久米島に移住する|5年で1割減った島の空き家バンクと受け入れ体制
久米島町への移住を公式情報から整理します。5年で10.8%減った人口、空き家・空き地バンクの使い方と対象者、島での仕事、相談窓口まで。
久米島は那覇市の西約100キロメートルにある島で、島全体が久米島町です。移住を考えるうえで最初に知っておきたいのは、この島が5年で人口の1割を失ったということと、それでも町が受け入れの仕組みを持ち続けているということです。久米島町と沖縄県が公表している資料から整理します。
久米島は5年で775人減った
沖縄県が令和8年5月29日に公表した令和7年国勢調査の速報によれば、久米島町の人口は6,417人で、令和2年から5年間で775人(10.8%)減りました。
沖縄県内41市町村のなかで、減少率は渡名喜村(32.4%)、伊是名村(14.5%)、渡嘉敷村(13.5%)、多良間村(11.3%)に次いで5番目です。減少数の775人は那覇市、宮古島市、沖縄市に次ぐ県内4位でした。
世帯数はさらに厳しい数字が出ています。久米島町の世帯数は3,134世帯で5年間に204世帯減り、減少数は県内で最も多く、減少率6.1%は渡名喜村に次ぐ2位でした。人口が減るなかでも世帯数だけは増える自治体が多いなか、久米島町は世帯そのものが減っています。
移住を考える人にとって、この数字は二通りに読めます。地域の維持が難しくなっているという意味と、受け入れる側が本気だという意味です。
空き家バンク|6年間で成約21件という規模
久米島町は空き家・空き地バンクを運営しています。宮古島市には市営の空き家バンクが無いことを考えると、この規模の町が持っているのは手厚い部類です。
町が公表している実績(令和8年6月末現在)は次のとおりです。
| 年度 | 登録件数 | 成約件数 | 補助金活用 |
|---|---|---|---|
| 令和2年 | 10件 | 10件 | 5件 |
| 令和3年 | 5件 | 4件 | 1件 |
| 令和4年 | 2件 | 2件 | 2件 |
| 令和5年 | 4件 | 2件 | 1件 |
| 令和6年 | 3件 | 2件 | 0件 |
| 令和7年 | 0件 | 0件 | 0件 |
| 令和8年 | 0件 | 1件 | 0件 |
| 累計 | 24件 | 21件 | - |
制度が始まった令和2年度は10件が登録され10件が成約しました。その後は年に数件で推移し、令和7年度は登録も成約もゼロです。累計で登録24件・成約21件(うち1件取下げ)という規模になります。
ここから分かるのは、空き家バンクがあることと、いつでも使える物件が出ていることは別だということです。年に数件しか動かないので、タイミングが合わなければ待つことになります。移住の時期を決め打ちせず、登録が出たときに動ける準備をしておくほうが現実的です。
バンクを使えるのは、Uターンなど移住を予定している方、または申請日の前日から3年前までに転入してきた方です。物件情報は町の移住定住促進情報ポータルサイト「久米島 島ぐらしガイド」に掲載されます。
受け入れの体制|協力隊13人は県内2位
久米島町は地域おこし協力隊の受け入れが厚い自治体です。総務省が令和8年4月24日に公表した資料では、久米島町の隊員数は13人で、沖縄県内で2番目に多い数でした。県全体では19団体・89人です。
活動の柱は町営塾(高校連携型)と高校魅力化プロジェクトで、隊員の活動報告会を毎年度公開しています。会計年度任用職員として月額192,700円、期末手当4.65月という条件が示されています。移住の入口として協力隊を使う選択肢は、この町では現実的です。詳しくは久米島町の地域おこし協力隊にまとめました。
町は「久米島町複業・フリーランサーギルド」も設立しており、島で複数の仕事を組み合わせて働く形を後押ししています。人口6,000人台の島では、一つの職場だけで生計を立てるより、複数の役割を持つほうが実情に合う場合があります。
お金|移住支援金の対象ではない
久米島町は、東京圏からの移住に最大100万円が出る移住支援金の対象ではありません。沖縄県が公表している令和8年度の実施市町村は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村です(令和8年4月1日時点)。
