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沖縄移住の始め方|費用・仕事・支援金・住まいを公的データで整理

7分で読めます執筆: TownHub編集部
移住那覇市

沖縄への移住を、気候・物価・賃金・求人・支援金の公的データから整理します。41市町村のどこを選ぶか、相談はどこにするか、進める順番まで。

沖縄に移り住むことを考えるとき、最初に確かめておきたい数字がいくつかあります。物価は全国平均より高く、賃金は全国平均より低い。それでも住居費は安い。移住支援金が使える市町村は41のうち5つだけ。公的な統計と沖縄県の公式情報をもとに、順に整理します。

沖縄県は41市町村、その多くが島

沖縄県は41市町村からなります。那覇市を中心とする沖縄本島の南部・中部・北部に加えて、宮古島市、石垣市、久米島町、竹富町、与那国町といった離島の市町村が並びます。

同じ「沖縄」でも、暮らしの条件は場所によってまったく違います。那覇市とその周辺は都市部で、買い物も医療も選択肢があります。本島北部や離島に行くほど、店も病院も限られ、移動は車か船か飛行機になります。「沖縄に移住する」ではなく「沖縄のどこに移住するか」で考える必要があります。

判断材料の一つとして、地域おこし協力隊の受入状況が使えます。総務省が令和8年4月24日に公表した資料によれば、沖縄県で協力隊を受け入れているのは19団体・89人で、うち島だけで構成される自治体が8団体37人と、県全体の約42%を占めます。国が人手を入れて維持しようとしているのがどこなのかが、この分布から読み取れます。詳しくは沖縄県の地域おこし協力隊にまとめています。

気候|冬は暖かいが、雨と風は多い

気象庁が公表している那覇の平年値(1991年から2020年の30年平均)は次のとおりです。

項目那覇の平年値
年平均気温23.3℃
年平均の日最高気温26.0℃
年平均の日最低気温21.1℃
1月の平均気温17.3℃
8月の平均気温29.0℃
年降水量2,161.0ミリ
年平均風速5.3m/s

1月でも平均17.3℃というのが沖縄の最大の特徴です。暖房費がほとんどかからず、寒さがつらい人には大きな利点になります。

一方で年降水量2,161.0ミリは多い部類です。8月の平均気温29.0℃は本州の猛暑日ほどではありませんが、湿度が高く、期間が長く続きます。年平均風速5.3m/sという数字も、日常的に風が強いことを示しています。

台風も避けて通れません。沖縄気象台の統計によれば、台風の中心が那覇・名護・久米島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島・南大東島のいずれかから300キロメートル以内に入った数は、2021年が7個、2023年が6個、2024年が8個、2025年が7個でした。毎年6個から8個の台風が接近する前提で、住まいも仕事も組み立てることになります。

お金|物価は全国平均より高い

ここが最も誤解されている点です。総務省が令和7年6月27日に公表した「消費者物価地域差指数」(小売物価統計調査 構造編、2024年結果)で、沖縄県の指数は次のようになっています。全国平均を100とした値です。

費目沖縄県の指数47都道府県中の順位
総合100.29位
食料106.71位
光熱・水道105.016位
被服及び履物101.115位
保健医療99.524位
交通・通信97.645位
教養娯楽96.722位
家具・家事用品96.444位
住居94.018位
教育91.835位
諸雑費90.947位

総合が100.2ということは、沖縄県の物価は全国平均より高いということです。47都道府県のうち9番目に高く、最も高い東京都(104.0)と最も低い群馬県(96.2)の間で、上位に位置します。

理由ははっきりしています。総務省の資料は、全国平均との差に対する費目別の寄与度も出しており、沖縄県では食料が+2.14と最も大きくプラスに寄与しています。食料の指数106.7は47都道府県で1位です。島であるため多くの食料品を本土から運んでおり、輸送費が価格に乗ります。

逆に安いのもはっきりしています。住居は94.0諸雑費は90.9で全国最下位です。家賃は本土の都市部より抑えられます。

まとめると、沖縄は「家賃は安いが食費は高い」という構造です。「南国は物価が安い」という前提で家計を組むと、食費で狂います。

仕事|求人倍率も賃金も全国平均を下回る

沖縄県が公表した令和7年12月の雇用状況は次のとおりです。

指標沖縄県全国
有効求人倍率(季節調整値)1.08倍1.19倍
新規求人倍率(季節調整値)1.82倍2.17倍
完全失業率2.9%2.6%
若年者(15〜29歳)完全失業率3.6%3.0%

有効求人倍率は1.08倍で、全国の1.19倍を下回ります。1倍を超えているので求人が求職を上回ってはいますが、余裕がある水準ではありません。

賃金も低めです。沖縄県の地域別最低賃金は時間額1,023円(令和7年12月1日発効)で、令和7年度の全国加重平均1,121円を98円下回ります。

物価が全国平均より高く、賃金が全国平均より低い。この組み合わせが沖縄移住の家計を一番きつくする要因です。仕事の探し方は沖縄移住の仕事の探し方に分けてまとめました。

支援金|使えるのは41市町村のうち5つだけ

国の移住支援金は沖縄県でも実施されていますが、どこに移っても使えるわけではありません

沖縄県のページによれば、令和8年度に本事業を実施する市町村は、石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村です(令和8年4月1日時点)。41市町村のうち5つで、那覇市も宮古島市も対象に入っていません

