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宮古島に移住する|人口・仕事・住まい・支援を公的データで確かめる

7分で読めます執筆: TownHub編集部
移住宮古島市

宮古島への移住を、宮古島市と沖縄県が公表している統計から整理します。人口の推移、転入と転出の実数、島ごとの人口差、支援制度の有無、相談先まで。

宮古島への移住を考えるとき、まず知っておきたいのは、宮古島市について公表されている人口の統計が2つあり、その2つが逆を向いているということです。片方は「人が増えている」と言い、もう片方は「減っている」と言います。どちらも公的な統計です。理由も含めて、宮古島市と沖縄県、沖縄労働局が公表している数字から順に整理します。

宮古島市は6つの島でできている

「宮古島に移住する」と言うとき、行き先は宮古島市です。宮古島市は宮古島本島だけの市ではなく、複数の島からなります。宮古島市が公表している「統計みやこじま(令和6年度版)」によれば、令和6年12月末時点の島別の住民基本台帳人口は次のとおりです。

人口
宮古島50,218人
伊良部島4,631人
池間島468人
来間島152人
下地島99人
大神島20人
合計55,588人

宮古島本島が全体の9割を占めます。伊良部島・池間島・来間島・下地島は橋でつながっており、車で行き来できます。橋が無いのは大神島だけで、島尻港から定期船が出ています。

同じ市内でも人口の動きは同じではありません。平成30年からの7年間で、宮古島本島は48,721人から50,218人へ1,497人増えた一方、伊良部島は5,059人から4,631人へ428人減り、池間島は568人から468人へ100人減っています。伊良部大橋が平成27年に開通して本島とつながったあとも、伊良部島の人口は減り続けています。「宮古島に移る」と決めたあと、島内のどこに住むかで条件はかなり変わります。

人口|2つの公的統計が逆を向いている

ここが最も注意のいるところです。

宮古島市の住民基本台帳では、令和6年の社会増加は+317人でした。転入が転出を317人上回ったということです。しかもこれは単年の話ではなく、平成30年から令和6年まで7年連続でプラスが続いています(+363、+977、+286、+46、+354、+532、+317)。この数字だけを見れば、宮古島は人が集まっている島です。

ところが、沖縄県が令和8年5月29日に公表した令和7年国勢調査の速報では、宮古島市の人口は52,012人で、令和2年から5年間で919人(1.7%)減っています。減少数は那覇市(6,552人減)に次いで県内2位でした。

同じ市について、なぜ逆の結果が出るのか。数えているものが違うからです。

  • 住民基本台帳は住民票の異動を数えます。市民課が毎月集計しています
  • 国勢調査は10月1日時点でそこに実際に住んでいる人(常住者)を数えます

宮古島市の住民基本台帳人口は令和6年12月末で55,588人、国勢調査速報は令和7年10月1日で52,012人です。両者の差は3,576人あります。住民票を宮古島市に置いたまま島外で暮らしている人が相当数いる、と読むのが自然です。

どちらかが間違っているのではありません。移住を考えるうえでは、住民票の動きは増えていて、実際に住んでいる人は減っている、という両方を前提にするのが正確です。世帯数を見るとこの見方が補強されます。国勢調査速報の宮古島市の世帯数は25,737世帯で、5年間で6.2%増えました。人口が減って世帯が増える形です。

転入と転出|年に約3,900人が来て、約3,600人が出る

宮古島市が公表している令和6年の人口動態は次のとおりです。

区分人数
転入 計3,927人(県外2,425・県内1,462・その他40)
転出 計3,610人(県外2,022・県内1,516・その他72)
社会増加+317人
出生381人
死亡775人
自然増加△394人
人口増加△77人

読み取れることは3つあります。

第一に、宮古島には毎年およそ3,900人が転入しています。人口5万人台の市としては非常に多く、1日あたり10人以上が住民票を移してきている計算です。「島だから人が来ない」という前提は当たりません。

