と県は案内しています。
窓口は次のとおりです。
- 移住支援金に関すること … 対象5市町村の担当課(上の表)、および沖縄県企画部地域・離島課 地域振興班(電話098-866-2370)
- 起業支援金に関すること … 沖縄県商工労働部産業政策課 産業振興企画班(電話098-866-2330)
- 対象求人に関すること … 沖縄県UIJターン就職サポートセンター(りっか沖縄)
対象市町村のうち国頭村・東村・本部町は、当サイトで地域おこし協力隊の受入状況もまとめています。協力隊として着任してから定住するという道もあります(協力隊は委嘱によるため、移住支援金の就業要件とは別の枠組みです)。沖縄県の地域おこし協力隊もあわせてご覧ください。
移住全体の進め方は沖縄移住の始め方にまとめています。
対象市町村と要件は年度ごとに変わります。本記事は令和8年度(令和8年4月1日時点)の情報によるものです。申請の前に、必ず県と移住先市町村の最新の案内を確かめてください。
よくある質問
Q.沖縄県で移住支援金がもらえるのはどこですか。
A.令和8年度は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村です(令和8年4月1日時点)。41市町村のうち5つで、那覇市や宮古島市は対象に入っていません。
Q.いくらもらえますか。
A.単身で60万円、2人以上の家族・世帯で100万円、18歳未満の世帯員を帯同する場合は1人につき最大100万円が加算されます。
Q.大阪から沖縄へ移る場合も対象になりますか。
A.なりません。移住元は東京23区内に在住していたか、東京圏のうち条件不利地域以外に在住して東京23区内へ通勤していたことが必要で、直近10年間で通算5年以上という条件があります。
Q.転職先はどこでもいいのですか。
A.就業要件で受け取る場合は、沖縄県が移住支援金対象法人として登録した法人の求人に限られます。求人はりっか沖縄に掲載され、応募日がその求人の掲載日以降である必要があります。
Q.受け取ったあとに引っ越すとどうなりますか。
A.申請日から3年未満で受給した市町村から転出すると全額、3年以上5年以内の転出で半額を返還します。就業要件で受け取り、申請日から1年以内に要件を満たす職を辞した場合も全額返還です。倒産や災害、病気等のやむを得ない事情が認められた場合は除きます。
Q.対象市町村なら年度中いつでも申請できますか。
A.できるとは限りません。県は予算の範囲内で実施するため申請状況により年度途中で終了する場合があること、市町村によって年度内に受付できる申請数の上限が異なることを明記しています。
参考にした公式ページ
- 【東京圏から移住をお考えの皆様へ】移住支援金制度のご案内|沖縄県
- 移住・定住|沖縄県公式ホームページ
- 移住支援金対象法人の登録|沖縄県
- 移住・定住支援(空き家バンク・Uターン移住支援金・奨学金返還支援補助金等)/石垣市
- 企画政策課|国頭村
- 地域おこし協力隊/沖縄県東村
- 企画商工観光課|本部町役場
- 地域おこし協力隊とは/石垣市
情報は変わることがあります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。