金額は単身60万円、2人以上の世帯100万円、18歳未満の世帯員を帯同する場合は1人につき最大100万円の加算です。ただし移住元が東京23区であることなど条件が細かく、返還が必要になる場合もあります。詳しくは沖縄県の移住支援金にまとめています。制度そのもののしくみは移住支援金とはをご覧ください。

「沖縄に移住すると100万円もらえる」という書き方をしているページを見かけたら、対象市町村を確かめてください。 年度によっても変わります。

住まい|住居費は安いが、台風前提の建物になる

物価指数で見たとおり、住居は94.0と全国平均を下回ります。家賃の負担は本土の都市部より軽くなります。

住まい探しで沖縄特有なのは、建物が台風を前提にしていることです。木造より鉄筋コンクリート造が多く、窓に雨戸や面格子が付いている物件が一般的です。年間6個から8個の台風が接近する土地では、これは贅沢ではなく必要な仕様です。

空き家バンクを持つ市町村もあります。たとえば石垣市は企画部ふるさと創生課が空き家バンク、Uターン移住支援金、奨学金返還支援補助金といった移住・定住支援をまとめて所管しており、移住相談も同じ窓口で受け付けています。市町村ごとに制度が違うので、移住先の候補が決まったらその市町村のページを直接見るのが確実です。

相談窓口

沖縄県の移住に関する窓口は、目的によって分かれます。

目的窓口
移住全般・県の移住サイト沖縄県 企画部 地域・離島課(電話098-866-2370)
移住支援金移住先となる対象市町村。県側の窓口は地域・離島課
起業支援金沖縄県 商工労働部 産業政策課 産業振興企画班(電話098-866-2330)
仕事さがし沖縄県UIJターン就職サポートセンター(りっか沖縄)
雇用・労働の統計沖縄県 商工労働部 雇用政策課(電話098-866-2324)

県は公式の移住応援サイト「おきなわ島ぐらし」を持っており、県の移住のページからリンクされています。移住相談会も東京・大阪などで開かれています。

どこに住むかをどう決めるか

移住先を絞るときは、次の順に考えると外しにくくなります。

1. 仕事の当てがあるか

沖縄県の有効求人倍率は1.08倍で、選び放題ではありません。先に仕事を決めてから移るのが安全です。移住支援金を使うなら、対象になる求人は県が登録した法人のものに限られるため、なおさら先に確認が要ります。

2. 車に乗るかどうか

沖縄県内の地域おこし協力隊の募集要項を見ると、久米島町・竹富町・渡名喜村・与那国町・国頭村・うるま市のいずれも普通自動車運転免許を必須にしています。渡名喜村は「運転免許証保持者(実際に運転出来る方)」とわざわざ補足しています。那覇市中心部を除けば、車が前提の土地だと考えてください。

3. 医療と買い物の距離

離島や本島北部では、病院も店も数が限られます。持病があるなら、通院先が確保できるかを先に調べてください。

4. 支援金を使うか

支援金を使うなら、移住先は自動的に対象5市町村(令和8年度は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村)に絞られます。支援金を優先するのか、住みたい場所を優先するのかは、先に決めておいたほうがよい判断です。

進める順番

最後に、実際に動くときの順番をまとめます。

  1. お試しで滞在してみる … 夏と冬の両方を経験できると理想的です。台風の季節を一度体験しておくと判断が変わることがあります
  2. 仕事を決める … 求人倍率と賃金水準を踏まえ、移る前に決める
  3. 支援金を使うか決める … 使うなら対象市町村と要件を先に確認する
  4. 住まいを探す … 台風対応の建物か、車を置けるかを見る
  5. 市町村の窓口に相談する … 制度は市町村ごとに違います

「やめとけ」と言われる理由が気になる方は、沖縄移住が「やめとけ」と言われる理由で、よく言われる指摘を一つずつ統計で確かめています。老後の移住を考えている方は沖縄への老後移住をご覧ください。

本記事の数字は、総務省・厚生労働省・気象庁・沖縄県が公表している資料によるものです。年度や月次で更新されるため、時点を本文に記しています。実際に動くときは最新の公表値を確かめてください。

よくある質問

Q.沖縄は物価が安いのですか。

A.安くありません。総務省の消費者物価地域差指数(2024年)で沖縄県の総合は100.2で、全国平均より高く47都道府県中9位です。とくに食料は106.7で全国1位です。一方で住居は94.0、諸雑費は90.9で全国最下位と、安い費目もあります。

Q.沖縄で移住支援金はもらえますか。

A.令和8年度に事業を実施しているのは石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村です(令和8年4月1日時点)。41市町村のうち5つで、那覇市や宮古島市は対象に入っていません。

Q.仕事は見つかりますか。

A.令和7年12月の有効求人倍率は1.08倍で、全国の1.19倍を下回ります。1倍は超えていますが余裕のある水準ではないため、移る前に仕事を決めるのが安全です。

Q.沖縄の冬はどれくらい暖かいですか。

A.気象庁の那覇の平年値では1月の平均気温が17.3℃です。年平均気温は23.3℃、年降水量は2,161.0ミリです。

Q.台風はどれくらい来ますか。

A.沖縄気象台の統計では、沖縄県への台風接近数は2021年が7個、2023年が6個、2024年が8個、2025年が7個でした。

Q.車は必要ですか。

A.那覇市中心部を除けば必要になります。県内の地域おこし協力隊の募集要項は、久米島町・竹富町・渡名喜村・与那国町・国頭村・うるま市のいずれも普通自動車運転免許を必須としています。

TownHub編集部

編集部

全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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