したがって久米島への移住では、引っ越し費用・車の手配・当面の生活費を自分でまかなう前提になります。空き家バンクの実績表にある「補助金活用」の欄は、町が別に用意している空き家の改修等に関する支援を使った件数で、令和2年度から令和5年度までに9件の利用がありました。使えるものがあるかどうかは、町に直接確かめてください。
沖縄県全体の生活費の水準は沖縄移住の始め方にまとめています。総務省の消費者物価地域差指数(2024年結果)では、沖縄県の食料は106.7で47都道府県中1位でした。離島はさらに輸送距離が長くなります。
仕事|島の規模に合わせて考える
久米島は農業(サトウキビ)、漁業、観光、海洋深層水を使った産業が中心です。人口6,417人という規模を踏まえると、求人の絶対数は多くありません。
沖縄県全体の正社員有効求人倍率は0.75倍(令和8年6月・原数値)で1倍を下回ります。島で正社員の職を現地調達する前提は避け、次のいずれかで入るのが現実的です。
- 地域おこし協力隊として着任する。町は13人を受け入れており、任期は最長3年
- 移住前に就業先を決める。町や事業者の採用情報を先に確かめる
- 収入が土地に左右されない働き方を持ち込む。町の複業・フリーランサーギルドはこの形を想定している
相談先と進め方
久米島町への移住は、次の順で進めると無駄が出にくくなります。
- 町の移住・定住のページと「久米島 島ぐらしガイド」で、いま出ている物件と求人を確かめる
- 空き家バンクの登録状況を見て、待てるかどうかを判断する。年に数件しか動かない
- 仕事の入口を決める。協力隊、事業者への就職、持ち込みの3通り
- 移住支援金が無い前提で費用を積む
- 実際に滞在して、船と飛行機の便、買い物と医療の距離を確かめる
久米島町の窓口は町のホームページの移住・定住のページから確認できます。空き家・空き地バンクの登録や利用の手続きは、様式が町のサイトに用意されています。
他の島との比較は沖縄の島の移住を比べるに、県全体の条件は沖縄移住の始め方にまとめています。
本記事の数字は、久米島町・沖縄県・総務省が公表している資料によります。時点を本文に記していますので、判断するときは最新の公表値で確かめてください。
よくある質問
Q.久米島の人口はどれくらいですか。
A.令和7年国勢調査の速報で6,417人です。令和2年から5年間で775人(10.8%)減りました。減少率は沖縄県内で5番目、減少数は4番目です。世帯数は3,134世帯で204世帯減り、減少数は県内で最も多くなっています。
Q.久米島町に空き家バンクはありますか。
A.あります。久米島町空き家・空き地バンクです。令和8年6月末時点の累計は登録24件・成約21件で、年に数件のペースです。令和7年度は登録も成約もありませんでした。
Q.空き家バンクは誰でも使えますか。
A.利用者はUターンなど移住を予定している方、または申請日の前日から3年前までに転入してきた方に限られます。物件情報は町の移住定住ポータル「久米島 島ぐらしガイド」に掲載されます。
Q.久米島町に移住支援金はありますか。
A.ありません。沖縄県の移住支援金の令和8年度の実施市町村は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村で、久米島町は含まれていません。
Q.久米島に仕事はありますか。
A.農業・漁業・観光・海洋深層水関連が中心で、人口6,417人という規模から求人の絶対数は多くありません。地域おこし協力隊として着任する、移住前に就業先を決める、収入が土地に左右されない働き方を持ち込む、のいずれかで入るのが現実的です。
Q.久米島町の地域おこし協力隊はどれくらいいますか。
A.総務省が令和8年4月24日に公表した資料で13人と、沖縄県内で2番目に多い数です。町営塾や高校魅力化プロジェクトが活動の柱になっています。
Q.久米島町は移住者を受け入れていますか。
A.空き家・空き地バンク、地域おこし協力隊13人、複業・フリーランサーギルドと、人口6,000人台の町としては仕組みが整っています。5年で1割の人口を失っており、受け入れは町の課題そのものになっています。