第二に、同時におよそ3,600人が出ていきます。転入だけを見ても実態はつかめません。

第三に、人口が減っている主因は転出ではなく死亡です。令和6年は出生381人に対して死亡775人で、2倍以上の開きがあります。平成19年は出生572人・死亡532人で出生のほうが多かったので、この18年で出生が33%減り、死亡が46%増えたことになります。社会増加が+317人でも、自然減の△394人を埋められません。

移住者にとって直接効くのは、この自然減が示す年齢構成です。医療と介護の需要は増え続け、担い手は不足します。

仕事|求人倍率は県平均より高い

「島には仕事が無い」と言われますが、求人の数だけを見ると事実ではありません。

沖縄労働局が公表した令和8年6月の安定所別の一般職業紹介状況では、ハローワーク宮古の有効求人倍率は就業地別で2.70倍(受理地別では2.10倍)でした。同じ月の沖縄県全体は就業地別・季節調整値で1.09倍です。求職者1人あたりの求人数でいえば、宮古は県全体の2倍以上あります。

ただし内訳を見る必要があります。同じ資料で、宮古の月間有効求人数1,716人のうち常用は1,580人、有効求職者数896人のうち常用は890人で、常用に限った就業地別の倍率は1.92倍です。また沖縄県全体の正社員有効求人倍率は0.75倍(令和8年6月・原数値)で、1倍を下回っています。

つまり宮古島の労働市場は、求人の数は足りているが、正社員の枠と賃金水準は別問題という構造です。石垣市が転出者に行った調査でも「仕事が少ない・収入が低い」が転出理由の19%を占めており、離島で問題になるのは求人数より条件です。沖縄県全体の賃金と求人の状況は沖縄移住の仕事の探し方に整理しています。

住まい|市に空き家バンクは無い

移住の実務で最も詰まるのが住まいです。宮古島市には市が運営する空き家バンクがありません

宮古島市建設部建築課は、空き家に関する相談先として次の3つの法人を案内しています(宮古島市空き家等管理活用支援法人)。

相談内容法人連絡先
空き家のリノベーション(リフォーム)一般社団法人リノベーション沖縄090-7006-0001
空き家の売買・賃貸宮古地区宅地建物取引業者会0980-75-5377
空き家の活用・相続・管理NPO法人空家・空地管理センター0120-336-366

自治体の空き家バンクは登録物件を無料で閲覧でき、移住検討者にとって最初の入口になります。宮古島市ではその入口が無く、民間の窓口に直接あたることになります。近隣では久米島町が空き家・空き地バンクを運営しており、対象を「Uターンなど移住を予定している方、または申請日の前日から3年前までに転入してきた方」としています。

住まいの需要は増えています。宮古島市の世帯数は平成元年の17,820世帯から令和6年の30,599世帯へ1.7倍になり、1世帯当たり人員は3.2人から1.8人に下がりました。人口が減るなかで世帯だけが増えているので、必要な住戸の数は人口の増減とは別に増え続けています。

宮古島市の住生活基本計画は、この島の住まいについて「本土からの移住者が多くなる傾向にあり、空き家・中古住宅に居住」と現状を書いたうえで、台風対策としての雨戸や塗装の推奨、潮風による塩害、湿気とカビへの対策を課題に挙げています。同計画は一住宅当たりの延床面積を82.67平方メートル(県平均77.39平方メートル)としており、住宅そのものは県内では広い部類です。

お金|宮古島市は移住支援金の対象外

「宮古島 移住 補助金」で調べる人が多い項目ですが、結論から書きます。

宮古島市は、東京圏からの移住に最大100万円が出る移住支援金の対象ではありません。

沖縄県が公表している令和8年度の実施市町村は、石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村です(令和8年4月1日時点)。41市町村のうち5つで、そのなかに宮古島市は入っていません。制度の内容は沖縄県の移住支援金にまとめています。

支援金を軸に移住先を選ぶなら、島では石垣島か伊江島が候補になります。ただし石垣市は市独自の要件で対象を石垣市出身者に限っているため、島外出身者が受け取れるのは実質的に伊江島だけです。詳しくは石垣島に移住する伊江島に移住するに書きました。

宮古島市を選ぶ場合は、支援金が無い前提で資金計画を組むことになります。県外からの引っ越し費用、車の手配、当面の生活費を自分でまかなえるかどうかが、判断の分かれ目です。

相談先と、進める順番

宮古島市への移住は、次の順で確かめると無駄が出にくくなります。

  1. 仕事を先に決める。求人倍率は高いものの、正社員の求人は全国的にも1倍を下回ります。ハローワーク宮古で職種と賃金を確かめます
  2. 住まいを探す。市の空き家バンクが無いため、宮古地区宅地建物取引業者会や地元の不動産会社に早めにあたります
  3. 島内のどこに住むかを決める。本島(平良地区など)と伊良部島では人口の動きも生活環境も違います
  4. 支援金が無い前提で費用を積む。宮古島市は移住支援金の対象外です
  5. 短期間でも滞在して確かめる。台風、湿気、塩害、買い物と医療の距離は、住んでみないと分かりません

沖縄県は移住相談の窓口として公式サイト「おきなわ島ぐらし」を運営しており、市町村ごとの情報を載せています。宮古島市の各制度については、市の担当課に直接確かめるのが確実です。

宮古島で後悔しやすい点は宮古島移住で後悔しないためにに、沖縄県全体の条件は沖縄移住の始め方に、他の島との比較は沖縄の島の移住を比べるにまとめています。

本記事の数字は、宮古島市・沖縄県・沖縄労働局が公表している資料によります。時点を本文に記していますので、判断するときは最新の公表値で確かめてください。

よくある質問

Q.宮古島の人口は増えているのですか、減っているのですか。

A.統計によって逆になります。宮古島市の住民基本台帳では令和6年の社会増加が+317人で、平成30年から7年連続のプラスです。一方、令和7年国勢調査の速報では5年間で919人(1.7%)減っており、減少数は県内2位でした。住民票の動きは増えていて、実際に住んでいる人は減っている状態です。

Q.宮古島市に移住支援金はありますか。

A.ありません。沖縄県の移住支援金の令和8年度の実施市町村は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5市町村で(令和8年4月1日時点)、宮古島市は含まれていません。

Q.宮古島市に空き家バンクはありますか。

A.市が運営する空き家バンクはありません。宮古島市建築課が、リノベーションは一般社団法人リノベーション沖縄、売買・賃貸は宮古地区宅地建物取引業者会、活用・相続・管理はNPO法人空家・空地管理センターを案内しています。

Q.宮古島に仕事はありますか。

A.沖縄労働局の令和8年6月のデータでは、ハローワーク宮古の有効求人倍率は就業地別で2.70倍と、沖縄県全体の1.09倍を上回ります。ただし沖縄県全体の正社員有効求人倍率は0.75倍で、求人の数と条件は別に確かめる必要があります。

Q.宮古島市には毎年どれくらいの人が移り住んでいますか。

A.令和6年の転入は3,927人(うち県外から2,425人)でした。同じ年の転出は3,610人です。人口5万人台の市に毎年約3,900人が転入し、約3,600人が出ていく形です。

Q.宮古島市の人口が減っている理由は何ですか。

A.転出ではなく自然減です。令和6年は出生381人に対して死亡775人で、自然増減は△394人でした。社会増加の+317人では埋まらず、差し引き77人の減少になっています。

Q.島内ならどこに住んでも同じですか。

A.違います。平成30年から令和6年にかけて宮古島本島は1,497人増えた一方、伊良部島は428人、池間島は100人減りました。伊良部大橋の開通後も伊良部島の人口は減り続けています。

TownHub編集部

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全国の地域情報を取材・編集しています。自治体の公開情報と現地取材をもとに、その街で暮らす人に役立つ情報をお届けします。

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